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白物、デジタル家電製品
の価格実態
青山貞一
掲載月日:2012年9月19日
 独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁


 自分で基本設計し、一般競争入札して建築した今の小さな鉄骨ビル(東京都品川区)ですが、20数年間の建築当初に入れたエアコンが不調となり、ついに今朝おだぶつとなったので、さっそく新しい製品を入れることにしました。

●二重価格が常套化した白物・デジタル家電

 私自身はたとえば

・パソコンは、CPU(2500K)を使った最速PCも5万円以内でしか買わない、というより作らない!

◆青山貞一:最新CPUを使ってパソコンを自作する
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8005..html

◆青山貞一:@最新パソコンの性能と価格 version 1.1
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8003..html

 そもそも、パソコンの心臓部、CPU(中央演算装置)は、インテルとAMD社(いずれも米国)の2社が開発し、アジア諸国で生産していますが、「@最新パソコンの性能と価格」にあるように、現在売られている最新パソコンの場合でもCPU単体では1万5千円から2万5千円です。おそらく卸原価はその6−7割程度だろうと思われます。

 したがって、他の主要部品であるマザーボード、メインメモリー、ハードディスク、CD-DVDドライブ、電源、ケースなどを含めても十分5万円で組めるのです。

 まして、5000−6000円クラスのCPUを使えば、3−4万円台でも可能です。安いといっても5000−6000円台のCPU、たとえばG630やG650(いずれもPentium)は下の表にあるように、最新、最高性能のIntel Core i7 3770に比べても、半分の基本性能を持っているのです。

<主なIntel/AMD CPUのトータル性能比較>
CPU型番 総合性能 クロック 価格 青山使用
Core i7 3930K 3.2GHz 49,980円
Core i7 3820 15,000 3.6GHz
Core i7 2700K 14000 3.5GHz 26,734円
Corei7 990X 14000 3.5GHz 83,000円
Core i7 3770 14000 3.5GHz 24,500円
Core i7 2600K 13500 3.4GHz 23,145円
Corei7 970 13500 4.0GHz
Core i5 3570 13200 3.4GHz 17,500円
Corei5 2500K 13000 3.3GHz 17,000円
Core i5 3550 13000 3.3GHz 16,500円
Corei5 2500 13000 3.3GHz 16,400円
Core i5 3450 12600 3.1GHz 15,000円
Corei5 2400 12500 3.1GHz 15,100円
Corei7 960 11500 3.7GHz
Phenom II X6 1100T 11500 3.3Ghz 16,000円
Corei7 950 11000 3.6GHz
Corei5 2300 11000 2.8GHz 14,300円
Phenom II X6 1090T 11000 3.2GHz
Corei5 2500S 10500 2.7GHz
Corei5 750 10500 2.66GHz
Phenom II X4 975 10500 3.6GHz
Corei3 2120 10500 3.3GHz 11,500円
Corei5 2400S 10500 2.5GHz
Core35 550 10000 3.2GHz 9,850円
G860 10000? 3.0GHz 7,500円
Corei3 2100 9800 3.1GHz 9,400円
Phenom II X4 965 9800 3.4GHz
FX-6100 9600 3.3GHz
Phenom II X6 1055T 9600 2.8GHz
Phenom II X6 1045T 9400 2.7GHz
Corei5 2500T 9200 2.3GHz
Phenom II X4 955 9200 3.2GHz 9,500円
G850 9000 2.9GHz 7,200円
Athlon II X4 650 9000 2.9GHz
G840 8800 2.8GHz 6,640円
Athlon II X2 645 8800 3.1GHz
G6960* 8600 2.9GHz
Corei5 2390T 9200 2.7GHz
Phenom II X4 945 8400 3.0GHz
G630 8400 2.7GHz 6,400円
Phenom II X4 940 8400 3.0GHz
Athlon II X2 640 8400 3.0GHz
G6950 8200 2.9GHz
G620 8200 2.6GHz 5,400円
Phenom II X4 940 6800 2.4Ghz
Phenom II X2 620 6800 3.1GHz
Athlon II X2 255 6800 3.1GHz
Athlon II X2 250 6600 3.0GHz
性能比較の出典
http://maximums.gatt.nobody.jp/cpu.html
価格は価格コムなどを参考。性能は各種ベンチマークを総合化している。
*筆者現有PCのCPU、現在はG850に置き換えられている模様

 以下は筆者がここ数年愛用している Core i5 2500K のCPUを使った5万円台のパソコンである。これで福島第一原発事故時の3次元流体シミュレーションも行っている!


