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何とも見苦しい
集団ヒステリー状態の

マスコミと自民党C
青山貞一
掲載月日:2012年4月28日
 独立系メディア E−wave Tokyo

        

●司法制度の危機には目をつむるマスコミ

 しかも本当に審査員が選ばれ、審議をしたかどうかすら分からない東京第五検察審査会が2度起訴相当を出したことで、小沢氏は強制起訴されることになった。

 記者クラブ以外のフリージャーナリストや市民らが調査した結果、検察審議会の実態ががあらわになってきた。 何から何まで非公開で秘密とされたこの審査会は、信じられない実態があったのである。これについても信じられないことだが、マスコミはほとんど報道していない。

 それは、審査会の審査員を選ぶソフトが選んだ審査員の平均年齢が30.9歳であったことだ。統計学的に見ると、このような数字が出る確率は100万に一回もありえないという。

 しかも東京第5検察審査会の事務局は、これまで「30.9歳」としてきた審査員の平均年齢を「33.91歳」に訂正し、「最初の計算から漏れていた一人の年齢は37歳であると発表したが、「計算が合わない」のではという指摘が続出した。

 事務局は、それを受け翌日夕方には、議決日の9月14日時点では34.55歳であった再度訂正する事態に陥ったのだ。

 大マスコミは、ここでも民主主義の根幹に関わる重要事をほとんど報道しなかった。しかし、ここまでくると審査会メンバーは本当に存在するのか、存在しないままあたかも審査会を開催したふりをしたのではないのかという声が上がった。

 しかも、東京第五検察審査会の審査員の平均年齢が当初30.99歳と公表されたのは10月4日だが、これは小沢一郎元民主党代表を起訴すべきという議決が公表された時点であった。ただし、検察審査会での議決は民主党代表戦当日の9月14日であった。

 もっぱら、通常、検察審査員の平均年齢など公表されていないのに小沢事件に関してのみ審査員の平均年齢が公表されたのも不思議である。

 大マスコミは小沢氏への人格攻撃や人間破壊攻撃はしても、上記のような民主制度の今回に関わる重大事は報道しないのである!

 さらに、最近になって分かったこととして、以下の論考にあるように、ひょっとすると実際には審査員を選定し、審査員が集まって審査会をしたかどうかも疑わしいという疑惑が浮上している。

◆青山貞一:検察審査会による小沢一郎強制起訴そのものが虚偽で架空!?

 さらに分かったことは、上記の審査会に東京地検特捜部から提出された各種調書が検察官により捏造されたものであったことが分かるに及び、まさに何だこりゃということになった。

◆捏造調書を“主導”検察の元大ボス 優雅なアルバイト生活
2012/3/5 日刊ゲンダイ

 コンプライアンスを講演してボロ儲け

 民主党の小沢一郎元代表(69)が強制起訴された「陸山会」事件では、「捜査報告書」の捏造が地検特捜部の組織ぐるみだったことが分かってきた。

 東京地検は発覚の1年前に報告書にウソの記述があるのを把握しながら放置していたし、その間、田代政弘検事(45)が法廷でいい加減なことを言っているのを野放しにしてきた。

 こうなったら、捏造の当事者、田代検事にとどまらず、当時の上層部を聴取する必要があるが、彼らはさっさと弁護士に転身し、カネを稼ぎまくっているのだから、フザケた話だ。

 「西松事件」や「陸山会事件」を主導したのは元最高検検事の大鶴基成氏(57)で、当時の佐久間達哉特捜部長(55)=国連アジア極東犯罪防止研修所所長=とコンビを組み、司法権力を振り回した。その大鶴氏は昨年8月に検事を辞め、都内の「サン綜合法律事務所」で弁護士として第二の人生をスタートさせた。

 「大鶴弁護士は昨年末ごろから、セミナー講師としてアチコチに顔を出すようになりました。1月下旬に都内で開いたセミナーでは、企業の法務担当者約100人を前に企業のコンプライアンス(法令順守)について3時間ほど熱弁を振るっています。弁護士が講師をやる場合の“授業料”相場はおおむね1人当たり5000〜1万円。でも、大鶴氏は1万5000円でした。オリンパス問題を取り上げた2月のセミナーにも来ていて、こちらの受講料は1人3万円。今月7日に予定されているセミナーも、1人3万円の受講料を取っています」(都内の弁護士)

