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公約破りの民主党に明日はない

日本再建は競争的分権から!
青山貞一
東京都市大学大学院教授(公共政策論)
掲載月日:2012年3月18日
 独立系メディア E−wave Tokyo

         
 民主党は2009年9月に国民に示した政権マニフェストを政権交代後、とりわけ鳩山由起夫首相、小沢一郎幹事長が辞任してこの方、ことごとく公約を反故にしてきた。

 「国民の生活が第一」という一大キャッチフレーズのもと、国民に堂々と掲げた公約を次々に反故、破棄し、およそ国民が選択した民主党政権とは似ても似つかないトンデモ政権となっている!  

 このざまは何なんだろうか? 

 国民はこんな「詐欺師集団」を許せるわけがない!

 しかも、その民主党政権は、公約をことごとく反故にするだけにとどまらず、公約になかった消費税増税など東日本大震災・津波そして原発巨大事故後に疲弊しきった国民や中小事業者などの社会経済的弱者に対し、ことさら社会経済的な負担を強いる政策、施策を強行しようとしている。

 2010年の初夏、普天間基地代替施設の辺野古移転問題でつまずいた鳩山政権を、このときとばかり足蹴し、ちゃっかり破廉恥にも首相に就任したのは菅直人だった。これほど破廉恥な政治家はそういないだろう。

 普天間代替施設の名護市辺野古移転を県外、海外へと行ってきた民主党の中枢の一人が、県外、海外移転が半年ちょっとでうまく行かないからと言って、日米合意に基づき辺野古に移設すると明言し、民主党代表となり首相につくこの人間の気が知れない!

 いうまでもなく、民主党自身の最大の課題は、参議院で過半数を取れなかったことだ。

 菅直人は自分が副総理時代から財務官僚らに洗脳されていた増税を参議院選挙の公約に掲げた。そしてあり得ない「消費税増税による雇用確保」という選挙戦を展開したのだ。当然のことながら結果は、選挙前より大幅に参議院の議員数を減らしてしまった。いくら衆院で過半数を大きく超える議席をとっても、参議院で過半数をとっていなければ、立法、予算、政策で大変なことになる。これは小沢一郎議員がさんざん党員に話していたことだ。

 私は菅直人ほどアホでKYの政治家、それも首相は見たことがない。自民党にも多くのアホでKYの政治家がいたが、それを上回るのが菅直人だ。

 当然のことながら、民主党が政権交代時に掲げた公約を実現するためには、まさに政治主導のもと、徹底した行政改革、独立行政法人はじめ省庁の外郭団体の整理縮小、公務員給与の大幅削減などが不可欠だ。

 そのためにも、是が非でも参議院で過半数が必要だったのに、勝手にこともあろうか増税を掲げ選挙に敗退したのだ! 

 その後の民主党は、見るも無惨な政治、政策的敗退につぐ敗退を重ねることになる。一方、自民党の民主党攻撃は、国会中継を聞いている私たちが呆れるほど激しく、えげつないものとなっていった。とりわけ参議院予算委員会での自民党議員の攻撃は聞くに堪えないものであった。

 政権交代に酔いしれていた民主党議員の多くは、参議院選挙での敗退がもたらす帰結をまざまざと見せつけられたに違いない。

 その後、東日本大震災、津波、原発事故という歴史的大惨事が起きた。

 そして、ただただ周辺を怒鳴り散らし、思いつきであれこれ「個人的思い」を述べ自壊した菅直人首相の後誕生したのが野田政権だ。

 もとより、野田政権は松下政経塾生政権と言えるほど、政権交代時のスローガン、マニフェストからほど遠い、第二自民党的政権となった。

 松下政経塾出身の政治家の多くは、選挙区の都合で自民党から出馬できないことで、民主党から出馬している。前原、野田といえば、最終的に永田衆議院議員を自殺に追い込んだいわば上司ではないか。その反省もないまま、政治家を続けていること自体、おこがましい。

 野田首相も菅首相同様、財務大臣経験中から、なぜか民主党本来の政権公約をすべて忘れ去り、増税路線、TPP、防衛増強、武器輸出解除など国民が頼みもしない路線をひた走っている。

 しかも、消費税増税関連法が民主党単独で参議院を通過させることが不可能と見るや自民党にすり寄った。こんなこと2009年秋に民主党に投票した国民は誰一人頼んでいないのだ。

 2012年3月、野田首相、岡田副総理は自民党の谷垣総裁に大連立を仕掛け一蹴されている。自民党がヨタヨタの民主党と増税政策だけで一緒になっても、もともと自民党自身も同じ穴の狢、国民から大きな反発を買うからである。次回総選挙をやれば、民主党が間違いなく大幅に議席を減らすことが自明である。

 もちろん、1000兆円になんなんとする日本国の累積債務を放置して良いわけはない。また、いわゆるプライマリーバランスを達成することも重要だ。

 だが、日本はEUのギリシア、イタリア、スペインなどの場合と状況は全く異なることは専門家ならずとも自明である。ことさらEUなどを引き合いに出し、危機を煽り、しかもその穴埋めを消費税でと言う財務官僚的発想を真に受けている松下政経塾系政治家は、さっさと民主党を出て自民党に合流しろと言いたい。

 現下の日本の経済社会状況を考慮すれば、今なぜ、ここで公約にもない消費税など増税路線を無理矢理押し通そうとするのか、到底理解に苦しむ!

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 ところで、民主党が国民の期待の風を受け2009年秋、政権交代を実現したのは、半世紀以上に及ぶ自民党の対米追随や土建利権の古い体質の政治に反旗を翻したからだ。

 いうまでもなく、元民主党代表で政権交代の最大の立役者でもある小沢一郎氏は単に選挙に精通しているだけではない。

 その背後には、本来の意味での政治主導、すなわち立法府が立法を通じて行政府をコントロールし、行政や官僚の暴走を押さえることをを標榜してきた小沢一郎元代表の存在があったからに他ならない。

 しかし、日本の官僚は、以下に示す田中宇氏の論考にもあるように、世界に類例を見ない官僚独裁体制を構築、増殖し、その体制を壊そうとする小沢一郎などの政治勢力に対しては、あらゆる手段で潰しにかかり今日に至っている。

田中宇:民主化するタイ、しない日本

 日本とタイは、政治権力の構造が似ている。両国とも、表向きは自由選挙が行われる「民主主義体制」だが、民意に基づいて選出された政治家の権力行使を阻止する官僚機構(タイは軍部と王室などの複合体)が強く、民主的に選ばれた政治家が権力を発揮できず、実質的な官僚独裁体制が続いてきた。日本もタイも、民主国家のように見えて、実は民意と関係ないところで国家意志が決まる非民主的な官僚独裁の体制である。

 日本もタイも、欧米列強の植民地に長期間なったことがないので、古くからの権力機構が近代化しつつ生き残っている。日本の官僚機構は、明治維新で権力を握った薩長が江戸幕府の経済機構受け継ぎつつ改組近代化して作り、第二次大戦の敗戦後、官僚機構が政治家と軍部の権力を排除し、天皇の代わりに米国を象徴的な権力者として抱く体制に転換して生き延びた。

 皇室は終戦後、官僚機構の一部である宮内庁に管理監督されることに同意した。裁判所、マスコミ、学界(大学)なども、官僚機構の傘下にある。 (日本の権力構造と在日米軍)

 タイも、20世紀初頭からの近代化の過程で、表向き議会が権力を持つ立憲君主制となったが、議会が政治力を持ちすぎると、軍部がクーデターを起こし、国王が軍部と政治家を仲裁することによって政界の権力が制限され、議会(政界)の権力が一定以上に伸びないようになっていた。官僚機構、裁判所、学界などが、王室と軍部の複合体の中にいる。 (タイのタクシンが復権する?)

......

  日本は、選挙不正が米国などより格段に少ない。それは、選挙で誰が当選して国会議員や首相になろうが、官僚機構があらゆる手を使って、政治家が官僚機構の意に反する意志決定を行ったり官僚潰しを画策したりすることを防ぐので、選挙の段階で不正をやって当選者を操作する必要がないからだろう。

 2009年秋の与野党逆転以来、政界による官僚潰しが画策されたものの、失敗している。

 官僚を敵視すると、官僚機構傘下のマスコミに悪いイメージを塗りつけられるので、苦労して当選した議員たちは官僚と敵対しない。官僚の傀儡になった方が、良いイメージで報道してもらえるので、口だけ官僚批判して、実際は官僚の傀儡になる者が多い。

 日本では10年ほど前から、一般の人々の中に政治家をめざす人が増えているが、上記のような事情があるので、日本の政治家は、国政・地方政治とも、当選までの苦労が多い割につまらない仕事であると、私には思える。
......

