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大唐西市博物館 視察43

唐代の伝統音楽・楽器 その2

(Xi'an 中国)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

大唐西市博物館視察43



 唐代の伝統音楽・楽器


上:彩絵釉陶女楽俑(色絵釉薬の陶製女性楽隊の俑)
下:吹排簫女俑(排簫を吹く女の俑)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900




彩絵釉陶女楽俑(色絵釉薬の陶製女性楽隊の俑)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



黄釉舞伎俑(黄色釉薬の陶製ダンサーの俑)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 注)舞伎(ぶぎ):歌舞を職業とした女性




左から
三彩陶塤(唐三彩製陶器の塤)
三彩陶塤(唐三彩製陶器の塤)
彩絵陶塤(色絵陶製塤)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

追記:一般的に塤には前に6つ、後ろに2つ、合計8つの孔があり、上から
   吹くと音色がよいとされていますが、展示されている人の顔をかたど
   った塤は孔が3つだけで、女性の頭を描いた物とされています。

 注)塤(シュン、けん、簡体字:埙、ピン音: xūn) Wikipediaより
  中国の伝統管楽器のひとつで、粘土や陶磁で作られたヴェッセルフルート
  (英語: vessel flute。オカリナの仲間)のこと。土笛の一種。八音では「土」
  に属する。

 構造 
  大きさはさまざまだが、形状は卵形である。大きいものは低い音が出る。
  現在の代表的なものでは、いちばん上に吹き穴があり、指穴は通常吹き穴
  より小さいものが8つあり、両手の人差し指・中指・薬指・親指で押さえる。

 歴史
  起源は、狩猟の際に獲物を呼び寄せたり、反応を探るために使った管楽器と考
  えられている。骨で作る管状の呼び笛を「骨哨」といい、陶器製の「陶哨」も作られ
  るようになった。中国浙江省の河姆渡文化や河南省の仰韶文化の新石器時代
  遺跡から、吹き穴だけの陶器の管楽器が出土しており、音色からこのような用途
  であると考えられる。

  夏代には指穴2つのものがあり、音が4種出せたと伝えられている。殷代には陶
  器、石、骨で作られ、多くは底が平らな卵形に作られている。戦国時代には指穴
  4つになり、多くは平底卵形となった。漢代の『爾雅』の記述[1]からも、陶器製
  で、大きさは大きい物ではガチョウの卵ほどで、上部は尖り、底は平らで、はか
  りのおもりの様な形で、穴が6つあり、小さいものでは鶏卵ほどの大きさであった
  ことが分かる。多くの音が出せるようになったことから、秦、漢以降は、主に宮廷
  音楽(雅楽)に用いられるようになった。

  その後廃れたが、1970年代以降、出土された楽器から再び注目されるようにな
  り、新たに作成されたり、演奏が行われるようになった。現代のものでは穴が増
  やされ、7個から10個の指穴が開けられている。


視察44へつづく