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「日本にはデモがない」

という事実誤認

青山貞一 Teiichi Aoyama

掲載月日:2011年2月19日

独立系メディア E-wave Tokyo

無断転載禁

 確か、2011年2月16日付け東京新聞の朝刊に興味深いコラムがあった。

 ここ数ヶ月、チュニジア、エジプト、バーレンなど中東地域で起きている。中東各国だけでなく、イタリアはじめEU諸国、中国でもデモが起きている。

 なのに、なぜ日本だけではデモがないのか、という趣旨のコラムであった。今、東京新聞のその号が手元にないので正確さを欠くが、世界各国で市民のデモが吹き荒れているのに、日本国民は何でこんなにおとなしいのか、デモがまったく起きていないというのが、コラムのエッセンスである。

 私はこのコラムを見て笑わざるを得なかった。

 なぜなら、知る人ぞ知ることだが、ここ半年、日本でも全国各地でデモが起きている。

 東京だけでなく、大阪、名古屋、新潟、福岡など、日本の全国各地で地検特捜部、検察審査会などドンデモが続く司法や民主党元代表の小沢一郎議員への理不尽なバッシング、それに護送船団化するマスコミのあり方に抗議し、数100人から数1000人規模の国民、市民によるデモが起きているのである。

 これらのデモは、まさにツィッターを使い、メーリングリストを使い、携帯を使って市民が相互に連絡しあい指定された場所に集合し、持ち寄ったプラカードやゼッケンなどをかざしながらデモ行進をしている。

 では何で東京新聞のコラムで、日本ではデモがないとコラムニストは書いたのだろうか?

 言うまでもないことだが、コラムニストや評論家の圧倒的多くは日本の大メディア、大マスコミ、すなわち新聞やテレビを素材としてコラムを書いている。

 こと、大メディアや大マスコミは、自分たち、すなわちマスコミのあり方を痛烈に批判したり、小沢一郎元代表を擁護したり、さらに大マスコミが記者クラブでなあなあできできの関係にある地検や特捜部、すなわち検察のあり方を厳しく指弾しているデモを完全に無視している。

 私が知るだけでも昨年から今年にかけて全国各地で相当回数のデモが起きているが、東京新聞だけでなく、読売、朝日、毎日、日経、産経はじめ主要地方紙も、これらのデモついてまったく記事を書かず、掲載していない。これはテレビも同じである。

 大マスコミは、自分たちを批判したり、自分たちの都合の悪いことでデモを行う市民、国民のデモを完全に無視しているのである。

 そんなこんなで、東京新聞のコラムは、その大マスコミ、大メディアしか見ていないから今の日本にはデモが起きない、デモがないなどという事実誤認を堂々と書いている。また新聞社もそれをありがたがって掲載しているのである。

 それにしても、お粗末きわまりないことだ!!

 私が上に書いた内容は2月16日、東京新聞朝刊のコラムだが、探してみたら以下のように東京新聞の記者が書いた似たような記事があった。2名の記名入りなので記者に間違いないが、なにが「街頭はいたって平穏だ」か!

◆欧州、アラブ諸国…世界各地でデモなのに
なぜ日本はこんなに静かなのか?

2011年2月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011020302000058.html

 アラブの盟主、エジプトの地を巨万のデモが席巻している。昨年末のチュニジアでのデモがアラブ各地に飛び火し、中東全域は迷走状態に突入した。ただ、デモは独裁体制下だけで起きているわけではない。近年、欧州各地でも大規模デモが発生している。翻って、日本はどうか。年間自殺者は3万人超と、生きづらさでは引けを取らないものの、街頭はいたって平穏だ。何が違うのか。 (出田阿生、小国智宏)