 ところでその小沢一郎氏は、2012年3月15日、ロイターのインタビューに答え次のように述べている。以下はその概要である。

ロイターの小沢一郎インタビュー

──小泉首相以降ほぼ毎年首相が交代して野田首相で6人目、民主党政権で3人目。政策は進まず、政治が機能していない。根本原因と解決策は。

 「日本の政治が大きな変わり目にきているということだと思う。戦後の自民党を中心とした政治体制は変えないといけない。経済が右肩上がりで順調に進んでいた時代はそれでよかったが、冷戦も終わり時代が大きく変わった。にもかかわらず、日本は戦後半世紀の政治の仕組みや考え方、手法を変えられないでいる。こういう状況はもう少し続くかもしれないが、そう遠くない時期に克服できると思うし、そうしなければならない」

 「官僚機構が日本の政治・経済・社会の前面に出てリードしてきた時代の名残りが、今なお色濃く残っている。自民党から民主党に政権は変わったが、民主党自身の意識が時代の変化についていっていない。悲観はしていないが、時代の変化にぴったり適応できる政権が可能かとなると、もう少し時間がかかるのではないか」

──民主党が変わる必要があるということか。

 「そう。民主党自身がそのことに気付いてしっかりした政治をすることがベストだ。ただ、どうしても、発想の転換というか、意識の転換が難しいということになれば、次善の策を考えなければならない。しかし、民主党が変わるのは今からでも遅くない。政権交代の時の初心を想い起こして、皆で頑張ろうという思いだ」

 「この国の統治機構、官僚支配の中央集権体制を根本的に変えなくてはいけないというのが、われわれの主張であり、マニフェスト(政権公約)だった。それに手を付けないできた結果、民主党政権は、自民党以上に官僚に依存していると言われている。民主党は意識転換ができていない。このままでは、政権交代した意味がない。われわれが公約し、国民が期待した根本的な改革にメスを入れ、改革を進める勇気をわれわれが持つかどうかだ」

 「もう一度、初心に戻ってやり直せば、国民の支持は必ず戻ってくる。自民党がだらしないから、民主党がダメでも自民党に支持がいくという状況ではない。それで橋下徹大阪市長のように、大胆と言えば大胆、乱暴と言えば乱暴な改革を主張する人たちに支持が集まり、民主党のお株を取られてしまっている」

──消費増税を20年前から主張していた。今になって引き上げ反対はなぜか。

 「当時は直接税が税収の7割を占め、強制的に徴収される部分が多すぎたので、もっと個人の懐にカネを残し可処分所得を増やすために、所得税・住民税を半分にするという大減税と同時に間接税を上げることを主張した。消費税そのものについての議論は、今も否定しない」

 ただ、その後の20年間の激変の中、日本の政治・行政を根本から変えないとダメだ、特に、長年の中央集権の官僚支配ではおカネの配分に無駄が多いということが明らかになった。まずそこを抜本的に変えようというのが民主党の公約だ。それでも財源がまだ足りないということであれば、消費税を上げるしか仕方ないとわれわれも認めている。しかし、根本的な改革を全く行わないで、ただ増税と言うのでは、順序が逆だ。2年半前にわれわれ自身が訴えてきた改革に全力で取り組んで、その後に消費税(引き上げ)で遅くない」


 「まだ、大改革から始めることに望みをもっている。たとえば、仮に僕らが(増税法案に)衆議院で反対しなくても、野党が過半数の参議院では通らない。野党も賛成しなければ消費税は通らない」

 「税・社会保障の一体改革とネーミングしているが、社会保障のビジョンは何もない。消費増税だけだ。このままでは賛成できないという私の態度は基本的に変わらない。衆議院で法案(の提出・採決)を強行してくればわれわれとしては賛成できないが、どちらにしても参議院ではダメだ。だから、そこはもう少し考え直してやるのではないか」

