シルクロードの今を征く Now on the Silk Road  シリアの世界遺産４古代都市アレッポ 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日：２０１5年１月2３日 更新：２０１９年４月～６月、２０２０年７月31日公表予定 独立系メディア Ｅ－ｗａｖｅ Tokyo 無断転載禁 |
| 総合メニュー（西アジア） シリアの世界遺産 世界遺産１ 世界遺産２ 世界遺産2-2 世界遺産３ 世界遺産3-2 世界遺産４ 世界遺産4-2 世界遺産５ 世界遺産６ 次はシリアの世界遺産４です。 ◆古代都市アレッポ  出典：Wikipedia  古代都市アレッポ アレッポ城 Yosemite - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる Source:Wikimedia Commons 古代都市アレッポ（こだいとしアレッポ）は、シリアの北部にある都市アレッポに残る歴史的構造物が登録されたユネスコの世界遺産（文化遺産）です。 概要 アレッポは、シリアの首都ダマスカスの北約300キロメートルにある都市で、トルコ国境に近くに位置しています。 象徴的な建物であるアレッポ城は、紀元前10世紀に最初に建築され、12世紀から14世紀にはモンゴル帝国の侵入や十字軍の攻撃にも耐えました。世界最大の市場の1つともいわれるスークもアレッポの象徴です。 スークの北にある大モスク（グレート・モスク）は、建築様式が他のモスクの手本になったともいわれています。アレッポは現代でもシリア第2の大都市であり、考古学者が発掘を行う機会も限られています。 歴史  アレッポ城 Memorino - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons  アレッポ城の案内図（2011年1月） Preacher lad - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons アレッポ一帯は紀元前1800年ごろから居住が始まりました。ユーフラテス川と地中海方面を繋ぐ古くからの交通の要衝の地であり、古くから商業都市として栄えました。紀元前20世紀にはヤムハド王国の首都として栄え、その繁栄はヤムハドの支配者であったアモリ人の王朝が紀元前1600年ごろ倒れるまで続きました。 紀元前800年ごろまでヒッタイトの支配下におかれ、その後アッシリア、アケメネス朝に支配された後、紀元前333年、セレウコス朝によって古代ギリシア人の支配するところとなりました。セレウコス1世はこの都市をベロエアと改称しました。セレウコス朝の支配は紀元前64年に共和政ローマの将軍グナエウス・ポンペイウスに征服されるまで続きました。 395年のローマ帝国の分裂で東ローマ帝国の領土となりましたが、637年にアラブ人に征服されました。944年にモースルのハムダーン朝に征服され、その後モースルから独立しますが、再興した東ローマ帝国がヨハネス1世ツィミスケスの遠征によって短期間、974年から987年にかけて支配権を取り戻しました。 ふたたびハムダーン朝の支配下となりましたが、1004年王家断絶によりエジプトのファーティマ朝に併合されました。1094年、セルジューク朝が街を征服し、そこから分かれたシリア・セルジューク朝がアレッポを支配しました。 12世紀、十字軍の侵攻が始まると、アレッポはイスラム側の前線基地となります。もともと神殿だったものをアレッポ城へと要塞化します。アレッポは1098年と1124年に十字軍に包囲されましたが、陥落はしませんでした。 テュルク系の諸アタベク政権であるアルトゥク朝、ザンギー朝の支配を経て1183年、街はエジプトにアイユーブ朝を開いたクルド人将軍サラディンの手により開城され、アイユーブ朝の支配下に入りました。 モンゴル帝国のフレグが1260年街を征服し破壊しましたが、フレグの創設したイルハン朝の後継争いの中、1317年に地元の領主が独立し、エジプトのマムルーク朝の影響下に入りました。その後ティムール朝の攻撃を受けます。 1517年、テュルク系のオスマン帝国のセリム1世によりアレッポを含むシリア地方は征服されマムルーク朝も滅亡し、以後オスマン帝国の長い統治が始まりました。1517年時点での人口は約5万人でした。16世紀、大航海時代に入り、陸路による物資輸送が下火になるにつれて、アレッポの街も衰退して行きました。 2011年にシリアで発生した内戦はアレッポにも及び、2012年9月28日に政府軍と反体制派の戦闘によりスークにて火災が発生しまし。700～1,000軒が被害を受け、歴史的な店舗の大半は消失しまし。 主な構造物 アレッポ城 紀元前10世紀に当地に築造された神殿を原型とする古城です。たび重なる戦争の歴史のなかで、しだいに城砦化して行きました。十字軍の侵略に際して改築された12世紀の姿のままで今に残っています。  現在のアレッポ城 出典： Mohamd hosen、 グーグルマップストリートビュー  現在のアレッポ城の入り口 出典：ALi_ALmadanly, グーグルマップストリートビュー スーク(市場) 世界最大規模ともいわれる市場です。往時の繁栄の面影を留めてきましたが、2012年の内戦により大半が消失しました。 その他 キリスト教地区  Vieille ville d'Alep, le 13 janvier 2017 VOA - https://www.amerikaninsesi.com/a/halepin-dogusu-harap/3675534.html, パブリック・ドメイン, リンクによる Source:Wikimedia Commons 登録基準 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された（以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用です）。 (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。 (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。 世界遺産4-2へつづく |