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 シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

 イラン8 経済・社会

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、2020年7月31日公表予定
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 次はイラン8です。

◆イラン8

イラン経済




出典:Wikipedia

 
夜間のイランを捉えた衛星写真(2010年)。
self - I have combined two pictures, one has taken from OpenStreetMap and another one is a Nasa picture can be found here, パブリック・ドメイン, リンクによる
Source:Wikimedia Commons



首都テヘランのエラーヒーイェ地区。アルボルズの山々を背景に近代的高層建築がそびえ立つ。
CC 表示-継承 3.0, リンク
Source:Wikimedia Commons

 IMFの統計によると、2013年のGDPは3,663億ドルであり、大阪府とほぼ同じ経済規模です。同年の一人当たりのGDPは4,750ドルである。

 イランの経済は中央統制の国営イラン石油会社や国有大企業と、農村部の農業および小規模な商業、ベンチャーによるサービス業などの私有企業からなる混合経済であります。

 政府は以前から引き続いて市場化改革を行い、石油に依存するイラン経済の多角化を図っており、収益を自動車産業、航空宇宙産業、家電製造業、石油化学工業、核技術など他の部門に振り分け投資している。

 チャーバハール自由貿易地域、キーシュ島自由貿易地域の設定などを通して投資環境の整備に努め、数億ドル単位での外国からの投資を呼び込むことを目指しています。現代イランの中産階級の層は厚く堅実で経済は成長を続けているが、一方で高インフレ、高失業率が問題であります。インフレ率は2007年度の平均で18.4%、2008年4月(イラン暦)には24.2%にまで達しています。

 イラン・イスラム革命は富の再分配も理念の一つとしていましたが、実際には貧富の格差は大きいと言えます。縁故主義により経済的に成功したり、海外への留学を楽しんだりする高位聖職者や政府・軍高官の一族は「アガザデ」(高貴な生まれ)と呼ばれています。

 財政赤字は慢性的問題で、これは食品、ガソリンなどを中心とする年総計約72億5000万ドルにものぼる莫大な政府補助金が原因の一つとなっています。これに対してアフマディーネジャード政権は、2010年からガソリンや食料品などに対する補助金の段階的削減に踏み切り、低所得層に対しては現金給付に切り替えています。

 イランはOPEC第2位の石油生産国で、2016年時点の生産量は200万バレル/日です。確認されている世界石油埋蔵量の10%を占めます。また天然ガス埋蔵量でもロシアに続き世界第2位であります。原油の輸出は貴重な外貨獲得手段であるとともに1996年の非常に堅調な原油価格は、イランの財政赤字を補完し、債務元利未払金の償還に充てられていました。


GDPに占める石油部門の割合は2002年の15%から2006年には25%に増加した。
これは主に原油価格の急騰によるものである] I, Kotoito
Sectors of the Iranian Economy for 2002. I created this file by using Apple Keynote.
Source for raw data: en:Image:Irecosector.gif
I, Kotoito, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2475145による
Source:Wikimedia Commons

 農業については国家投資、生産自由化による活発化が目指され、外国に対する売り込み、マーケティングなどで輸出市場を開発し、全般的に改善されました。ナツメヤシ、ピスタチオ、花卉など輸出用農業生産物の拡大、大規模灌漑計画により1990年代のイラン農業は、経済諸部門の中でも最も早い成長のあった分野です。一連の旱魃による踏み足局面もありますが、農業はいまだにイランで最大の雇用を持つ部門です。

 イランはバイオテクノロジーと医薬品製造などにも力を入れています。主要貿易国はフランス、ドイツ、日本、イタリア、スペイン、ロシア、韓国、中国などです。1990年代後半からはシリア、インド、キューバ、ベネズエラ、南アフリカなど発展途上国との経済協力も進めています。また域内でもトルコとパキスタンとの通商を拡大させており、西アジア、中央アジアの市場統合のビジョンを共有しています。


イラン9へつづく

North part of Tehran photographed from the top of Milad tower in a clean air. On Nature Day people leave
the city to go out into the countryside and the number of cars decreases. Because of that, favorable wind
and after three days of rain, it was possible to photograph Tehran in its cleanest condition.
Amirpashaei - استودیو پاشایی, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons