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2014 嬬恋・長野原・中之条の春(1)
Spring of Tsumagoi, Naganohara and Nakanojo in Gumma Pref.
青山貞一 Teiichi Aoyama
池田こみち Komichi Ikeda
鷹取敦 Atsushi Takatori

May 15, 2014
Alternative Media E-wave Tokyo
無断転載禁

 今年のゴールデンウィークは、5月2日〜8日までだったが、いつものように群馬県西北部にある環境総合研究所の別荘(保養所)を拠点に、7日〜8日は栃木県の日光市足尾町や栃木市藤岡町まで足を伸ばした。場所は浅間高原のど真ん中にある。

 下の写真は研究所の別荘(保養所)を写したものである。中古で購入したものだが、建築当初からすると築26年目になる。この冬はいつにない大雪で設備破損などを心配していたが、まったく異常なかった。


環境総合研究所北軽井沢保養所
撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)

 1200m近い標高がある浅間高原にはまだ春は来ていなかった。山桜も咲いていなかった。しかし、標高が600−800mの地点ではすでにサクラが満開、他の春の花も競って咲いていた。


環境総合研究所北軽井沢保養所
撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)

 いつも金曜日深夜に到着し、翌日朝に近くにある鎌原観音にお参りに行く。下は行く途中で撮影した写真だ。この時期、群馬県北西部一帯に黄色い花をもつレンギョウとスイセンが咲く。


撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)

レンギョウ(連翹)は、広義にはモクセイ科レンギョウ属(学名: Forsythia)の総称(それらから品種改良で作られた園芸品種をも含める)。狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 Forsythia suspensa の和名を指す。一般には広義の意味で称されることが多い。属名の Forsythia は、19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた園芸家ウィリアム・フォーサイス(William A. Forsyth、1737年 - 1804年)に因む。

  出典:Wikipedia

スイセン属(スイセンぞく、学名: Narcissus)は、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)の属のひとつ。この属にはニホンズイセンやラッパズイセンなど色や形の異なる種や品種が多くあるが、この属に含まれるものを総称してスイセンと呼んでいる。狭義には、学名 Narcissus tazetta や、その変種であるニホンズイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)をスイセンということも多い。
  出典:Wikipedia

 下は5月3日に撮影した鎌原観音である。午前9時過ぎに行ったが、すでに観光バスが来ていた。江戸時代の天明3年に浅間山が大爆発したとき、下の写真にある階段の最下段まで登れた村民は助かったそうだ。


鎌原観音堂
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 浅間山が大爆発し、下の写真の赤い橋より下側はすべて灰などで埋まっているが、当時、この観音に逃げ込んだ100名弱の村民が助かったということで、今でも写真右上にある茅葺き・囲炉裏つきの家には、鎌原地区のお年寄りが毎日、輪番制で参拝客の世話をしている。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は鎌原観音堂の石観音像。よく見ると、文化年間の物であることが分かる。文化は1800年代はじめの江戸時代の年号である。


鎌原観音堂の可愛らしい石観音像
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


鎌原観音堂の可愛らしい石観音像
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 この時期、鎌原観音には、シラネアオイが咲く。今年も下の写真にあるように、可憐な花を咲かせていた。

シラネアオイ(白根葵、学名:Glaucidium palmatum)は、キンポウゲ科(シラネアオイ科として分けることも多い)シラネアオイ属の多年草の一種。深山の植物。日本固有種の1属1種である。北海道から本州中北部の日本海側にかけての山地帯と亜高山帯のやや湿り気のあるところに分布している[2]。高さは20-30 cm。花期は5-7月頃。花弁はなく、7 cmほどの淡い紫色の大きな萼片が4枚あり、大変美しい姿をしている。和名は、日光白根山に多く、花がタチアオイに似ることからシラネアオイ(白根葵)と名づけられた。別名で「山芙蓉(やまふよう)」、「春芙蓉(はるふよう)」ともいう。
  出典:Wikipedia


シラネアオイ
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


シラネアオイ
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 鎌原観音にお参り後、私達は近くにある常林寺に行った。これも As usual である。鎌原観音から常林寺に行く途中、雲も、霞もなく綺麗に白根山が見えた。白根山は、標高約2160mのフラット・マウンテンである。 過去、何10回もこの道は通っているが、こんなに綺麗に白根山が見えるのは珍しい。おそらくこの時期の快晴時だけかも知れない。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

草津白根山(くさつしらねさん)は、群馬県吾妻郡草津町に位置する、標高2,160mの活火山。本来は白根山が正式名称であるが、他の白根山と区別するため、草津を配して呼ばれる。また、近隣の逢ノ峰と本白根山を含めた三山の総称とすることもあり、この場合は標高2,171mの本白根山が最高峰となる。一つの火山の山体として捉える際は後者の考え方をとる。 出典:Wikipedia

 常林寺も、天明3年の浅間山大爆発した時に、元々あった場所の寺は火砕流などで全滅し、現在の場所に移っている。


常林寺のサクラ
撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)
 
