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 シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

アゼルバイジャン2

Azrbaycan Respublikas)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月
独立系メディア E-wave Tokyo
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 次はアゼルバイジャン2す。

◆アゼルバイジャン2

地理


アゼルバイジャンの地図
Source:Wikimedia Cmmons


地形図
Source:Wikimedia Cmmons

 停戦後の境界。「ナゴルノ・カラバフ共和国」はアゼルバイジャンの領土の約9%を実効支配しており、旧自治州の領域を越えてアルメニアと境界を接しています。


最高峰バザルドュズ山
Source:Wikimedia Cmmons

 カスピ海の西岸に位置し、北はロシア、南はイランに挟まれていまる。南北400km、東西500kmに及ぶ。地形上、カスピ海・大コーカサス山脈・中央平原に3区分できます。

 すべての河川がカスピ海に注ぎ、最長はKur川の1515kmです。最高地点はバザルドュズ山 (海抜4466m) です。南にアゼルバイジャンの飛地である自治共和国ナヒチェヴァン自治共和国があります。領土内にアゼリー人居住地に囲まれているもののアルメニア人人口の多いナゴルノ・カラバフ地方があります。

紛争

 ナゴルノ・カラバフ地方ではアルメニア人の人口が多く、同地域のアルメニアへの帰属変更を掲げたことでアゼルバイジャンと分裂状態となり、ソビエト解体から1994年に停戦合意をするまで紛争地域となっていました。

 停戦合意後も2014年に衝突が起き不安定な状態を抱えていましたが、2016年4月2日、ナゴルノ・カラバフ自治州でアゼルバイジャンとアルメニア軍による軍事衝突が発生しています。戦闘は翌3日も続き、双方で兵士が死亡しています。この戦闘でアゼルバイジャンは初めて勝利し「八つの丘を含む200ヘクタール」を奪還しました。

経済

 IMFの統計によると、2015年のアゼルバイジャンのGDPは540億ドルである。一人当たりのGDPは5,739ドルです。通貨マナトが対米ドルで急落しており]、年を追うごとに数値は低くなっています。

 欧米の直接投資と原油高に伴う多額の収入が国内の経済を急速な勢いで成長させていますが、一方で激しいインフレと失業率に悩まされています。また、環境汚染も深刻です。

 国内の労働市場は経済状況に比べれば不安定でIDP(国内避難民)も多く抱える同国の国民生活は決して経済成長率を反映しているとは受け取れません。

 世界銀行のDoing Businessレポート2019によると、アゼルバイジャンの「ビジネス環境ランキング」順位は57から25に向上しました。

エネルギー


バクー油田
Source:Wikimedia Cmmons

 バクー油田など豊富な天然資源があり、ソ連崩壊やアルメニアとの紛争で落ち込んだ経済を支えています。天然資源の存在は第二次世界大戦やチェチェン問題とアゼルバイジャンの関係とも大きくかかわっています。

 2006年にはアゼルバイジャンの首都バクー、ジョージアのトビリシ、トルコのジェイハンを結ぶBTCパイプラインが開通しました。同パイプラインはBPなどの日欧米企業が出資、輸送能力日量100万バレルの原油パイプラインです。これはロシアに対抗する欧州向け原油輸出パイプラインとして期待され、カザフスタン原油の輸出も計画されています。カスピ海では油田のほかにガス田も生産を始めています。

農業

 2007年時点のアゼルバイジャンの国土の約54.9パーセントは農地となっています。

観光


シャダ・マウンテン・リゾート
Source:Wikimedia Cmmons

 1990年代のソビエト連邦の崩壊とナゴルノ・カラバフ戦争によって、観光産業とアゼルバイジャンの観光地としてのイメージは低下しました。

 2000年代以降は政府が観光を重視しており、世界経済フォーラムのTravel and Tourism Competitiveness Report 2015によると、アゼルバイジャンは世界で84位につけています。また、世界旅行観光評議会の報告によると、アゼルバイジャンは2010年から2016年の間で観光客が最も伸びている上位10カ国のうちの1つとなり、2017年の指標では旅行と観光の経済が最も急速に発展している国の中で第1位(46.1%)となっています。

交通

 シルクロードや南北輸送回廊などの主要な国際交通動脈の交差点にあるアゼルバイジャンの地理的要因は、国家経済にとって交通が戦略的に重要であることを示しています。

 2010年時点で、広域鉄道と電化鉄道がそれぞれ延べ2,918 km(1,813 mi)と1,278 km(794 mi)あり、35の空港と1のヘリポートがあります。

 アゼルバイジャンのフラッグキャリアは首都バクーにある国際空港ヘイダル・アリエフ国際空港を拠点ハブとするアゼルバイジャン航空です。

科学技術

 21世紀には、Elchin Khalilovらの基本的な研究に触発された数多くの著名なアゼルバイジャンの地球力学とジオテクトニクスの科学者が、共和党の地震動の中心地の大部分を占める何百もの地震予知ステーションと耐震建物を設計しました。泥火山の活動を監視することで地震予知を試みています。

国民

 民族構成(アゼルバイジャン)

 
Source:Wikipedia

民族

 住民は、民族的にはテュルク系のアゼルバイジャン人(アゼリー人)が人口の91.6%を占め、圧倒的に多い。アゼリー人の外、レズギン人(2.0%)、ロシア人(1.3%)[24]、アルメニア人、タート人(英語版)、山岳ユダヤ人が居住している。また、ソ連時代の名残りから人名はロシア語風の姓が多く見受けられます。

言語

 国語は、アゼルバイジャン語だが、日常的にはロシア語も使用されます。タート語、ユダヤ・タート語。

宗教

 宗教的にはアゼリー人を含めたムスリム(イスラム教徒)が95%(シーア派85%、スンニー派15%)と圧倒的に優勢で、キリスト教正教会、ユダヤ教会、キリスト教アルメニア教会が少数派として存在します。

婚姻

 結婚する者はそれまでの姓をそのまま用いる権利を持つ(夫婦別姓)。どちらかの姓に統一することも、複合姓とすることも可能です。

食文化


アゼルバイジャン料理の軽食
Source:Wikimedia Cmmons

 アゼルバイジャンはワインの有名な産地であり、コーカサス有数の上質なワインで知られます。

 ロシア国内ではジョージア産のワインはよく見かけますが、アゼルバイジャン産のワインを見つけることはあまりできません。しかし、コストやクオリティなどを考えればロシアで人気のグルジアワインに劣らないだけではなく、フランスワインよりも一部の人々には好まれています。庶民が好んで飲むイワノフカは低価格で飲みやすくおいしいとされます。また世界遺産に登録されている乙女の塔の名をとったワインもあります。

世界遺産


ゴブスタン国立保護区
Source:Wikimedia Cmmons

 アゼルバイジャン国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が3件存在します。


城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿及び乙女の塔
Source:Wikimedia Cmmons

 2000年に登録された「城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿及び乙女の塔」、2007年に登録された「ゴブスタンの岩絵の文化的景観」、2019年に第43回世界遺産委員会を誘致した際に登録された「シャキの歴史地区とハーンの宮殿」があります。

美術

サキット・ママドブ - アゼルバイジャン共和国名誉アーティスト、ユネスコ芸術家協会会員。

文学

 ニザーミー - 12?13世紀、ペルシア語文学古典時代の詩人。ギャンジャにニザーミー廟があります。


アゼルバイジャン3つづく