 単純計算だと、100人参加で300万円。毎回、講師は1人か2人で、もちろん、主催者側の取り分もあるだろうから、正確なところは分からないが、“おいしいバイト”であるのは間違いない。

 かつての部下が捏造報告書で告発され、ピンチに立たされているのに、筋書きを書いた“司令官”が講演料でウハウハ。これじゃあ、後輩は貧乏クジだ。元東京地検検事の弁護士はこう言った。

 「小沢裁判の公判に証人出廷した元検事の前田恒彦受刑者は、土地購入原資の4億円について、次席検事の大鶴氏や佐久間特捜部長ら当時の上層部が妄想を抱いていた、と証言している。つまり、一連の『陸山会事件』のデタラメは一部の幹部検事の妄想で始まったのです。その説明責任も果たさず、よりによってコンプライアンスをテーマに講師とはマンガですよ」 証拠や事件をデッチ上げる上司がいたら、現場のヒラ検事はどう対応するべきなのか――。検察は大鶴弁護士を講師に招き、コンプライアンスを聞いたらどうか。

◆小沢裁判でも捜査報告書の捏造疑惑 検察の大罪、再び!?
週刊朝日2012年1月20日号配信

いったい誰の、何の罪が問われているのか。そう感じてしまうほど、小沢一郎・元民主党代表(69)の裁判では検察捜査の問題点が次々明らかになっている。さらに民意と思われた小沢氏の強制起訴も検察の"意図"だった疑いが出てきた。

 衝撃の事実が明らかになったのは、2011年12月15日に行われた元東京地検特捜部の田代政弘検事(44)の証人尋問でのことだった。

 田代検事は小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐって10年1月に逮捕された石川知裕議員(38)から小沢氏の関与を認める調書(以下、石川調書)をとった"功労者"だ。

 その田代検事が10年5月、石川氏を再聴取した際の捜査報告書に、虚偽の内容を書いていたことが弁護側の追及で発覚したのだ。

 報告書によれば、石川氏は小沢氏の関与を認めた理由をこう述べている。

「私が『小沢先生は一切関係ありません』と言い張ったら、検事から『あなたは11万人以上の選挙民に支持されて国会議員になったんでしょ。小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り出したはずです。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなことをしたら、選挙民を裏切ることになりますよ』と言われたんです。これは結構効いたんですよ。堪えきれなくなって、『小沢先生に報告し、了承も得ました』って話したんですよね」

 まるで石川氏が田代検事の説得に心を打たれ真実を吐露したかのような記述だ。

 しかし、このような会話は石川氏が再聴取時にカバンにしのばせたICレコーダーの記録には一切残っていなかった。

 小沢氏の弁護側は実際の取り調べと異なる内容になった理由について厳しく追及した。

 それに対し、田代検事は、
「石川さんの著書の話などの記憶が混同した」
 と、あくまでミスだったと主張した。

 だが、元東京地検特捜部長で弁護士の宗像紀夫氏(69)は、「記憶を混同するなんてありえない」と断言する。

 宗像氏は1978年に発覚した航空機導入をめぐる不正献金問題「ダグラス・グラマン事件」で、事情聴取をした商社常務が自殺する、という経験をしている。

「すぐに副部長の指示で、1回から6回までの事情聴取の様子を詳細な捜査報告書にまとめました。参照したのは聴取時につけていた取り調べメモです。小沢氏というビッグネームの政治家に関わる捜査で検事が内容を混同するなんてことは到底考えられません」

◆虚偽の報告書が起訴議決の根拠◆

 さらに、田代検事の釈明がにわかには信じられないのは、この報告書が聴取の4カ月後に行われた検察審査会の議決で非常に大きな役割を果たしているからだ。

 石川氏自身の裁判では「検事による威迫や誘導があった」として証拠採用されなかった石川調書を、検察審査会は「再捜査で石川自身が有権者から選ばれた議員であることなどを理由に合理的に説明している」と、この報告書の存在を根拠に「信用できる」と認定。小沢氏に2回目の起訴議決を出した。