──野田政権は政治改革・行政改革を消費税増税の前提に努力している。これでは不十分か。

 「中央集権体制から地方分権への抜本改革は全くやっていない。衆議院の定数削減は枝葉末節な話だ。定数を減らしただけで、国民が幸せになるのなら、国会議員は皆、辞めたほうがよい。身を切ることは大事なことだ。それがいけないと言っているわけではない。しかし、それは政治の本質ではない。チェンジ、WE MUST CHANGEこそ、最重要課題だ」

──格付け機関も日本の政治の機能不全に注目している。消費増税法案が廃案になれば、日本国債が格下げになり金利が急騰し、日本経済は相当なダメージを受けるとの見方がある。

 「そうは思わない。日本の債務残高の対GDP比はよくないが、実質的には資金がまだある。国債も90%以上を国内で消化している。まだまだ国内で国債を消化する能力がある。それは、まだどこかに巨額の資金があるということだ。その意味で、今回、消費税(増税)ができなかったからという理由で、日本の財政がおかしくなることはあり得ない。統治機構の大改革を実施することで、一般会計予算で相当の無駄を省くことができる。独立行政法人、特殊法人に毎年2、3兆円のカネを出している。特別会計そのものの問題もある。それを整理するだけでもかなりのカネが出る。当面は心配ない」

──「まだ大丈夫」と言い続けてきた歴史だ。

 「財政再建に一定のメドはつけないといけない。しかし、旧来の政治体制、行政の仕組みをそのままにしていては、議論の意味がないし、財政再建もできない。なぜ、自民党政権から民主党政権に変わったのか。官僚のコントロールのもとでの行政の不公正や無駄を根本から直す、それによって日本全体を立て直すということが、国民に支持されたからだ」

──消費増税法案を参院で通すために、話し合い解散はあり得るか。

 「『話し合い解散』はマスコミが作った言葉にすぎない。民主党と自民党が談合して解散・総選挙を行っても、両方とも勝つわけがない。だから、消費税をめぐって、自民党と民主党が(解散で)合意することはあり得ない。自民党内も腹のなかでは早期解散と思っている人はいないのではないか。『話し合い解散』という言葉が飛び交っているだけで、そういうことはない」

──今年、衆院解散・総選挙はないとの認識か。

 「消費税をめぐって、今国会で選挙ということは多分ない」

──ほかのことをきっかけに解散はあり得るか。

 「(任期満了の)来年8月までいくかどうかは別にして、秋以降はわからない。秋以降は、解散うんぬんというより政治そのものがどうなっているかがわからない」

──民主、自民どちらも過半数を取れない政治状況で政界再編の可能性は。

 「このままで総選挙となれば、どこも過半数は取れない。『大阪維新の会』も過半数を取るほどではないだろう。民主党は間違いなく惨敗する。自民党は増えるか減るかわからないが、増えても過半数は取れない。どの政党も過半数を取れない状況になる。その状況が一番の悲劇だ。日本の民主主義はそれほど成熟していないから、過半数を取れる政党がないと大混乱になる。これだけは避けたい」

──野田首相では過半数を取れる政権にはならないか。

 「今のままではダメだ。今のままでは絶対に勝てない」

 「民主党も政権を担当してみたがさっぱりダメだという失望感がある。では、国民の支持が自民党に向かうかというと、そうはいかない。民主党にまだ若干の期待感が残っているからだ。われわれが2年半前に訴えた『国民の生活が第一』の政策を1つでも2つでも現実にやってみせたら、国民の支持は必ず戻ってくる。そういう状況にして、民主党政権が継続することが最善、ベストだ」


──橋下大阪市長と連携する可能性は。

 「統治機構を変えるという橋下さんの主張は、僕も、基本的には民主党政権も言い続けてきたことだ。今からでも遅くない。民主党政権でそれを実現させれば、国民の支持は必ず戻る。再編や、どこかと連携という必要は全くなくなる」

 「それができなかった時に、どういう方法で安定政権をつくるかについてはいろいろな選択肢がある。最善の策、次善の策、三善の策と、いろいろある。現時点では、最善の策で民主党がもう一度よみがえって欲しい」


