エントランスへはここをクリック   

 シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

 シリアの世界遺産1

古代都市ダマスカス(2013年危機遺産)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、2020年7月31日公表予定
独立系メディア E-wave Tokyo
 無断転載禁
総合メニュー(西アジア)

シリアの世界遺産

世界遺産1   世界遺産2   世界遺産2-2   世界遺産3   世界遺産3-2  
世界遺産4   世界遺産4-2   世界遺産5   世界遺産6

 次はシリアの世界遺産1です。

◆古代都市ダマスカス


出典:Wikipedia


ダマスカス城壁とサラディーン像
Photo by Yosemite, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

 古代都市ダマスカス(こだいとしダマスカス)は、シリアの首都ダマスカスの旧市街に残る歴史的な構造物が登録されたユネスコの世界遺産(文化遺産)です。

 1979年に登録されました。2013年にシリア内戦による被害のため、シリア国内の他の5つの世界遺産とともに危機遺産に登録されました。

概要

 エジプト、メソポタミア、地中海地域を結ぶ交通の要衝の地として、紀元前3000年ごろから形成された都市です。中東でも最古の都市の1つです。

 バラダ川の南側にあるダマスカス旧市街(Old Damascus)は、城壁に囲まれた歴史のある地域です。この城壁は、1世紀頃、ローマが最初に建設したと言われています。

 2004年現在残っているものは、13世紀から14世紀にかけて、十字軍やモンゴル帝国の侵略を防ぐために、アラブ人が建築したものです。城壁には、7つの門が残っています。旧市街地は、狭い入り組んだ道になっていますが、東西に走る真っ直ぐな道(Straight Street)は、新約聖書にも登場しています。

 世界最古のモスクといわれる、ウマイヤド・モスクも旧市街地にあります。

歴史

 エジプトとメソポタミアを結ぶ交通の要衝であり、紀元前3000年ごろから都市が形成しはじめたと考えられています。

 アレキサンダー大王の東征以後は、ギリシャ、ローマ帝国の支配下に置かれています。

 635年、アラブ人が侵入。661年から750年まで、ウマイヤ朝の首都として栄えます。

 1946年、シリアの首都となります。

主な建築物

 城壁
 城塞 (Citadel)
 アゼム宮殿
 ウマイヤド・モスク


ウマイヤド・モスク
ウマイヤ朝の支配下、715年に建築された世界最古のモスク。建設には10年以上の月日が費やされたといわれている。
Yosemite - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
Source:Wikimedia Commons



古代都市ダマスカスの地図を表示
Dr. Blofeld - OpenStreetMap, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

 イスラム教の4大聖地の1つに数えられており、シリア国内はもちろん、周辺のイスラム諸国から巡礼ツアーが訪れる。非イスラム教徒の入場も許可されているが、入る門は制限されている。また、成人女性の入場にはベール等で髪を隠すことが義務付けられている。


شهر دمشق سوریه
Tasnim News Agency, CC 表示 4.0, リンクによる
Source: Wikimedia Commons

サラーフッディーン廟

 ウマイヤド・モスクの北門近くにある十字軍を撃退した英雄サラーフッディーン(サラディン)を埋葬している建物。城砦近くには、馬に跨ったサラーフッディーンの銅像も建っている。


サラーフ=アッディーンと考えられる肖像画  在位 1169年 - 1193年
Ismail al-Jazari (1136–1206) - This file has an extracted image: File:Portrait of Saladin (before A.D. 1185).jpg., パブリック・ドメイン, リンクによる
Source:Wikimedia Commons


15世紀の装飾写本中の「エジプトの王、サラディン」
Originally from [1], パブリック・ドメイン, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

世界遺産の登録基準

 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用です)。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。

(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。


世界遺産2つづく