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パキスタン

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月2020年7月31日公表予定
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 次はパキスタン4です。

パキスタン4 (Pakistan)

経済


地域別の主要産業
A Fantasy - 投稿者自身による作品, CC0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

 IMFの統計によると、2013年のパキスタンのGDPは2,387億ドルです。一人当たりのGDPは1,307ドルであり、世界平均のおよそ10%の水準です。 2011年にアジア開発銀行が公表した資料によると、1日2ドル未満で暮らす貧困層は9710万人と推定されており、国民の半数を超えています。

 パキスタン証券取引所のナディーム・ナクビ社長は、パキスタンはGDPの需要面が十分補足できていません。「実際の1人当たりGDPは2200ドルはある」「人口2億人弱のうち4000万~4500万人を中間層が占める」と語っています。

 主要産業は、農業や綿工業です。特にパンジャーブ地方で小麦の生産が盛んで世界生産量第6位です。輸出品としては米がトップで輸出の11.2%を占め、ついで綿布、ニット、ベッドウェア、綿糸、既製服といった繊維製品が続きます。また中国が一帯一路政策の要として、パキスタン国内を鉄道・道路・港湾などで結ぶ中パ経済回廊(CPEC)建設を進めているため、セメントや鉄鋼の生産が増えています。

 2011年に、パキスタン政府はインドとの交易関係を正常化し、インドへの貿易上の「最恵国待遇」付与を目指す方針を明らかにしました。インドは1996年にパキスタンに同待遇を付与していまする。またインドが含まれるBRICsの次に経済の急成長が期待できるNEXT11のうちの一つでもあります。

 IMFによる3年間の財政支援は2016年9月に終了しました。国民の多くは貧しく、テロの頻発など治安もとても悪いのですが、人口増加率が高いため労働力や消費者となる若年層が多いのです。このため今後経済的に期待できる国といえ、コカ・コーラや味の素など飲食品・消費財メーカーが進出しています。

 通貨はパキスタン・ルピー(1ルピー=100パイサ、硬貨の種類は5パイサ、10パイサ、25パイサ、50パイサ、1ルピー、5ルピーの6種類、紙幣は、2ルピー、5ルピー、10ルピー、20ルピー、50ルピー、100ルピー、500ルピー、1000ルピー、5000ルピーの8種類)です。

自動車産業

 日本の自動車メーカーが複数進出して製造販売を行っています。スズキは、1975年に国営会社を通じて自動車の生産を開始した後、1982年、現地合弁会社パックスズキ社を立ち上げてパキスタンへの本格参入しました。フロンテやキャリイなどの現地モデルの生産を始めました。2007年10月には、二輪車の現地代理店と合併する形で二輪車の生産販売も始めました。2009年には国内の自動車累計生産台数100万台を達成しています。

 トヨタ自動車は、現地合弁会社インダス・モーター社を1989年に設立。カローラやハイラックスの生産を始め、2012年に生産累計50万台を達成しました。本田技研工業は、1992年より現地合弁会社のアトラスホンダ社を設立し二輪車の生産販売を開始しました。

 1994年には、四輪車生産を目的とした合弁会社ホンダアトラスカーズを立ち上げて、シビックなどの生産を行っています。2016年累計生産台数30万台を達成しました5]。 日産自動車は、カラチに現地工場を建設。1997年、現地法人ガンダーラ日産の手によりノックダウン生産によりサニーの生産を始めました。2010年代に一旦閉鎖されましたが、2020年初頭を目途にピックアップトラックの生産を開始することが発表しています。

国民

各地域の人口密度

人口


 2005年に1億6千万人を超え、現在は約1億8800万人です。2003年以降の人口増加が顕著なのは、戦闘が続く隣国アフガニスタン他からの難民が急増したためと見られています。その数は累計で約600万人と言われています。また、出生率も高く、国連の推計では2050年には約3億4000万人にまで増加し、インドネシア(2050年に約2億9000万人)とブラジル (2億3000万人)を抜き、中国・インド・米国に次ぐ世界第4位の人口大国になると予想されています。

 2017年3月15日から5月25日にかけて1998年以来19年ぶりの国勢調査が行われ、パキスタン本土の人口は2億777万4520人と1998年比で57%増加しました。また、2017年の国勢調査では1998年の国勢調査では対象外地域だったアザド・カシミールやギルギット・バルティスタン州も国勢調査の対象地域となっており、それらの地域を含めた人口は2億1274万2631人となっています。

 2017年(国勢調査):2億777万4520人(本土)。2億1274万2631人(上記2州を加えた全体)
 2004年:1億5919万人(前年比1016万増)
 2003年:1億4903万人(前年比307万増)
 2002年:1億4596万人(前々年比1146万増)
 2000年:1億3450万人
 1991年:1億1552万人


人口密度
182人/平方キロメートル(2001年)、145人/平方キロメートル(1991年)
英語版ウィキペディアNomi887さん, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
Source:Wikimedia Cmmons


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