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日本と中国の歴史をひも解くシリーズ
「南京安全区」
シンドバーグがセメント工場に国旗を
掲げたことで日本軍は寝返って逃げ

1万人以上の同胞が殺戮から救われた

出典:  2019年1月4日

丹麦人手里这东西,日军见了拐头就跑,
一万多同胞因他免遭屠戮


中国語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年11月19日 更新2023年10月14日
 

「救命菩薩」であるデンマーク人のシンドバーグに手に握られた旗


シンドバーグの偉業について書かれた本
青山・池田はこの原著を購入している


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本文

 シンドバーグといえば、多くの人がこの外国人についてあまり知らないはずだ。 しかし、彼の英雄的な行為に関しては、誰もが彼に敬意を払うべきである。

 日本軍の侵攻を受けて、セメント工場に避難所を作り、デンマークの国旗を掲げ、1万人以上の同胞を日本軍の殺戮から守った。

 1937年、南京郊外の七甲山の近くに、当時アジアで最も生産性が高く、先進的なセメント工場である江南セメント工場があった。 出資者は、中国とデンマークの企業家たち。 機材はデンマークのスミス社が提供した。

 江南セメント工場は完成したばかりで、中国との戦争が正式に始まった時にはまだ稼働していなかった。 取締役会は、江南セメント工場を日本軍から守るために、セメント工場がまだ使用目的で引き渡されていないことを口実に、セメント工場の所有権はデンマークのスミス社にあると主張した。

 デンマークは戦争の中立国であったため、取締役会の要請が認められた。 デンマーク側は、デンマーク人のシンドバーグを工場の事実上のスポークスマンとして採用した。


南京市の江南セメント工場(当時)

 九死に一生を得たにもかかわらず、シンドバーグは覚悟を決めてこの仕事を引き受けた。 また、シンドバーグは、江南セメント工場での勤務中に命に関わるような怪我をした場合には責任を負い、スミス社は合理的な医療費以外は責任を負わないという生死不明の契約にサインした。

 実は、シンドバーグは契約する前に、ソンフの戦いで日本軍が中国人を残酷に殺している様子をすでに見ていたのだ。

 日本人は残忍で容赦がなく、言葉も通じないので、シンドバーグと工場のドイツ人技術者ギュンターは、日本人に江南セメント工場の特別な地位を目立たせる方法を巧妙に考え出した。

 デンマークとドイツの国旗を工場のあちこちにつけた。 これが功を奏して、日本軍はデンマークとドイツの国旗を見て、本当に寝返って逃げ出した。


南京安全区にあった37避難シェルターのひとつ江南セメント工場シェルター

 工場では、中国で一番大きなデンマークの旗を掲げた。 また、工場の屋根には1350平方メートルの大きさの巨大なデンマーク国旗を描いてもらい、上空からよく見えるようにした。 史上最大のデンマーク国旗だったのではないだろうか。

 1937年12月8日、七甲山は陥落し、南京市にいた日本軍は殺害された。 七甲山周辺も地獄のようになり、たとえ庶民が日の丸を持っていても死を免れない。

 ※注)七甲山
  七甲山に限らず当時の南京には下関など日本の地名が多数
  日本軍によってつけられた
 

 セメント工場に外国の国旗がずらりと並んでいるのを見た七甲山周辺の避難民がセメント工場に殺到し、12月から3月までに約1万5千人から2万人がセメント工場に避難したと推定されている。


南京大虐殺で中国人を万人以上救ったデンマーク人シンドバーグ

 シンドバーグの偉業はそれだけではなく、日本軍が中国人に残虐な行為をしようとするたびに、デンマークの旗を持って日本軍を追い払った。

 また、彼は率先して南京の街に行き、街にいるラーベ氏とコンタクトを取った。 ラーベ氏は、南京にも避難所を設け、「南京安全区国際委員会」と名付けた。 この安全区は37あり、いずれも25万人の難民の生活を守るためのもので、シンドバーグは何度も命がけで食料を運んだ。

 1938年3月、シンドバーグはスミス社から中国からの退去を命じられた。 しかし、その頃には日本の横暴はかなり治まっていて、避難民はセメント工場を去っていたが、少なくとも彼らの命の危険はなくなっていた。


シンドバーグ・イエローローズ!

 中国に帰国した後、シンドバーグはこの英雄的な過去をほとんど語らず、1984年4月に病気で亡くなるまで生涯独身を貫いた。

 日記に記されたシンドバーグが知られるようになったのは、1997年に出版された「ラーベの日記」がきっかけだった。 幸いなことに、彼の故郷は黄色いバラで彼を祝い、その花を「南京フォーエバー」と名付けました。 シンドバーグ・イエローローズ!


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