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都民の水瓶、狭山湖岸の
「トトロの森」湿地帯に
大墓地計画(2)

 
〜トトロ森基金と墓地計画〜
青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2014年6月21日  
独立系メディア E−wave

無断転載禁

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 肝心な巨大墓地計画については、所沢の女性市議が転送してきた会合案内と「トトロのふるさと基金」の公式ホームページ以外、ほとんど情報がなかった。
 
 ※6月21日になって開発予定地の詳細が分かった。これについては(4)に詳述する。


図3 都民の水瓶、狭山湖半の巨大墓地計画地 拡大図
   出典:グーグルマップから池田こみち作成

 永年のこの種の巨大開発に関わってきた経験からすると、仮に情報が少なくても、環境保全のために動くNPO/NGOや住民団体は早期段階からかかわることが大切である。

現時点での入手情報

 以下は送られてきたチラシにある記述のエッセンス。

<チラシの記述>
  墓地計画地は、「所沢市みどりの基本計画」でも重点的に保全を図るエリアとされる地域。オオタカの生息も確認されています。計画地の下にはたくさんのホタルが生息する湿地があり、計画地はその水源地となっています。 トトロのふるさと基金では昨年、計画地近隣の一画をトトロの森20 号地及び同21 号地として取得し、保全の取り組みを始めたところでした。

  計画にあるような大規模な墓地造成が現実のものになってしまったら―貴重な自然環境や景観を大きく損ね、狭い通行路しかない当地に大量の車両の通行が予想されるなど著しい環境悪化が懸念されます。



◆<トトロの森20号と21号について、トトロの森基金のWebより抜粋>
  http://www.totoro.or.jp/intro/national_trust/

●トトロの森20号地
  トトロの森20号地は、早稲田大学所沢キャンパスの正門から南東方向に約100m。散策路に面した平坦な雑木林です。

トトロの森20号地の概要
 この土地は狭山丘陵いきものふれあいの里のスポット3に含まれています。大学校地の外縁をめぐる散策路に面していて、地形はほぼ平坦です。 コナラの大径木が生育し、シラカシやアオキなどの下層植生が密生しています。 ここはいきものふれあいの里のスポットに含まれているとはいえ、所沢市の保護 地区にも指定されておらず、保全の担保性はありません。

  かつてはオオタカの営巣が確認されたことがあり、現在はキビタキやホトトギスの鳴き声が聞こえる豊かな森となっています。この土地を取得することによって、早稲田大学周辺地域に残された良好な自然環境を保全するうえでの弾みになると 判断し、取得することにしました。

  今後は現況の植生等の調査を行い、その結果を踏まえた管理方針を策定したうえで、保全の取り組みを進めていきます。

※案内板は現在作成中です。
住所:所沢市三ヶ島二丁目497-2、-3、502
面積:3468u
取得日:2013年6月10日
取得金額:12,138,000円

トトロの森21号地
  トトロの森21号地は、20号地に隣接する平地林。いきものふれあいの里スポット3のエリア内にあり、広く残された緑地の一画を占めています。

トトロの森21号地の概要
 この土地も20号地同様狭山丘陵いきものふれあいの里のスポット3に含まれています。大学校地の周辺に残された良好な緑地の一画を占めていて、地形はほぼ平坦です。コナラの高木が優占し、一部にシラカシが生育しています。下層植生はアズマネザサなどが密生していますが、最近、ここでウグイスの営 巣が確認されました。 この土地を含む早稲田大学校地の周辺地域には、多様な生物の生育環境となっている雑木林が豊かに残されています。

  こうした貴重な自然環境を保全するために取得しました。 隣接する20号地とあわせれば、これまでで最大面積の「トトロの森」となります。

 今後は現況の植生等の調査を行い、その結果を踏まえた管理方針を策定したうえで、保全の取り組みを進めていきます。

※案内板は現在作成中です。
住所:所沢市三ヶ島二丁目503
面積:3979u
取得日:2013年10月17日
取得金額:13,926,500円

◆巨大墓地の想定面積規模

 上記のチラシの中に墓地の区画というか墓石が900(7000u)とあったのみである。

 以下は、「トトロのふるさと基金」のホームページにある情報である。読むと、今回問題となっている巨大墓地に近いトトロの森20号地とトトロの森21号地は、ナショナルトラスト用地として合計約2700万円で買収済みであることが分かる。期日は20号が2013年6月、21号が2013年10月である。

 したがって、早稲田大学所沢キャンパス近くでは、トトロの森20号地とトトロの森21号地以外の残地がおそらく巨大墓地の予定地となることが分かる。

 青山の推定であるが、早稲田大学所沢キャンパス用地と県立芸術総合高校以外の土地で、現地にに残された土地のかなりの部分がナショナルトラスト地となったので、残された土地の所有者か土地造成関連業者が今回の計画を想起したのではないかと思える。

 巨大墓地計画の詳細は見入手だが、墓地の区画の規模は霊園によってそれぞれのようだが、民間の霊園では大きな面積では5〜6u、さらに連結墓地工事などでそれ以上の広さを確保する場合もある。一方で小区画では0.4u〜0.6uが一般的な広さと言えるようだ。

 以下は参考にした霊園。ただし、トトロの森は、傾斜地が多いので階段状に造成することになると思われる。どこまで自然の地形をそのままに土地造成するのかどうかは,現時点ではまったく不明である。


写真5 霊園の例1 真駒内滝野霊園の事例


写真6 霊園の例2 山梨県相模湖上野原霊園の事例


写真7 霊園の例3  名古屋市天白区「八事霊園」の例

 写真にある霊園を参考にし900区画の巨大墓地の敷地面積を推計する。以下は記の写真を含め日本各地の霊園事例を下に推計した墓地の面積例である。

(1)仮に1区画を平均1u坪とした場合
  墓石など900u、区画内通路+アプローチ道路、900u、休憩施設など400u
                                       =2200u
  周辺緑地は墓石+通路+施設の合計面積の3割の保存緑地=660u
                                  合計   2860u

(2)仮に1区画を平均2u坪とした場合
  墓石など1800u、区画内通路1800u+アプローチ道路、休憩施設など500u
                                       =4100u
  周辺緑地は墓石+通路+施設の合計面積の3割の保存緑地=1230u
                                  合計   5330u

(3)仮に1区画を平均3u(ほぼ一坪)とした場合
  墓石など2700u、区画内通路2700u+アプローチ道路、休憩施設など700u
                                       =6100u
  周辺緑地は墓石+通路+施設の合計面積の3割の保存緑地=1830u
                                  合計   7930u

となる。チラシにあった予定面積が7000uなので、おおむね(3)に近いものと想定される。

 同じ900墓石(区画)でも、1区画面積により大幅に全体面積が変わることが分かる。

つづく