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国民の政権交代欲求は
つのる一方!

青山貞一 7 June 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 2009年3月3日、突然、小沢代表の公設第一秘書が逮捕されたことに端を発し、10%台まで支持率が下がっていた麻生内閣は20%さらに30%と上げた。

 だが、小沢問題が囂しく大メディアによって喧伝されていた時点でも、次の衆議院議員選挙でどの政党に投票しますかというメディア各社の「世論調査」では、いずれも民主党が自民党を上回っていた。

 これは大マスコミによる東京地検のリーク情報の連日連夜の垂れ流しがあっても、国民の政権交代に対する基本的欲求は大きく、それほど変わらなかったことを意味する。

 その後、漆間巌官房副長官の「自民党には捜査が及ばない」発言がでるに及び、「国策捜査」批判に象徴される批判が地検や大メディアに対してが巻き起こった。

 さらにその後、東京地検は二階大臣側の不起訴を決めた。国民は案の定、小沢代表秘書の逮捕は、「国策捜査」ではないかと思うようになる。

 その間、政権交代を望まない?大マスコミに、「説明責任」と「代表辞任」という集中砲火を浴び続けた小沢代表は、代表を辞任し、民主党の代表選挙が行われ鳩山由紀夫幹事長が民主党の代表となる。

 そして、鳩山大臣が郵政民営化の中軸、西川社長を「かんぽの宿」を皮切りに徹底的に辞任を迫る。これをきっかけとして、自民党内の小泉一郎元首相はじめ郵政民営化推進グループや領袖の代表らが鳩山弟批判を強め、内閣不一致状態に陥る。

 にもかかわらず朝令暮改の麻生首相は何らリーダーシップを発揮せず、自民党内は「無政府状態」となる。

 自民党は、ことさら針小棒大に民主党の政策に口汚くけちを付けるが、自分たちがこの間、行ってきた政策のかなりは民主党の政策をパックったものだ。

 いくら「国策捜査」と政権交代を望まない大メディアのこれでもか、これでもかという嫌がらせ報道や世論誘導があっても、政権末期の断末魔状態を呈する自民党への国民の支持は増えない。

 そんななか、今朝(2009.6.7)のフジテレビ「新報道2001」における電話世論調査によれば2009年5月28日から2009年6月4日までのわずか1週間で以下に示すように、自民党の支持率だけが激減したことが分かった。

Q1 次の衆院選での投票先は?

       5月28日→6月4日

 自民党   23.4%→19.8%(↓)
 民主党   32.2%→34.6%(↑)
 公明党    2.8% → 3.0%(↑)
 共産党    2.6% → 4.0%(↑)
 社民党    0.4% → 1.4%(↑)
 国民新党   0.0%(-)
 新党日本   0.0%(-)

Q2  麻生内閣を支持するか?

        5月28日→6月4日

 支持する  32.8%→25.0%(↓)
 支持しない 58.2%→67.2%(↑)

Q3 首相にふさわしいのは誰か?

         5月28日→6月4日

 麻生太郎   35.0%→27.8%
 鳩山由紀夫 40.4%→47.8%

 今後、数ヶ月の間に、政権末期の断末魔状態を呈する自民党が血迷って何を仕掛けるか分からない。また大メディアがそれにどう追随するか分からない。しかし、おそらくこの大きな流れ、すなわち実質的に半世紀以上、政権交代がなく、腐りきった官僚任せの政治に国民が三行半を突きつけるのは間違いない。


 次に、今年の10月までに必ずある衆議院議員選挙の行方を概括的に予想してみよう!

 ※2005年衆議院議員選挙詳細データ
 
●比例区

 周知のように2005年の小泉郵政民営化選挙にあっても、比例区では、下図にあるように、自民党と民主党の間にそれほど大きな開きがなかった。しかし、FNNの最新の世論調査では自民党への投票が19.8%であるのに対し、民主党に投票すると答えたひとは34.6%に達している。

 となれば、前回の自民(77議席)、民主(61議席)は最低限逆転は間違いなく、、FNNのデータをそのまま比例配分すると、自民(50)、民主(88)となる。ただ、実際には無党派層がいる。

 ただ、このまま推移すれば、無党派層の多くが民主に流れるのは間違いがないところであろう。となると上記の民主88議席は決して非現実的な数値ではない。一応、民主の比例議席数は78〜88と予測する。逆に自民は50〜60議席と予想する。


前回、郵政民営化選挙における比例区議席数

●小選挙区

 次に小選挙区だ。前回の小泉郵政民営化選挙では、いわゆる小選挙区で下図のように異常な大敗を喫した。

 自民党は前回、小選挙区で227議席、民主党はわずか52議席である。小選挙区では先のFNNの最新世論調査結果はそのままつかえない。そこでまず、前回、自民と民主が獲得した議席の合計、すなわち279議席をそれぞれが半分獲得するとすれば、ほぼ140議席となる。

 民主党の前回の小選挙区獲得議席は52議席だが、その2.5倍で130議席となる。2.5倍とっても上記の140議席に達しないのだから、前回の小泉郵政民営化選挙はすさまじかったことが分かる。

 次回衆院議員選挙では、共産党が従来の全地方区への候補者擁立を見送るとしているので、それを考慮すると150議席はありうる。

 いずれにせよ、小選挙区でも民主党の獲得議席が自民党より少ないことは考えにくい。ここでは、140議席〜150議席と予想しておく。
 

前回、郵政民営化選挙における小選挙区議席数

■議席予想

 となると、議席予想は以下のようになる。

           2005年選挙実績    2009年選挙予想
 自民党       304議席        190議席〜200議席  
 民主党       113議席        218議席〜238議席

 ここでの予測結果は、今のまま推移すると民主党が間違いなく自民党より20議席以上多くなるが、それでも単独で衆院の過半数を獲得するには及ばないことが分かる。

 一方自民党は、前回の郵政民営化選挙で、はじめて衆院議員に当選した83名(多くは小泉チルドレンと呼ばれる)はじめベテラン系議員でも落選ないし当落線上にある議員が50名ほどいる。それらを考慮すると、304議席から190ないし200議席となることは、かなり現実的な数字であると推察できる。