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 シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

 イラン9 社会・民族・言語

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、2020年7月31日公表予定
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イラン
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 次はイラン9です。

◆イラン9

イラン人

 イラン人とは、狭義にはイラン・イスラーム共和国の国民の呼称。歴史的には、中央アジアを含むペルシア語文化圏に居住し、イラン人とみなされている人々。1935年にイランが正式な国名であると宣言されるまでは、ギリシア語に由来するペルシア人の名称でよばれていた。

狭義のイラン人

 イラン国民を構成するのは、多様な言語的・民族的・宗教的アイデンティティを持つ人々であります。イラン系言語集団には、中央高原部に住み、ペルシア語あるいはその方言を母語とし、シーア派信徒である中核的イラン人(通常イラン人という時のイラン人)、クルド人、ロル族ならびにバフティヤーリー族、バルーチ人などです。

 テュルク系言語集団には、大集団のアゼリー(アゼルバイジャン人、一般には自他称ともトルコ人)、トルキャマーン(トルクメン人)、遊牧民のカシュカーイー、シャーサヴァン、アフシャールなど。南部のイラク国境にはアラビア語の話者集団がいる。宗教面では、国教の十二イマーム派の他に、スンナ派にはクルド人(シーア派信徒もいる)、バルーチ人、トルクメン人など、キリスト教徒(アルメニア人、東アラム語を母語とするアッシリア人など)、ユダヤ教徒、ゾロアスター教徒が存在する。

広義のイラン人

 ホラズム生まれのビールーニー、ブハラ生まれのブハーリー、その近郊生まれのイブン・スィーナー、また、トゥース生まれのアブー・ハーミド・ガザーリーは、もっぱらアラビア語で著述しているが、中央アジアを含むペルシア語文化圏生まれであるために、狭義のイラン人からは、イラン人であるとみなされている。その他、イラン・イスラーム革命後増大したイラン系アメリカ人(カリフォルニア州に約半数が集中し、ロサンゼルスは「テヘランゼルス」と俗称されることもあります。二重国籍を所有する者も多い)、バーレーンやドバイに数世代連続して居住する、ペルシア語方言を母語とするファールス州南部出身者などもここに含めることができる[62]。

人口統計

人口



イランの人口推移(1956年 - 2003年)
Alexander Blecher, blecher.info, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

 イランの人口は20世紀後半に劇的に増加し、2006年には7000万人に達した。しかし多くの研究では21世紀への世紀転換点には、人口増加率の抑制に成功し、ほぼ人口補充水準に到達した後、2050年頃に約1億人で安定するまで人口増加率は徐々に低下してゆくものと考えられている。人口密度は1平方キロメートルにつき約40人であります。イランは2005年時点、約100万人の外国難民(主にアフガニスタン難民、ついでイラク難民)を受け入れており、世界で最も難民が多い国の一つです。

 政府の政策的および社会的要因により、イランは難民たちの本国帰還を目指している。逆にイラン・イスラーム革命後に海外に移住した人々(en:Iranian diaspora)が北アメリカ(イラン系アメリカ人、en:Iranian Americanやイラン系カナダ人、en:Iranian Canadian)、西ヨーロッパ(在英国イラン人、en:Iranians in the United Kingdom)、南アメリカ、日本(在日イラン人)などに約200万から300万人程度存在すると見積もられる。

民族

民族構成(イラン)



Source:Wikip;ediia

 ペルシア人 51%、アゼリー人 25%、クルド人 7%、その他 17%です。

 イランの民族はその使用言語と密接な関係にあり、次いで宗教が重要です。すなわちエスニック・グループの分類は何語を話す何教徒か、に依存する部分が大きいのです。

 イランの公用語はインド・ヨーロッパ語族イラン語群のペルシア語で人口の約半数はこれを母語としますが、チュルク系のアゼルバイジャン語を母語とする人も非常に多く人口の四分の一にのぼります。さらにペルシア語以外のイラン語群の諸語やその他の言語を話す人びともいます。