 ジャーナリストの江川紹子氏(53)は言う。

「万が一、審査会の判断に影響を与える目的で報告書に虚偽の記載がされたとすれば、大阪地検特捜部の証拠隠滅事件に匹敵するような犯罪です」

 くしくも、田代検事の出廷した翌日に証人として出廷したのは郵便不正事件での証拠隠滅罪で現在服役中の前田恒彦・元大阪地検特捜部検事(44)だった。

 応援として、大久保隆規・元秘書(50)の取り調べにあたった前田元検事は、
「本件では裏献金で小沢先生を立件しようと積極的なのは、(当時の)佐久間達哉・特捜部長や木村匡良主任検事など一部で、現場は厭戦(えんせん)ムードでした」
「大久保さんを取り調べましたが、『とても無理ですよね』と感じました。(中略)佐久間さんらが東京拘置所に陣中見舞いに来たとき、(中略)『雰囲気を教えてくれ』ということを言われました」
 と一部の幹部らが小沢氏の立件に積極的だったと証言した。

 検察審査会で出された「強制起訴」という民意が検察によって仕組まれたものだとしたら−−。

「石川氏の録音記録がなければこの問題は発覚すらしなかった。虚偽の報告書作成は検察内で日常的に行われていた可能性もある。外部の人間も入れて経緯や背景を徹底的に調査すべきです」(江川氏)

 報告書だけではない。江川氏はこの裁判で、検察の公平性や捜査のあり方そのものが問い直されていると指摘する。

「石川氏らの裁判で、裁判所は石川氏が土地の登記と代金支払いの時期をずらしたことについて合法と認識していたことは『はなはだ疑わしい』と認定しました。しかし、この裁判で出廷した不動産業者の証言から、代金支払いと登記をずらすことを提案したのは石川氏ではなく、不動産会社だという事実が明らかになった。検察がいかに都合のいい証言や証拠だけをつまみ食いして事件をつくってきたかが露呈しました」

 最高検察庁はこの裁判をどう受け止めているのか。質問状を送ったが、「公判継続中の事件であり、指定弁護士の活動に影響を与える可能性もあるのでお答えできない」との回答だった。

 だが、組織的に報告書が捏造されていたとすれば、もはや一検事の「暴走」ではすまない。いち早く真相を調査し、究明するのが信頼回復への近道だ。  (本誌・大貫聡子)

 検察の横暴には、以下のような石川衆院議員秘書への人権無視のひどい取り調べも明らかになった。もちろん、これも大マスコミは沈黙である!

◆東京地検特捜部は石川議員の女性秘書を監禁し「そんなに人生甘くないでしょ」と言い放った

 このように、村木局長事件における前田検事の証拠改ざん(フロッピーの日付改ざん)の比でない調書の捏造までしていた小沢事件における東京地検特捜部だが、ここに及んでも大メディアは、上記の捏造事件ですらたいした記事に扱わなかった。

 上記の日刊ゲンダイと週刊朝日は、大マスコミと一線を画して当初から一貫して小沢事件を事実報道してきた非常に貴重なメディアである。また東京新聞も東京地検特捜部の記者クラブ出入り禁止となってまで取材をしていることを賞賛したい!

 そして、この場に及んでも集団ヒステリー状態のマスコミは東京地検特捜部や東京第五検察審査会のあり方そのものを批判することなく、小沢氏への一方的な名誉毀損的報道をつづけてきたのである。

 本来、マスコミが社会の木鐸として行うべきは、厚生労働の村井局長事件で明らかになった大阪地検特捜部における前田検事の証拠改竄事件で明らかになったように、検察のあり方そのものではなかったのか? もっぱら、今の日本では「社会の木鐸」という言葉は死語であろう!

●そして迎えた小沢無罪判決

 そして迎えた2012年4月26日、小沢裁判で東京地裁は小沢氏に無罪を言い渡した。

 しかしどうだろう、新聞、テレビはまたしても集団ヒステリー状態となってしまった! しかも一段とその集団ヒステリー状態はボルテージを上げている!
 
 そもそも、マスコミ、とりわけTBSや毎日新聞が水谷建設からの小沢氏への裏献金問題を小沢問題の本筋と見立てたとしても、結局、裏献金の見込みは大きく別件でやらざるを得なくなった事件である。

 本来なら、裏献金の事実がないとわかった時に司法もマスコミも撤退すべき事案であったはずだ。これについて、例の前田元検事は「検察の一部幹部の妄想」であり、東京地検特捜部の妄想による見込捜査の大失態が、ここまで問題を大きく混乱させてしまったといえるわけだ。

 だが、TBS、毎日新聞に限らず大マスコミは、妄想と小沢氏を敵視する感情によって妄想が消えた後、検察の動きをまともに追求できなかったといえるのではないか。

 さらに以下の記事にあるように、自民党や石原東京知事らは、もやは常軌を逸した集団ヒステリー状態に陥っている。まさにアタマは大丈夫かなのである!

