2004年9月6日から10日までベルリンのベルリン工科大学(TU)で国際ダイオキシン会議が開催され参加したが、その際、気になっていたのがベルリン市のゴミ分別、デポジットなど廃棄物問題、とくに現場実態であった。

と言うのも、ドイツは先進国の中で廃棄物問題については、最も法制度も実態も進んでいる国であるということが、我が国に伝わっている。だが、連邦国家であるドイツであること、ベルリン市があるブランデンブルグ州がもともと旧東ドイツにあったこと、またその州都であり後にドイツの首都となったベルリンも旧東ドイツにあることなどから、果たして現場から見た廃棄物問題の実態はどうなっているか、大変興味深いものがあった。
●ベルリン市内のデポジットの実態(1)
最初に、ベルリン市内に空港から到着し、高速バスで宿泊先の動物園公園駅に行った。宿泊先は、東京で言えば原宿の表参道通りに面していると言ったら分かりやすいだろう。動物公園駅(Zoologischer
Garten Bnf.)周辺は、東西ベルリン時代は、西ベルリンの表玄関であり中核駅であった。
駅前広場の一角、ホテルから徒歩1分のところに、写真(下)の1895年にカイザー・ウィルヘルム一世を記念して建立された有名な教会がある。このモザイク様式の古い教会はドイツ国内では知らないひとはいない有名なものだそうだ。
カイザー・ウィルヘルム一世記念教会
ホテルでチェックインし、何はともあれ何か食べようと言うことになった。
動物公園駅前
駅前の小さなテイクアウト店に入ってベルリンっ子の大好物ブルスト(日本で言うソーセージ)とポテトフライ、それに飲み物のセットを4ユーロちょっとで頼んでみた。今のベルリンでは、ブルストにケチャップとともにカレー粉をマブスのが大流行。
ベルリン名物?ブルストを食べる池田さん
順番を待って私の番になった。まずブルストとポテトチップを皿一杯渡された。そのとき、店の主人の女性が飲み物は何にするかと聞くのでスプライトと言うと、冷蔵庫からスプライトを一本だした。私の渡すなり、英語で4ユーロとは別に0.2ユーロを下さいと言う。
最初、何かと思ったが、ここはドイツ、すぐにデポジットがかかっていることを察知した。4ユーロとはべつに0.2ユーロを渡す。主人は、スプライトのビンを返却する時に0.2ユーロを返しますよと、言った。
実際、飲み終わったビンを返すと0.2ユーロが返ってきた。この店では飲み物代が約2ユーロだったので、その1割の0.2ユーロがデポジット額となっているようだ。
その後、駅にあるコンビニにリットル単位の炭酸飲料水などを買いに行ったが、容器として使われているペットボトルにはデポジットがかかっていないことが分かった。これは駅以外でも同様であった。またペットは日本とは異なり、硬質のPETで数10回は使い回すらしい。
●ベルリン市内のデポジットの実態(2)
国際学会が開催されていたベルリン工科大学の学内には日本同様、多数のコーラなどの清涼飲料水などを売るベンダーマシンがあった。
ここでもペットボトル系及びカンは別とし、いわゆるビンはデポジットがかかっていた。
以下の写真のうち大きくコカコーラと書いてあるのは、いわゆるベンダーマシンである。その間にある2つの機械が何とデポジット用の自動ビン判別装置であった。

以下の写真はその拡大版である。

飲み終わったビンを下の穴に入れると、機械がそのビンを自動判別する。

デポジット相当ビンである場合には、0.15ユーロが戻ってくる仕組みである。2回試みたが2回とも正確にデポジット額が戻ってきた。
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