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アンコール遺跡群現地調査報告


スピアン・プラプトス橋
(Spean Praptos)


青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2019年1月24日公開
独立系メディア E-Wave Tokyo 
無断転載禁
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ロレイ1
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スピアン・プラプトス橋(Spean Praptos)

 スピアン・プラプトス(Spean Praptos)は、カンボジアのアンコールからプノン・チソールに至る道にあり、コンポン・クデイ (Kompong Kdei) の町に渡るチクレン川に位置しています。

 その場所からコンポン・クデイ橋(Kampong Kdei Bridge)とも呼ばれます。スピアン・プラプトスの名は、クメール語で「方向を告げる橋」(スピェン=プラップ=トゥッフ)の意味です。また、これらの橋が架かる街道は「王の道」とされています。


アンコール遺跡広域地図

 下は国道6号線でシエムリアップからスピアン・プラプトスに行く地図です。車で約1時間かかります。


出典:グーグルマップ

 スピアン・プラプトス位置です。


出典:グーグルマップ


スピアン・プラプトスの橋脚
Source: Wikimedia Commons


スピアン・プラプトスの橋脚
Source: Wikimedia Commons

歴史

 この橋は12世紀末-13世紀初頭、王ジャヤーヴァルマン7世 (在位1181-1220年)の統治中に建造されたもので、現在に残るいくつかのクメール王朝時代の橋のひとつです。

 1964年、当時のフランスによる国道6号線の再建に伴い補強修復されました。2006年には自動車用のバイパス道路が古道の南側に造られました。

構造

 延長87m、幅17mという大規模な持送りアーチ(コーベルアーチ、corbel arch)の石橋であり、高さは約10mで、21の狭いアーチ(迫り出し構造)を備えています。橋脚間の開口部の幅は約2m、橋脚の幅は約1.5m。欄干の両側には、それぞれ約2mの大きさの、9つの頭をもつナーガの彫刻があります。

 この開口部の狭い構造については、灌漑用の貯水池とされています。バライに変わり、ダムとして流れを堰き止めるためという説もあります。

 同じ構造の橋は、他にもアンコール地域のスピアン・メーマイ (Spean Memai) や、アンコール・トムと東バライの間にあるシェムリアップ川の手前の小道に位置するスピアン・トマ (Spean Thma)、および前王国のいくつかの場所でも認められています。


 以下はスピアン・プラプトス橋(Spean Praptos)の写真ギャラリーです。


スピアン・プラプトス橋、カンボジア、コンポン・クデイにある
古いクメール王国の橋(欄干の端には、9つの頭をもつナーガ
の彫刻が施されています)
Source: Wikimedia Commons


スピアン・プラプトス正面
Source: Wikimedia Commons


スピアン・プラプトスの橋梁です。
出典:グーグルマップストリートビュー


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