◆自民党の支離滅裂と右往左往に見る 小沢一郎の巨大存在感
日刊ゲンダイ2012年4月27日掲載

 アタマは大丈夫か、自民党は――。小沢無罪判決に驚いて、谷垣総裁と石原幹事長が「徹底して説明責任を求めていく」などと証人喚問を要求していたが、今後の戦略があるのか。

 ある古参議員が笑う。

 「ウチは野田政権を追い詰めて、早期解散にもっていくのが戦略。どこかで内閣不信任案を出すことになるが、その場合、小沢グループの力を借りないと数が足りない。解散に追い込めない。それなのに小沢が嫌がる喚問を要求してどうするの?」

 自己矛盾というか、支離滅裂だ。

 かといって、小沢の復権を見過ごすわけにもいかないのが自民党だ。26日、自民党最後の首相・麻生がテレビで口をひん曲げて小沢を批判していた。これに象徴されるように、自民党は小沢が怖くてしょうがない。自民党組織をズタズタにし政権交代の土台をこしらえた小沢の腕力、知恵が脅威なのだ。

 菅や野田政権のレベルなら、どうにでも揺さぶれるが、小沢が復権して民主党をまとめてしまったら逆に手を突っ込まれ、次の政権交代も遠のく。それで民主党内で小沢を孤立させ、野田に小沢切りさせようという魂胆である。だが、野田が無罪の小沢を切れるワケはないし、証人喚問要求で突っ張っていたら、時間だけがダラダラ過ぎていき、何の手も打てなくなってしまう。

 小沢無罪によって完全に手詰まりに陥った自民党。小沢の巨大な存在感だけが際立つのだ。

◆石原知事、小沢メッタ斬り!限りなく黒い政治家 (zakzak) 
 2012.04.28 夕刊フジ

 東京都の石原慎太郎知事(79)が、「陸山会事件」で無罪判決を受けた小沢一郎民主党元代表(69)をめった切りした。判決について「灰色、それも限りなく黒に近い」と断じ、連携する可能性を完全否定したのだ。小沢氏については無罪後の世論調査でも9割近くが「説明不足」と指摘している。復権への道のりは、果てしなく、険しい。

 石原氏は27日、都庁での定例会見で、小沢氏の判決について「限りなく黒」と一刀両断した。

 そのうえで、「彼に関する金銭のヤマはもっと大きなものがあるんじゃないか。インフラ整備のための贈収賄なんて、(授受した)双方が同じことを言わないと絶対に立証できない。だから彼に関する金銭の疑惑はもっとベラボーなものがあるんだろうが、これはらち外なものになっている」と小沢氏の「政治とカネ」にまつわる独自の見解を披露。「4億円といったって、われわれにしたら大金だが、彼にしたらチャチな問題だったのではないか」と続けた。

 石原新党について亀井静香衆院議員が小沢氏との連携を模索したとされる点については、「亀井くんには、ちょっとでも小沢の影が差してくるなら話に乗らないよ、と言っている。晩節を汚す。何を勘違いしているのか知らないが、国民だってそっぽを向くよ」と完全否定した。

 実際、読売新聞が26、27日に行った世論調査では、小沢氏は説明責任を「果たしていない」とする回答が87%にのぼった。また、小沢氏は公判中、政治資金収支報告書について「秘書に任せていたので見たこともない」と述べていたが、86%が政治家の責任を厳しく問えるよう政治資金規正法を「改正すべき」と答えていた。

 野党は小沢氏の道義的、政治的責任を追及するため、国会での証人喚問を求めており、こうした世論は追い風だ。小沢氏が離党した場合の連携相手と想定する、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」も、松井一郎幹事長が連携を否定した。

 さらに民主党内では、小沢氏の党員資格停止を解除するか否かが、抗争の火種になっている。小沢氏に立ちはだかる障壁は多い。

つづく