 浅間山大爆発は、天明三年七月八日、大噴火は一時に多くの火砕流とともに大量の土砂を押し流し、山麓からさらに大量の泥流となって瞬時に村落を埋め人馬家屋田畑を諸ともに吾妻川に押し出し 利根川に合流して太平洋に運び去ったと、この寺の天明浅間押し二百年記念碑にある。

 その結果、浅間山山麓から吾妻川沿岸まで流死者は千五百人を数え、内當寺から附与した流死者戒名数二十ヶ村千余名に及ぶとある。下は寺から戒名を付与した村別の死者数であるが、鎌原村が477名と群を抜いて多いことが分かる。

天明浅間押し二百年記念碑

 時に一七八三年、天明三癸卯の歳七月八日、浅間山の大噴火は一時に多くの火砕流を急速に押し出し 山麓からさらに大量の泥流となって瞬時に村落を埋め人馬家屋田畑を諸ともに吾妻川に押し出し 利根川に合流して太平洋に運び去った。

 この浅間山山麓から吾妻川沿岸の流死者千五百人を数え内當寺から附与した流死者戒名数二十ヶ村千余名に及ぶ。

 さらに 噴火に伴う冷害等異常気象は前後数年に亘り、全国に及び為に天明飢饉の餓死者数十万に達すると言われ 史上最大の天変地異の災害を齎(もたらした)した。

 當山常林寺にあっては狩宿村黒源宅に斎出向中の歓鳳住職と田代村に檀用泊まり込みの龍道僧を残し、折しも吾妻川から逆流した浅間泥流によって留守居の六人と川向う大地にあった堂宇一切を奪い去り全村流出の小代 小宿両村と命運をともにした。

 斯くて今井村仮寺から二十余ヶ村檀信徒の汗血を注いだ伽藍再建の熱願みのる文政年間まで四十余年の苦難の歩みを辿った。

 明治四十三年水害後の川原畑吾妻川底に龍頭を失った光る梵鐘を発掘して唯一の災害物証を挙げ近くその龍頭も二百年後の現世にまみえるとか。

 今や天明浅間押し以来 二百年を数える豊かな昭和の代を迎えここ小宿川のほとり常林禅寺門前に泥流に流れ去った三原谷三十四番霊場第六番穴谷観音を再興し この日開眼法会を挙行して諸精霊の供養に捧げ 永久に天地の安泰を冀(こいねがう)う。

龍燈山 常林寺 三十世 邦 光 代

◆當寺より戒名を付与した村別流死者戒名数

 鎌原村  477
 寺 中    6
 小代村   17
 小宿村  131
 芦生田村 115
 袋倉村  17
 古森村  14
 今井村   3
 石津村   1
 今宮村   3
 半出木村 44
 赤羽村  16
 中居村  11
 門貝村   3
 干又村   1
 西久保村 55
 大前村  36
 羽尾村   5
 熊谷村   6
 狩宿村   7
 他

出典:龍燈山 常林寺 三十世 邦 光 代


天明3年(1783)の浅間山大噴火と鎌原村
上側にあるのが浅間山。下側が鎌原村
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10  2008.5
出典:鎌原村郷土資料館

 その常林寺の入り口近くに、すばらしい枝垂れ桜があり、今年も下の写真のようにすばらしいサクラの花を咲かせていた。


常林寺の枝垂れサクラ
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


常林寺の枝垂れ桜  すばらしいとしかいいようもないサクラだ
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


常林寺にて
撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)


常林寺にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

ユキヤナギ(雪柳、学名:Spiraea thunbergii)は、バラ科シモツケ属の落葉低木。別名にコゴメバナ、コゴメヤナギなど。春に小さい白い花を咲かせる。中国原産という説もあるが、日本原産であると考えられている。手を掛けなくても成長し、大きくなると1.5mほどの高さになる。地面の際から枝がいく本にも枝垂れて、細く、ぎざぎざのある葉をつける。花は、3月から5月にかけて、5弁で雪白の小さなものを枝全体につける。そのさまから和名がついた。公園や庭先でよく見かけるが、自生種は石川県で絶滅危惧I類に指定されているなど、地域的には絶滅が危惧されている。
 出典:Wikipedia

 本堂の前にすばらしいユキヤナギが咲いていた。


常林寺にて
撮影:鷹取敦  Sony DSC-HX50V)

 これもユキヤナギ。


常林寺にて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は常林寺のレンギョウ。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

 下は常林寺境内のムスカリである。この時期、このあたりどこにもムスカリが咲いている。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400

ムスカリ(学名: Muscari)はツルボ亜科ムスカリ属の植物の総称。狭義には、学名 Muscari neglectum をムスカリという。名の由来はギリシャ語の moschos(ムスク)であり、麝香のことである。花は一見するとブドウの実のように見えることから、ブドウヒアシンスの別名を持つ。一般的には球根植物。花色は鮮やかな青紫色だが、近年、白色、コバルト色なども見られる。花弁はあまり開かない。原産地は南西アジアあるいは地中海沿岸地方で、地中海沿岸が分布の中心。日本には30数年前ごろから市場に出回り、人気品種となって、各地の公園などでごく普通に見られる。
 出典:Wikipedia


つづく