 先述のように、それぞれの民族の定義や範囲、あるいはその人口や全体に占める割合に関してはさまざまな議論がありますが、イランに住むエスニック・グループは主に次のようなものです。

 ペルシア人(ペルシア語を語る人びと: 51%)、アゼルバイジャン人(アゼルバイジャン語を語る人々: 25%)、ギーラキーおよびマーザンダラーニー(ギーラキー語、マーザンダラーニー語を語る人びと: 8%)、クルド人(7%)、アラブ人(4%)、バローチ(2%)、ロル(2%)、トルクメン(2%)、ガシュガーイー、アルメニア人、グルジア人、ユダヤ人、アッシリア人、タリシュ人、タート人、その他(1%)です。

 しかし以上の数字は一つの見積もりであって、公式の民族の人口・割合に関する統計は存在しません。

 国際連合の統計によると、イランにおける識字率は79.1%であり、女性の非識字率が27.4%に達する。

言語

 主要な言語は、ペルシア語、アゼルバイジャン語(南アゼルバイジャン語)、クルド語(ソラニー、クルマンジー、南部クルド語、ラーク語)、ロル語(北ロル語、バフティヤーリー語、南ロル語)、ギラキ語、マーザンダラーン語、バローチー語、アラビア語(アラビア語イラク方言、アラビア語湾岸方言)、トルクメン語、ドマーリー語(または、ドマリ語)、ガシュガーイー語、タリシュ語です。

 イランにおけるイラン系言語の分布状況は以下の通りです。

1. 北部及びカスピ海沿岸部

1)タート語
2)ターレシュ語
3)カスピ海方言

西方にギラキ語(ペルシア語でギーラキー)、東方にマーザンダラーン語の二大方言があります。

4)セムナーン語及びサンゲサル語
5)クルド語

 トルコ国境からイラク国境一帯にかけての、コルデスターン(ペルシア語で「クルド(人)の地」)地方を中心に居住する、クルド人の母語です。クルド人の居住域は、イラン、イラク、トルコ、シリアの4国に分断されています。クルド語全体の話者人口は、統計のとり方によって数百万から千百万の間を上下します。

6)グーラーニー語
7)ザーザー語

2.中央部

8)タフレシュ方言(ハマダーンからサーヴェにかけて)
9)北西方言(ゴムからエスファハーンにかけて分布)
10)北東方言(カーシャーン及びナタンズ方言)
11)南西方言(エスファハーン周辺)

12)南東方言(ヤズド、ケルマーン、ナーイーン周辺)
 ギャブリー語(あるいはヤズド語、ケルマーン語)と呼ばれ、ヤズドからケルマーン周辺地域に在住するゾロアスター教徒が使用する言語を含みます。ギャブリーは「異教徒の(言語)」という意味で、イスラーム教徒から区別する他称です。話者は自分たちの言語をダリー語と呼んでいます。

13)キャヴィール方言

 キャヴィール方言で話される方言の総称であります。フール語などを指します。

3. 南西部

14)ファールス方言群
 カーゼルーン周辺やシーラーズの北西地域など、ファールス地方で使用される方言の総称です。
15)ロル語
 ファールス州からフーゼスターン州、エスファハーンの西方の広大な地域で話される、ロル系遊牧民の言語。バフティヤーリー語はこの下位方言に属しています。
16)スィーヴァンド語
 シーラーズの北方スィーヴァンドで話される言語。南西イランに位置しながら、言語学的には北西言語に属し、言語島を成しています。
17)ラーレスターン語

4. 南東部
18)バルーチー語
 パキスタン、アフガニスタン南西部、イランに及ぶ広範囲で使用されます。音韻面では最も保守的な言語の一つです。
19)バーシュキャルド語(あるいはバシャーケルド語)


イラン10 へつづく

North part of Tehran photographed from the top of Milad tower in a clean air. On Nature Day people leave
the city to go out into the countryside and the number of cars decreases. Because of that, favorable wind
and after three days of rain, it was possible to photograph Tehran in its cleanest condition.
Amirpashaei - استودیو پاشایی, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons