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「侵略者 大英帝国 1900」
中国漫画家 ウーヘキリン(Wuheqilin)
新イラストでG7会議を嘲笑う
‘Invaders United Kingdom 1900’:
Chinese cartoonist Wuheqilin mocks
G7 meeting with new illustration

GT
7 May 2021

翻訳:池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月9日 公開

 


撮影:Huang Lanlan(黄蘭蘭) 公開:2021年05月07日

本文をお読みになる前に

 本記事は、まさに歴史を知らないと理解できない。今回、G7にインド、オーストラリア、韓国が招かれたことからインドについて、国民がコロナに苦しんでいるのにG7の尻馬に乗ってこんなことしてる場合かと揶揄しています。

 G7にはロシアは入っていませんが、G7:カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国+欧州連合で8カ国ということでちょうど1900年の8カ国連合と数があったのでしょう。100年前から「列強」として世界分割をやってきた国々は今も変わらないということで面白い。

注)8カ国連合軍(イギリス・アメリカ・ドイツ・フランス・オーストリア・イタリア・ロシア・日本)と義和団/義和団事件/北清事変

 1900年、中国で起こった反キリスト教、排外主義の民衆蜂起。清朝(西太后)は当初鎮圧を図ったが、北京を占領されるにおよんで支持に転じ、列強に宣戦布告した。しかし英米仏露日など8ヵ国連合軍が北京を奪回し、列強の帝国主義的中国分割が進んだ。

 義和団の蜂起に押されて清朝政府が列強に宣戦布告し8ヵ国連合軍との戦争に発展、1900年8月には8ヵ国連合軍が北京に侵攻した。北清事変ともいう。敗れた清朝は列強と北京議定書を締結、中国分割がさらに進んだ。アフリカにおける南ア戦争、ラテンアメリカ・フィリピンにおける米西戦争などと共に帝国主義による世界分割の一環であった。(出典:世界史の窓より)


 なお、先の青山貞一の「五四運動」は1919年、欧米日が上海に租界と言う名の侵略を行い、それに反発した中国の若者が五月四日に運動を起こしている。まさに、1900年代も今も、欧米の豪お万不遜な体質は変わらないと言える。

動画に見る中国の「五四運動」について 青山貞一

池田こみち


<本文>

 「前回これらの男たちが中国に衝突した時は1900年だった。それから120年が経過したが、彼らはまだ夢を見ている」、中国の愛国漫画家・呉河吉林氏は金曜日、新しい風刺イラストと一緒にSNSに投稿し、G7(七人組)が中国の内政に干渉することを、1900年に八カ国同盟軍が中国を侵略した悪名高い事件になぞらえた。

注)もとの写真は以下のBBCの記事にあります。
https://www.bbc.com/news/uk-56976093



 黄ばんだ古い写真のように見えるこのイラストは、現地時間5月4日にG7外相と欧州連合(EU)外務上級代表がロンドンで撮影した実際の集合写真をもとに描かれたものである。中央に旧式の軍服に黒いフェイスマスクをつけた8人が立ち、左隅にインドの民族衣装を着て白いマスクをした男性が患者のように点滴をしている様子が描かれている。

 中国の読者は、イラストの中央にいる8人が、5月4日の写真に写っている8人の役人と同じ位置に立っていることから、それぞれ、約120年前に中国への侵略軍を形成したイギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、ロシア、日本、イタリア、オーストリア・ハンガリーを象徴していることが分かった。

 実際の5月4日の写真では、背景のボードに書かれていた「United Kingdom 2021」の文字を「Invaders United Kingdom 1900」に変えているのが、呉喜林の率直な感想である。

 イラストの隅に描かれているインドの服を着た男性は、G7には加盟していないものの、オーストラリアなど数カ国とともにゲストとして会議に招待されたインド代表であると読者が指摘している。

 イラストの中のインド人男性が点滴スタンドをそばに置いていることから、読者は、木曜日に新たに確認された患者数が過去最高の41万4188人に達したと報告した南アジアの国の深刻なCOVID-19の状況を連想することができる。

 ロイター通信が水曜日に報じたところによると、ロンドンで開催されたG7会議に参加したインドの外務大臣とそのチーム全員が、2人の代表団メンバーにコロナウイルスの陽性反応が出たため、自己隔離していると述べたことに続くものである。この会議は、2人の患者が報告された後、「COVID-19の恐怖に襲われた」と伝えている。

 このイラストは金曜日に中国のソーシャルメディアで話題になり、TwitterのようなWeibo(微博)では、ウーヘキリン(Wuheqilin)がこのイラストを投稿してから5時間以内に306,000の「いいね!」と27,500の「リツイート」を獲得した。多くのネットユーザーは、世紀を超えて中国をいじめ、封じ込めようとしてきた一部の欧米勢力の醜い顔を鮮明に描き出したこの風刺作品に拍手を送った。

 「1900年に八カ国同盟軍が中国を侵略し、北京で略奪を行い、中国は『東アジアの病人』と呼ばれていたが、今や時代は変わり、中国はかつての姿ではなくなった」と、ある微博ユーザーはイラストの下にコメントしている。「西側勢力よ、白昼夢を見るのはやめろ!」と別のユーザーがコメントしている。

 また、G7会議のプラットフォームを「人間の服を着た獣」と呼び、いわゆる「人権」を口実に、嘘と根拠のない非難で新疆、香港、台湾などの中国の内政に著しく干渉しているG7の偽善を非難するユーザーもいた。

 水曜日に発表されたG7諸国の外相による声明では、中国とロシアを「脅威」とし、中国の新疆、香港、チベット、台湾に関する問題を列挙することで、自らのリーダーシップを再確認しようとしたが、具体的な対決のステップは明らかにされなかった。

 中国外交部の王文彬報道官は12日、G7外相会議は中国に対して根拠のない非難を開始し、中国の内政に露骨に干渉し、時代錯誤のブロック政治を行った、と述べた。「これは中国の主権に対する重大な干渉であり、国際関係の規範を著しく踏みにじり、平和への流れに反するものだ」と王氏は指摘した。

 ウェイボーのユーザーは、インド人男性がイラストの中で一人で点滴を受けていることについても熱く議論した。彼らは、インド当局が、今回のCOVID-19の国内での発生により、国内で何万人もの人命が失われているにもかかわらず、いまだにG7の尻馬に乗って中国を抑えようと苦心しているとして、批判した。

 中国の一部のWeiboユーザーからは、「インドよ、現実を直視して、まずは自国民をもっと大切にしたらどうなんだ」というコメントが寄せられた。

 保健省のデータによると、インドでは木曜日にCOVID-19関連の死亡者数3,915人を記録した。タイムズ・オブ・インディアの報道によると、24時間以内に確認された死亡者数が3,000人を超えたのは10日連続であるという。