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中国当局、中国恒大にドル建て債で
目先のデフォルト回避を指示
Bloomberg News
Sep 23 2021
China Tells Evergrande to Avoid Near-Term
Dollar Bond Default(抜粋)

語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年9月24日
 

2021年9月23日 19:32 JST
ドル建て債は23日がクーポン支払い期日-30日間の猶予期間
当局は中国恒大債の保有者について情報を集めている-関係者


本文

 中国の金融規制当局は、深刻な資金難が続く不動産開発会社、中国恒大集団に対して幅広い指示を発した。建設中の物件を完成させることと個人投資家への債務を返済することに集中的に取り組むとともに、ドル建て社債で目先のデフォルト(債務不履行)を回避するよう求めた。

  当局は中国恒大の担当者との最近の会合で、デフォルト回避のため先を見越して社債保有者と連絡を取るよう指示したが、具体的な助言は与えなかったと、事情に詳しい関係者1人が述べた。中国恒大はドル建て社債で8350万ドル(約92億円)のクーポン支払いが23日に期限を迎えるが、30日間の猶予期間がある。

  当局が支払いに関する資金支援を提案したのか、またオフショア債権者に最終的に損失を負わせるべきだと考えているかどうかは不明だ。当局は中国恒大債の保有者について情報を集めていると、慎重に扱うべき情報だとして関係者が匿名を条件に述べた。

ドル債の毎月の支払利息ローカル債の支払利息予想

注:地方債の利子をドルに換算。2024年までの支払いに関する9月13日時点のデータ。
出典 ブルームバーグ

  この当局指導は中国恒大問題の結末がどのような形になるのか手掛かりにはなりにくいが、金融市場を揺るがし成長の足かせとなり得る同社の破綻を政府が当面は回避したい考えであることはうかがわれる。中国恒大に債務危機解決の時間を政府が与える兆候が見られれば、中国内外の投資家の不安は和らぐ可能性がある。

  中国恒大の苦境は不動産業界の過剰債務圧縮を促すと同時にモラルハザードを避けようとする習近平政権の政策が一因だが、経済および社会の安定を脅かす無秩序なデフォルトを政府が座視する公算は小さい。中国人民銀行(中央銀行)のここ数日の大量資金供給は、当局が既にセンチメント改善を重視していることを示唆する。

 香港で中国不動産株上昇、恒大が一時32%高-人民銀は流動性供給
 中国恒大と人民銀、金融および住宅規制当局はコメント要請に応じていない。

  中国恒大は22日、翌日が期日となる人民元建て債のクーポン支払いについて、「クリアリングハウス外での交渉によって解決された」と発表した。デフォルトと定義されることなく支払いを延期することで本土債の保有者と合意した公算が大きいとアナリストらは推測している。

  ドル建て債保有者と同様の合意ができるかどうかは明らかでない。