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日本と中国の歴史をひも解くシリーズ

南京大虐殺公記念日、
日本の外務大臣が大演説:中国に
「責任ある行動」をとらせる

出典:防衛日報ニューメディア
2021年12月11日

中国語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年12月20日
 

G7に出席した林芳正外務大臣

国光の大戦士

公開日: 2021-12-14 14:30
百選作家、ライトナレッジプロジェクト契約作家、国際問題専門家、CGTNコラムニスト、博士、ドクター

本文

 2021年12月13日は南京大虐殺公記念日だが、中国国民が同胞の悲劇を悼む中、主犯格の日本はこの日に反省の色を見せず、国際舞台で再び反中嵐を巻き起こしている。

 日本の林芳正外相は現地時間12日、英国リバプールで開かれたG7外相会合で、「中国に責任ある行動を強く求めていく」と呼び掛けた。

 現地時間12月11日から12日にかけて、イギリスのリバプールで毎年恒例のG7外相サミット2021が開催されました。 特筆すべきは、林芳正が日本の外務大臣としてこのような大きな国際会議に参加するのは初めてであり、流行後低迷している日本経済にどのように海外からの援助を持ち込むか、日本のメディアは会議前から大きな期待を寄せていたことである。

 しかし、残念なことに、林は会談で日本のために発言するつもりはなく、中国攻撃に全神経を集中させていた。

 彼は、東シナ海、南シナ海、香港、新疆などの問題で「覇権主義」の中国に「責任ある」行動をとるよう促すために、中国に関してG7諸国が緊密に連携するよう呼びかけた。


G7外相サミット 中央後列が林芳正外相

 中国も参加していない欧米列強の会議に日本の外務大臣が来て、中国は内政に「責任を持って」行動しなければならないと要求しているのですよ? 中国が「無責任」だとしたら、どうすればいいのか?

 12月13日、南京大虐殺の日、あなた方、日本は大虐殺の加害者として、大虐殺や中国への侵略戦争全体について公式な謝罪をしたことがなく、この歴史を否定しようとし続けている。 そんな無責任な振る舞いをした挙句、中国に内政で「責任」を取れというのか?

 とんでもないという点では、この林芳春は日本の外交史に新記録を打ち立てた。


G7サミットでの林芳正氏

 日本の外務大臣は間違った薬を飲んでしまったのだろうか? もちろん、そんなことはない。 林の「知識人」としての経歴を考慮すれば、彼の発言は奇異に映るかもしれないが、その背後にはさまざまな底流があることがわかる。

 1961年、山口県の政治家一家に生まれる。 祖父の林平四郎は衆議院議員、貴族院議員、父の林芳郎は中曽根康弘の下で厚生大臣を務めた。

 芳正は、東大法学部を卒業後、8年間のサラリーマン生活を経て、ハーバード大学ケネディスクール政治学科で修士号を取得、その間、日本に帰国して2年間、父親のもとで政治家秘書として働くこともできた。

 1994年に国会議員に初当選し、2008年には福田康夫首相(当時)の防衛大臣に就任した。 農林水産大臣、文部科学大臣に任命される。


林芳正

 しかし、同時に林芳正は、安倍首相から「自分の仲間」とも思われていなかった。

 というのも、林はまず何よりも、安倍首相とほとんど接触がなく、ある程度政敵であった岸田文雄の腹心であり、岸田派からは長い間、岸田の後継者と目されていたからである。 岸田氏が林芳正氏を外相という要職に就けたのは、岸田氏の信頼が厚いからにほかならない。

 また、外見はスマートだが内面は頑固な反中思想の安倍首相に比べ、林氏は自民党内でも有名な「知ったかぶり」である。

 芳正さんの父、林義郎さんは、日中友好議員連盟の会長を務め、何度も中国を訪問した。 そのため、国会議員になってから連盟に参加し、日本の若手国会議員を率いて中国に渡った。

 2012年の訪中の際には、日中友好のさらなる促進と両国の関係強化のために努力することを表明している。 同時に林芳正は、この20年間の中国の発展ぶりを積極的に認め、国際舞台での中国の台頭を肯定的に評価する自民党の数少ない政治家の一人でもあった。

