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歴史に見る宗教戦争としての
スコットランドvsイングランド
 

青山貞一 Teiichi Aoyama(東京都市大学名誉教授)
池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月19
日 公開 


 先に出した今日の独立系メディア E-wave Tokyoの記事2本のうちの2つ目は、英国国教会の司祭によるものであり、青山はキリスト教自身が、ドイツ・ザクセン州出身のマルチン・ルターの宗教改革によりカソリックとプロテスタントに分かれたことに関連し一言述べました。

 ドイツのザクセンは英語読みでサクソンであり、後のWASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)の米英による世界覇権の源流になっています。アングロはオランダのユトレヒト半島に住んでいた人々です。

 上記、とくにイギリス建国の歴史に関連し、青山貞一・池田こみちは、プロテスタントの英国国教会とイングランド(当時)が、カソリックのスコットランドを歴史的に暴力の限りをつくし、破壊し、王位継承権をスコットランドから略奪、また独立国であり、カソリックのスコットランドを併合し、今の英国(イギリス)を無理やりつくったかについて徹底的で学びました。その上で2012年7月、スコットランド現地視察を敢行し、10日間で約2200kmを走破するなかで、その現場を確認してきました。

 以下は、その全容です。掲載メディアは独立系メデ
ィア E-wave Tokyoです。 ぜひご一読ください。

◆青山貞一・池田こみち
 メアリー・ステュアートメの足跡を追って
 スコットランド2200km走破
 訪問都市(地域)概要
 (340本の論考と2800枚以上の写真)
  http://eritokyo.jp/independent/scotland-.aoyamaikeda.html

追記
 アングロサクソンについては、2004年4月にアングロのオランダユトレヒト半島の付け根を、また、サクソンについては2004年8月にドイツザクセン州を視察しています。
 

 なお、以下は上記の全体概要です。

 ルターの宗教改革の前から、イギリスでは英国国教会のジョン・ノックス牧師らにより、今でいうキリスト教のプロテスタントが興隆しており、16世紀の後半、当時ブリテン島の北約1/3と多くの島嶼部にあったスコットランドという独立国の女王、メアリー・スチュアートをイングランドのエリザベス女王(現在の女王はその二世)が断頭台に送り、その結果、独立国だったスコットランドはイングランドに実質併合され、ウエールズ、北アイルランドとともに、大英帝国となっており今日まで来ています。

 スコットランドのウイリアム・ウォレスは13世紀、ブリテン島南部のイングランドからの度重なる侵略に対し、はじめてスコットランドの独立を勝ち得た際の英雄です。映画ブレイブハートの主人公にもなています。その後、イングランドによりウイリアム・ウォレスは捉えられ、ロンドン市内を市中引き回しの上、張り付け八つ裂きの処刑となります。

 これに対し、スコットランド国王、ロバート・ブルースがバノックバーン(致命)の戦いで、再度イングランドを打ち負かし、スコットランドの独立を勝ち取りました。

 その後、スコットランドのスチュアート家(カソリック)がスコットランドを統治しますが、メアリー・スチュアート女王の世代、プロテスタント(英国国教会)が勢力を強め、イングランドが再度スコットランド攻撃に走ります。

 メアリーはエジンバラ近くのリンリスゴー城で生まれた時からイングランド略奪の対象となっています。というものイングランドの女王、エリザベスは嫡子であり。もともと王位跡継権もなかったため、スコットランドのメアリーを略奪し、イングランドの女王にしようと画策したのです。

 当時、スコットランドのメアリーは、母がフランスからスチュアート家に嫁いできたこと、また宗教上もフランスがカソリック(スコットランドはカソリック)でったこともあり、母フランソアの考えで若きメアリーをフランスのアンリ二世王子に嫁がせます。この時点で、メアリーは、スコットランド、イングランド、フランス3国の王位継承権をもつことになったのです。

 歴史に「もし」はありませんが、メアリーが上記の3国の女王になっていれば、今の英国がないだけでなく、アメリカも存在せず、西欧諸国そして世界はWASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)による世界制覇もなかったと言えます。

 しかし、アンリ王子が若くして病死ししため、メアリーはスコットランドのエジンバラに船で戻ります。 しかし、八方ふさがりとなったプロテスタントのイングランドは帰国したメアリー女王をあらゆる手段で冒涜、攻撃します。

 とりわけ酷いのは、エジンバラ城近くにあるプロテスタント(英国国教会)のジョン・ノックス牧師が、若きメアリー女王に対し、次のような言葉で罵倒しています。

 もろい、はかない、か弱い愚かしい生き物を、いかなる形であれ、支配者に昇格させることは秩序と正義の破壊につながり、神に背くことになる」と、これはあらゆる意味で女性差別の限りでスコットランド女王を侮辱したことになります。しかし、心優しいメアリーは、ジョン・ノックス牧師をとらえることもなく、裁判にかけることもしなかったのです。

 さらにイングランドは結婚し生まれたメアリーの長男(ジョージ6世)に目を付け、長男の略奪を決行します。またメアリー女王についても度重なる陰謀をめぐらし、最終的にエリザベス一世はメアリーをロンドン近くのファーザーリンゲン城の断頭台に送ってしまいます。 1567年7月24日のことです。

 この時点で、スコットランドは女王を失い、その子ジェームス六世はイングランドのエリザベス一世の死後、英国国王を継ぎ、スコットランドは国としての実質独立を失うことになるのです。

 イングランドのスコットランド侵略はその後も続き17世紀にはスコットランド北部のグレンコー村での大虐殺はじめジャコバイトの虐殺などがつづづ来ます。

 イングランドに併合されたスコットランドは、その後、独自の国会をもつことにはなりますが、独立国ではなく、大英帝国の一部とされ続けます。

 そのスコットランドは皆さんご承知のように、過去何度か独立住民投票を行います。私達がスコットランドを訪問しあと、住民投票が行われましたが、キャメロンやハリーポッターの原作者らによる独立すると、年金がでなくなるはじめ、多くのプロパガンダにより若者は独立に賛成が圧倒的に多かったものの、高齢者の反対が多く、失敗しました。

 現在のスコットランド国民党党首(SNP)の二コラ・スタージョン女史は、再度、独立投票を計画しており大いに注目されます。