エントランスへはここをクリック   

崖っぷちの民主党

に政策提言するB

青山貞一 Teiichi Aoyama
政策学校一新塾代表理事

掲載月日:2010年11月24日
独立系メディア「今日のコラム」

無断転載禁

 2010年9月の民主党代表選、あれほど大マスコミによる小沢バッシングの嵐が吹きすさんだにもかかわらず、民主党国会議員のほぼ半分が小沢氏に投票したのである。

 本質的な理由を簡単にさがすことができる。

 それは大マスコミの集中砲火、攻撃があっても、こと国会議員段階では小沢氏と菅氏の間に政治家としての格、資質、見識、品位に雲泥の差、歴前の差があったからである。

 投票日当日の民主党の候補者演説会は時間は短かかったが、小沢氏と菅氏の政治哲学、政治理念、外交防衛の基本、政策、予算組みなどについての演説で両者の違いは歴然としていた。

◆2010年9月14日 民主党代表選挙投票直前決意表明
・小沢一郎候補
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100914taikai_02.asx
・菅 直人候補
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100914taikai_03.asx


 菅氏サイドは、電話を使い一年国会議員や中堅議員への利益誘導に類する行為を行ったようだ。中堅には政務三役や委員長ポストなどをチラつかした。

 それにも関わらず、国会議員レベルでは小沢氏は堂々と五分五分の勝負をしたのである。

 小沢氏が自民党時代、また自民党を飛び出した後でも、政治資金問題や談合問題などでいろいろ書かれ批判されたことはあった。しかし、利権だけなら自民党の幹事長職にとどまっていた方がよいに決まっている。

 小沢氏が敢えて自民党を飛び出してまでしたかったことこそ重要である。

 小沢氏は今でも日本に民主主義を根付かせること、政権交代を可能とさせること、そのための仕組み作り、人材作り、教育について語る。

 多くの日本人は誰しも日本は先進国であると勘違いしているが、日本の先進性は技術だけであって、こと民主主義、政治、情報公開などは後進国もいいところだ。政権交代の有無は、ある国家が民主主義国家であるかどうかの大切なバロメーターであるが、周知のように日本社会では昨年まで政権交代はなかった。

 これは政治家はもとより、それを選ぶ国民にも同様なことが言える。私たちの言葉にいうように日本国民の圧倒的多くは「観客民主主義」状態にある。

 ところで、民主党の代表となってこの方、小沢氏には大メディアと自民党が執拗に責め立てるような私服を肥やすことなことはなかったと思えるし、小沢氏には職務権限もなかった。洋の東西を問わず、政治にそれなりのカネがかかるのは仕方がないことである。

 逆に小沢氏を口汚くテレビなどで攻撃している元新聞記者などのジャーナリストや評論家の多くが自民党時代、いわゆる官房機密費などから講演料などの名のもとに多額のカネをもらっていることこそ、糾弾されなければならないだろう。

 .....

 いずれにせよ、今回の一連の小沢氏攻撃は異常である!

 政権交代が見えてきた2009年の3月、突如、東京地検特捜部は小沢氏の公設第一秘書を逮捕、その後、次々に事務所などの家宅捜査、他の秘書や現役衆議院議員を逮捕した。小沢氏本人に対しても幾度となく事情聴取を行った。

 だが、今や流行語大賞となりそうな「法と証拠」で判断すると、東京地検特捜部は小沢氏を起訴することはできなかった。

 先行して逮捕した大久保公設第一秘書や現役衆議院議員として逮捕された石川衆議院議員についても、起訴はしてみたものの、裁判はいずれも隘路に入っている。確たる証拠がないのである。

◆小沢氏元秘書石川衆院議員実質無罪確定=虚偽記載の有力証拠壊滅 
◆「訴因変更」で立ち往生 大久保元秘書公判 毎日新聞
◆青山貞一:地検特捜部、小沢不起訴と暴走大メディアによる小沢氏名誉毀損問題を徹底検証する!

 2010年11月25日号の日刊ゲンダイは、小沢裁判、急浮上し始めた「大逆転」の可能性、司法現場は大混乱、検察が裏金分からないと白旗、公判のめど立たずという見出しで、起訴した石川衆議院議員の公判が維持できそうもなく、検察庁側が立ち往生している状況を報じている。

◆小沢中心の民主党で初心に戻れ

 そもそも、民主党と民主党議員たちの失敗はえたいのしれない大マスコミや根無し草のような世論に迎合して、小沢排除に動いたことだ。

 「脱小沢」「クリーンな政治)を叫んで、それで計器がよくなったり、外交がうまくまわるならそれもいい。そんなことは100%ないのに、自分達で党内一の実力者を潰してしまったのだから本当にアホだ。「小沢さんは、日米従属関係も含めて、自民党時代の古いしがらみを断ち切って新しい政治システムをつくろうとした。そんなことを考えられる政治家は小沢さんだけですが、だからこそアメリカや旧勢力の官僚、検察、大手メディアは小沢さん抹殺にでた。小沢さんが居なければ新政権なんてどうにでも料理できると思っているのです。

 それだけに民主党は小沢さんを先頭に旧勢力と闘わなければいけなかった。それこそが政権交代の本質なのに、あろうことか敵と手を組み
旧勢力や大マスコミに操られて、小沢さんの抹殺に加担してしまった。どうしょうもない政党です。ドン詰まりになるのも当然です。(筑波大名誉教授)要するに、民主党政権の崩壊は小沢を抹殺した時から始まったのだ。

小沢裁判「司法現場は大混乱」

 「強制起訴」された小沢裁判に「大逆転」の目が出てきた。暴走検察への国民の不信感が強まる中、検察の新たな矛盾、でたらめが次々と明らかになってきた。司法の現場はシッチャカメッチャカになっている。

