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リビア元指導者の息子が刑務所から釈放され
メディア報道によると、釈放後すぐに
イスタンブールにむけ出発したという

  Aljazeera 2021年9月6日
Saadi Gaddafi: Son of former Libya leader freed from jail
Media reports say Saadi Gaddafi departed on a plane
to Istanbul immediately after his release.

Aljazeera 6 Sep 2021

翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年9月8日
 

ムアンマル・カダフィの息子であるサーディ・カダフィ。2016年2月7日、リビアのトリポリにある裁判所での審理中に、鉄格子の後ろに座っている[資料写真: Ismail Zitouny/Reuters]。2021年9月6日

本文

 メディアの報道によると、リビア当局は、2011年の反乱で退陣し殺害された元指導者ムアンマル・カダフィの息子であるサーディ・カダフィを釈放した。

 47歳の同氏は直ちにイスタンブール行きの飛行機で出発したと、公式関係者が20日、ロイター通信に語った。

 2011年の蜂起の際、サーディ・カダフィはニジェールに逃れたが、2014年にリビアに送還され、それ以来トリポリで収監されていた。

 この元プロサッカー選手は、2011年にデモ隊に対して行った犯罪や、2005年にリビアのサッカーコーチであるバシール・アル・ラヤニを殺害した罪に問われていた。

 彼は2018年4月にアル・ラヤニの殺害容疑で無罪となった。

 検察庁の関係者がAFP通信に語ったところによると、「主任検事は数カ月前に、必要な条件がすべて満たされ次第、サーディ・カダフィに関する決定を執行するよう求めた」という。

 また、カダフィは国内に留まることも、国外に出ることも自由であるとも述べている。

 リビアは蜂起から10年の間、混乱、分裂、暴力に苦しんできた。加えて、ムアマル・カダフィに加えて、彼の息子3人も殺害された。

 2020年の停戦により、派閥争いは終結し、和平交渉への道が開かれ、3月には暫定政府が発足した。12月には選挙が予定されている。

 公式筋がロイターに語ったところによると、サーディ・カダフィの解放は、部族の幹部やアブドゥル・ハミド・ドベイベ首相を含む交渉の結果であるという。

 また、別の関係者によると、交渉にはファティ・バシャガ前内務大臣も参加していたとのことである。

 7月、ニューヨーク・タイムズ紙は、ジンタンの町で長年拘束されていたサーディの兄、サイフ・アル=イスラム・カダフィにインタビューを行ったと発表したが、彼の支持者は次期大統領選挙への出馬を示唆している。

注)故カダフィ大佐には7男1女の子供たちがいるが、今回釈放されてトルコに入ったというのは3男。三男のアッ=サーディーは、元プロサッカー選手。リビアの旧宗主国でもあるイタリアのサッカークラブ、ペルージャに入団したことは大きな話題となった。2002年日韓ワールドカップを見に日本に入国したことがあるが、成田空港で彼のボディガードが拳銃を所持していたために足止めをくらったことがある。彼はリビア軍の司令官の娘と結婚、選手引退後はリビアサッカー協会会長を務めていた。1996年にトリポリでサッカーの試合中に観客が暴動をおこし、通りに繰り出して「反カッザーフィー」を叫んだ事件では、サッカーの審判団がアッ=サーディーがオーナーを務めるサッカークラブに有利な判定を連発したことが原因とされている。 5~7男の三人は既に戦闘などで死亡している。1女は弁護士で陸軍中将の肩書きがある。(Wikipediaより)