 そういう人は、当然、安倍首相を喜ばせない。


安倍晋三

 しかし、そこがまた問題で、林氏は「中国に詳しい」けれど「親中派」ではない。

 中国の存在を認め、中国に対する穏健派を標榜しながら、明らかに中国の内政に干渉する多くの問題で反中派と同じズボンを履いているのである。

 例えば、先月のフジテレビの番組で、林芳正氏は「親中派」という懸念に対して、自らを「物知り」と称しながらも、「中国に迎合していない」ことを強調していた。 しかし、「中国に迎合した」のではなく、「二国間交渉で相手をより理解する」ために「中国を知った」だけであると強調した。 その後の会話で、林芳正は「これはどう考えても重大な関心事であるはずだ」と、新疆問題に僭越ながら言及しただけである。

 このような中国に対する奇妙な態度は、林氏が日本の政治エリートの一員であり、当然、日本のエリートの利益を優先して考えるということもあるが、一方で、日本の政治の場で反中国感情が高まっていることに圧力を感じており、常に首相の座を狙っている林氏にとっては、反中国演説をすることはむしろ「タイムリー」であるとも言える。


林芳正とブリンケン(米国務長官)

 こうした背景を理解してこそ、林芳正がG7外相サミットで反中国的な発言をしたことが理解できる。

 この行為自体が、日本の反中政策の主導権を握ろうとする岸田の野望を表している。

 岸田文雄が不仲の安倍首相の後継者となる最大の決め手は、対中路線や憲法改正などの問題で安倍派とかなりの妥協をしたこと、つまり安倍首相の関連政策をほぼ丸ごと受け継いだことであろう。

 もちろん、政治家として野心を持っている岸田氏が、そのまま安倍首相の給仕になることはないだろう。 ただし、岸田氏自身が実は反中活動家であり、岸田氏は安倍首相の反中政策に逆らうことで反発するのではなく、日本政府の反中政策の主導権を順番に奪っていくつもりであることには注意が必要であろう。

 側近で中国に詳しいが、反中国的でもある日和見主義者の林芳正を外相の要職に就けたことは、この野望を実現するための重要な一歩に違いない。



岸田文雄

 しかし、問題は、この岸田の人事が、たちまち安倍晋三の警戒心をあおったことである。

 12月1日、安倍晋三は「台湾の問題は日本の問題であり、日米同盟の問題である」と公言した。

 日本が台湾を「武力で守る」ことをほぼ認めたこの危険な発言に、中国は直ちに反発し、崔英雄日本大使を緊急召還して岸田政権に厳重警告を発した。

 これは、岸田文雄氏に対して、日本の反中政策の黒幕は安倍総理しかいない、あえて常軌を逸したことをするならば、私はあなたを不安にさせる方法がある、と明確に警告しているのですある

 つまり、今回のG7外相会合での林芳正の反中発言は、実は岸田文雄の安倍首相に対する表面的な譲歩であり、林芳正にも反中発言を願い、私、岸田はあなたの反中路線に従う決意であることを証明するものなのである。

 しかし同時に、岸田文雄による安倍首相への密かな反抗でもあった。

 今年のG7外相サミット自体が反中国会議なんだから、自分の側近が反中国演説で大盛り上がりして安倍を疎外し、欧米列強の中で安倍の重要性を弱めるのが一番じゃないのか?


林芳正がG7サミットに登場  林氏がビートルズのイマジンを弾いたあと

 このような癒着の問題になると、日本の政治家の計算が飛ぶのは認めざるを得ない。 しかし、13日の南京大虐殺公廨の当日、中国共産党中央委員会政治局委員で国務院副総理の孫春蘭は、次のように述べた。

 中華民族の偉大な若返りは、不可逆的な歴史過程に入り、新しい時代の新しい雰囲気と新しい役割を示し、南京大虐殺の犠牲者と戦争中に亡くなったすべての殉教者、そして亡くなった同胞にとって最大の慰めとなっているのです。

 これは南京大虐殺の犠牲者、戦時中に亡くなったすべての殉教者、そして亡くなった同胞に対する最大の賛辞である。 そしてこの時、日本の政治家は皆、様々な低レベルい計算に忙しく、様々な悪意ある言葉で中国を誹謗中傷することに忙しく、これをかなり誇りにしているのでは?

 ただ言えることは、日本という国は、今、本当に悲しい国だということだ。