 「こりゃたいへんなことになったぞ」大マスコミの司法記者たちが頭を抱えている。悩みの種は小沢の元秘書石川議員の裁判だ。

 政治資金規正法違反で2月に起訴されて以来、公判前整理手続きが長引き、初公判の目処もたたない。浮き彫りになってきたのは検察の支離滅裂ぶりだった。 検察は当初、「虚偽記載の背景には水谷建設からの裏金5000万円がある」というストーリーを描き、石川議員を別件で逮捕した。大マスコミを使って、大騒ぎさせて悪質性をことさらに強調。6月には改めて裏金疑惑を立証すると公判前手続きで明らかにした。ところが、今になって「証拠はない」なんて言い出したから大混乱になっているのだ。

 「5000万円の裏金に拘ってきた検察に対して、石川議員の弁護士は「根拠が不明確だ」と反論していた。東京地検も「虚偽記載との因果関係を明確にするように」と検察に支持した。しかし、党の検察はいつまでも根拠を示せないどころか、徐々に発言もトーンダウン。「因果関係は断言できない」と言い出したかと思えば、最近はとうとう「分からない」とサジを投げ、「だから裁判で立証する」なんて居直っているのです。番後が我が「それなら裁判でやる必要はない」と言っているのにまるで禅問答です。検察の見込み捜査だったことを悟った大新聞やテレビの司法記者たちはガク然とし、「リークを元に散々裏金をを報じたのに・・・」と真っ青になっています。(司法関係者)


出典:日刊ゲンダイ
 
 また第五検察審査会の起訴議決も「違憲」、「無効」の見方が有力と報じている。

◆第五検察の起訴議決は「違憲」「無効」の見方が有力

 それだけじゃない。11人の素人集団による検察審が小沢を強制起訴とした一件もひっくりかえる可能性がでてきた。小沢サイドは起訴議決は「無効」として行政訴訟を起こし、12月21日に初公判が開かれる。

 この裁判で議決無効となる可能性が高いと見られている。「最近、小沢が急に元気になっているのも、その見通しが立ったからではないか」というのだ。参議院法制局第三部長を務めた弁護士の播磨氏がこう指摘する。

 「有効、無効どころではありません。大前提として、検察審の強制起訴制度そのものが憲法違反の疑いが濃厚なのです。同じ、行政委員会の人事院などが内閣の所轄下にあるのとは違い、検察審だけは独立した存在になっています。裁判所に置かれていると勘違いしている人も多いが、検察審査会法では「裁判所の所在地に置く」としか書かれていません。三権分立の枠組みを完全にはみ出している。

 行政執行権をもっているのに、責任主体がない。これでは第四権力です。実際、議決の執行停止などを求めた小沢氏の申し立てに地裁と高裁は門前払いをしたが、最高裁は特別抗告から1ヶ月近くたっても結論をだせない。仁長に審議しているのでしょう」

 西松事件で起訴された大久保秘書の裁判の「見立て」は崩壊している。この裁判では、小沢側に献金した2つの政治団体が「西松建設のダミー」だったかどうかが集点だが、検察側証人が1審、2審で「ダミーとは思っていない」と完全否定。

 困った検察は訴因変更なんて言い出したから、裁判はグチャグチャになっているが、劣勢を挽回するのは難しい。

 もし、秘書の裁判が次々と無罪になり来月21んちからの行政訴訟も無効となって潔白が証明されたら、小沢は表にでてくる。その時に政局が一挙に動くことは間違いない。

出典:日刊ゲンダイ

 これについて、私の入院先の病院に見舞いに来られた大学教授で行政法専門の友人や弁護士も、検察審査会の違法性について言及していた。何ら情報開示がない検察審査会そのものの存在が三権分立からもはみ出していて最高裁も頭を悩ましているのだろう! 

◆小沢検察審:情報公開請求の回答は全て黒塗り 日刊ゲンダイ

 これとて大メディアはほとんど国民に報じていないが、勝手なシナリオを作り、安易な見込みで行ったこの間の地検特捜部の捜査が、前田検事事件で分かったようにきわめて杜撰なものであったことを如実に示すものである。

 そして、こともあろうか昨年8月下旬の政権交代後、本来、一国の総理となりうる小沢一郎氏の周辺を特捜部があの時期にいきなり家探し的捜査したこと自体おかしいのである。

 その後分かったこととして、小沢氏捜査は、どうみても前政権の法務大臣による政権交代潰しの指揮権発動があったとしか思えない。事実、そのように発言している元参議院の大物政治家もいる。

青山貞一:氷解してきた小沢攻撃の全容〜すべて前政権の意図的策謀か?

 以上、この間の復習をしてきたが、いずれにせよ、もともと良くて年内もつかどうかと識者に指摘されてきた菅政権が頓挫、いや頓死する前に、民主党の衆参国会議員の約半分(200名)が投票した小沢氏に総理をやってもらうのが筋である。

 その後、小沢氏はニコニコ動画(通称、ニコ動)の依頼に応じ、1時間30分にわたり生出演し、今後、日本を運営していく上での政治理念、ビジョン、個別政策に至るまで対応した。

◆ニコ動生出演全容
◆小沢一郎ネット会見、質問にすべて答えます<ニコニコ動画タイムシフト視聴>

◆大手メディアに波紋を起こした小沢氏ネット出演 永田町異聞
◆「小沢一郎ネット会見」 新聞・テレビはどう伝えたか ニコニコニュース
◆小沢一郎 ネット会見の狙い 日刊ゲンダイ   

つづく