エントランスへはここをクリック   

冤罪を生み出す構造
(8)
重要事件判決、傍聴のお願い

青山貞一

掲載日:2007年7月9日


 中国からの留学生が横浜市内の路上で巻き込まれた刑事事件の判決が横浜地裁であります。その傍聴のお願いです。
 
 私(青山貞一)はこの半年、中国からの留学生を徹底支援してまいりました。

 本事件では、もともと交通事故の被害者である中国からの留学生K君(私立大学大学院生)がバイクでアルバイト中、一時停止を怠り交叉点に突っ込んできた未成年かつ無免許の少年のバイクと衝突し、救急車で病院に運ばれることに端を発します。

 その後、警察と検察は、こともあろうかK君が無免許バイクの少年に対し、保険金をとるために当初の運転者から免許を持っていた他の者に身代わりさせたとして、K君及び事故現場にかけつけたK君のアルバイト先の若者らを警察に拘留しました。

 横浜地検は最終的にK君を犯人隠ぴ、教唆の容疑で横浜地方裁判所に起訴しました。

 逮捕から21日目以降、起訴後も検察はK君を釈放ぜず、横浜地裁における第2回目の公判終了後、やっとのことで釈放されました。

 これはK君逮捕から何と4ヶ月弱たってのことです。この間、K君は警察、検察で犯人隠ぴ及び教唆の容疑を全面否定してきました。

 もとはといえば、そもそもK君はバイク暴像族、それも無免許で一時停止を怠った少年らによって被害、損害を受けた身であります。

 公判では検察側は、最初から主尋問、反対尋問、論告求刑まで、一貫してK君が中国人であることをことさら強調するなど、明らかに中国人に対する偏見や差別がありました。

 他方、無免許暴走族で交通事故を起こした側の加害者や身代わり者ら3名の口述調書や証人出廷時の証言を一方的に信用し、K君側の証人3名の証言をすべて信用できないものとしています。

 本事件では、改正刑事事件訴訟法にある裁判事前手続が採用され、事前に捜査段階での口述調書などの複写が弁護士に公判直前に提供されましたが、推察するにそれらは警察、検察における捜査、取り調べのすべてが提出されたわけではないようです。また本事件では、物的証拠はほとんどなく、99%は供述調書と公判での証言が証拠となっています。

 証人取り調べは、都合6名、すなわちK君及びアルバイト先の仲間2名、それにもともとの加害者(少年)及び身代わりとなった加害者の仲間の少年2名に対してなされました。証人取り調べでは、証人から警察、検察における異常な実態が明らかにされました。

 ちなみに私は今までの6回すべての公判を傍聴、弁護団(3名)、K君らとも当該事件を巡り意見交換をしております。 

 先週の2007年7月4日、横浜地裁で第7回目の公判があり、横浜地検のA検察官から論告求刑があり、他方、K君側のK弁護士から最終弁論がありました。検事は10ヶ月の実刑を求刑し、弁護士側は無罪を主張しています。

 今週、2007年7月11日(水)、午後3時30分より、みなとみらい線の日本大通り駅下車1分の横浜地方裁判所、第401号法廷で最終公判(判決)あります。本事件にご関心がおありのジャーナリストがおられましたら、ぜひ、傍聴していたければと存じます。

 本件に関する連絡は、青山のEメール(aoyama@eritokyo.ac.jp)までお願いいたします。


横浜地裁は神奈川県庁の隣。
交通手段は、みなとみらい線の日本大通り駅下車2分
横浜市営地下鉄・京浜東北線の関内駅から徒歩10分程度
法廷は地裁4階の1号、第401号法廷です。