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真夜中のガザ

アブデルワーヘド
ガザ・アル=アズハル大学
芸術人文学部英語学科教授

掲載月日:2009年1月3日
独立系メディア「今日のコラム」特集:ガザ問題


2009年1月2日 1:41AM

 完全な暗闇だ。ガザ市内の80%以上がすっかり闇に覆われている。

 この暗闇のなかでは自分の指さえ見えない!

 一方、家の外では、無人機が頭上で唸り、軍用ヘリが空を徘徊している。

 家のなかに目を戻せば、子どもたちは就寝時間になっても床につきたがらない!

悪夢や爆撃、爆発を恐れているのだ。当然のことだ!

 ルーティンとなった航空機の音が6日以上にわたり昼夜を問わず続いていたが、それが突然、消えた。・・・爆発音。・・・継続する爆発音。

・・・一連の爆発。

・・・ほかにも身の毛のよだつ爆発が複数。・・・爆風・・・遠くで燃え盛る炎。

・・・子どもたちがベッドから飛び上がる。恐がって・・・震え上がって・・・不安そうに・・・

どうしたらよいか分からずに!どこかに身を隠したい、でも、行くところなどないのだ。


まるでマットレスの下で爆発音がしているみたい、どうしたらいいの?と再び訊ねる。ただ待つしかないんだ!だが、どうしたら子どもに待つことを納得させられるだろう?しかも、何を待つというのだ? 今度は、救急車と消防車のサイレンが聞こえてくる。それでようやく我にかえる。自分がガザにいて、小さな発電機を動かして2009年新年に世界に向けてメッセージを書いているのだということに。