──党を出ることは。

 「僕が党を出る理由は全くない。国民との約束を忘れた人たちの方が党を出なければならない。僕は国民との約束をちゃんと覚えているし、今もそれを実行しようとしている」

──消費税の問題で、野田首相と話をする考えは。

 「僕は(1月の)党大会にも招待されていない。(首相と)会う立場でもない。党大会にも呼ばれない人が、呼ばない人と会うということはないでしょう」

(ロイターニュース 吉川裕子 リンダ・シーグ 編集:石田仁志)
2012年 03月 15日 17:15 JST

 小沢一郎氏は、ロイターのインタビューのなかで、消費税、政局問題以外に、実は重要な論点を述べている。以下だ。

小沢一郎氏談;
 「中央集権体制から地方分権への抜本改革は全くやっていない。衆議院の定数削減は枝葉末節な話だ。定数を減らしただけで、国民が幸せになるのなら、国会議員は皆、辞めたほうがよい。身を切ることは大事なことだ。それがいけないと言っているわけではない。しかし、それは政治の本質ではない。チェンジ、WE MUST CHANGEこそ、最重要課題だ」

 さすが日本の思考停止のアホマスコミと違い、海外のメディアは肝心なことを聞き出す! もっぱら、日本の大メディアは東京地検特捜部の手先となって、小沢一郎氏を座敷牢に蟄居させている張本人と言える!

 野田政権は消費税法案を通すために、衆院の定数削減、公務員給与の削減などを付け足しに言い出しているが、民主党が本来やるべき重要な政治制度改革は、いうまでもなく日本国を中央集権体制から地方分権体制へ変革することだ。

 日本をドイツ、カナダ、アメリカのような地方分権の連邦国家に抜本的に改革することである。

 ロイターの記者は、冒頭、「小泉首相以降ほぼ毎年首相が交代して野田首相で6人目、民主党政権で3人目。政策は進まず、政治が機能していない。根本原因と解決策は」と述べているように、日本の国は、まさに政治が機能不全となっているのである。

 民主党政権のもとでも、土建利権(八ッ場ダム、新幹線、外環高速道路事業など)、原発利権(再稼働、除染事業、がれき広域処理、復旧土木工事など)が全国各地で無節操に跋扈している。ガバナンスなき民主党のなせる技である。

 東北3県の津波被災地では今なお、多くの人々が寒さや寂しさ、苦しさに耐えながら職を探し、生きながらえようとしているにも拘わらず元請けのゼネコンや関連業者はウハウハとなっている。

......

 私の友人で現在、政策研究大学院大学の教授をしている福井秀夫氏は、かつて私にこういったことがある。

 「中央省庁の官僚が霞ヶ関で何をしているかと言えば、少なくても6割が都道府県や市町村に地方交付税交付金や補助金に関わるさまつな手続に関わっている。もし、地方分権がまともに機能すれば、これら中央省庁やその出先で働く官僚の60%は不要となる」と。さらに「残り4割についても、立法府がしっかりと本来の立法、政省令改正などをすれば、中央省庁のキャリアー官僚はごく一部でよく、他の業務の多くは、東大法学部などを出た役人がする必要がなくなる」と。

 至言である。地方分権により税源、財源、権限の大幅地方移譲とすることで、箸の上げ下げまで、中央の官僚が地方に指図する現状ががらっと変わる。

 そこで重要なことは、「競争的分権」だろう! 地方分権だけでは思考停止の小さな中央政府がたくさんできるだけとなる可能性があるからだ。地方政府が相互に競い合うこと、すなわち競争的分権こそが不可欠なのである。

 ところで、福井秀夫氏自身、東大法学部を優秀な成績で卒業し、国家公務員第一種に合格し、建設省(当時)に勤務し、その後、大臣官房会計課補佐まで務めた。しかし、霞ヶ関の内情、実態を現場でつぶさに見る中で、日本の凋落の根源が官僚機構にあることに気づき、霞ヶ関を飛び出た。

 上記の福井秀夫氏の発言に付け加えれば、今の日本は、成長途上ではなく、間違いなく成熟期にある。しかるに、国の省庁や出先がしゃしゃり出る場面は本来、そう多くないはずだ。もちろん、地方分権、連邦国家になった場合でも、外交、防衛、金融はじめ連邦政府がすべきことは多々あるはずだ。

 しかし、対米盲従の日本の中央官僚を見ていると、地方分権だけでなく、中央政府の専権事項についても、ガラガラポンが不可欠なようだ。

 時、大阪で大きな地方主権の動きが生まれている。このうねりを見過ごしたり軽視すると、今度こそ、民主党、自民党とも終焉を迎えることになるだろう。