スーパーパソコンの心臓部(CPU:Intel Core i5 2500K、メモリー8GB)
    撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8


スーパーパソコン全容(CPU:Intel Core i5 2500K、メモリー8GB、HDD2TB)

・テレビに至っては、1万円のLGの液晶モニタ(23インチ)のデジタルBS/CS/地デジチューナ(バッファロー)の特価品を秋葉で購入、あわせて2万5千円です。さらにこのチューナには、PC用ハードディスクをつなぐだけでいくらでも録画ができます。妻はお店においてある同じもので録画しています。ハードディスクは私がPCで使った超古い250GB用をフォーマットして十二分に使っています。

◆青山貞一:超リーズナブルな我が家の地デジ対応ご紹介
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8001..html

◆青山貞一:すべてリユースで実現した高品質地デジ・BSシステム
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8051..html




撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8

 以下は池田こみちさんのご自宅。


左はパソコン、右が地デジ・BSAVシステムである。
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

・さらにアンテナは、以前から衛星系は屋上に自分で乗せていましたが、地デジ用は16素子のヤギアンテナの新品を4500円の特価品を購入、屋上から5m、つごう17mほどの位置にあげ、余った無線用同軸ケーブルで屋内6カ所につながる同軸ケーブルにコネクタにつなぎ、店をふくめ5カ所で見られます。


屋上(地上17m)に設置したUHFアンテナ
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8

・音響、ステレオ系は、趣味で昔からいろいろやっていますが、 秋葉で2チャンネル15ワットのアンプ+プリアンプ用LSIを2セット(1セット700円)で買い、本格メーカー 製品だと15万円以上するバイアンプを2台自作し、古いビクター、オンキョウなどの小型スピーカーを鳴らしています。

◆青山貞一:700円のLSIによる本格オーディオアンプの製作
http://home.b01.itscom.net/aoyama/ja1idy/aoyama-audio-col001.html

◆青山貞一:TDA2009×2 4チャンネル・バイアンプの製作
http://home.b01.itscom.net/aoyama/ja1idy/aoyama-audio-col002.html

◆青山貞一:オーディオ・コンポ使用雑感 意外な評価結果http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col18246.htm

 このように、ほとんどたいしたお金をかけてきませんでした。

●本体以外の工事、付帯設備、運搬等々で稼がれる

 今回、早速、価格コムのエアコンをみたら、パナソニック、日立など一流メーカー品、しかも2012年発売の6−7畳用節電エアコンが2万7千円から3万円であったので、さっそく価格コムにあった比較的近くのショップに電話しました。

 すると本体は廉価でも工事費はじめ室外機を屋上に運搬するだけで6000円など、何かにつけて次々に費用がかさみ、最終的に工事費用などが本体の3倍近くになりました。

 そこで次の別のエアコンショップに電話しました。

 既設機器の取り外し、運搬、リサイクル、新規工事(穴あけ、配管、取り付け、充填など)をふくめ全部で6万円程度のところがあり依頼しました。

 相当前から、日本の一流家電メーカーは、実質二重価格としていて、テレビでも地デジ騒ぎの時は、エコポイントなどのインチキで最近なら3−4万円で売っている東芝などの新型液晶テレビが15万円から19万円などでうられていました。

 私が大学にいたとき研究室用に購入した東芝のテレビは2TBのハードディスク付きで3万8千円でした。当時、2TBのHDDは1万6千円以上していたので、純粋にテレビだけだと2万円ちょいということになります。

 現在はそれでも液晶テレビは売れなくなり、サンヨー、シャープ、パナソニック、ソニーなどは大赤字決算、シャープが8000人、パナソニックが7000人規模のリストラとなっています。

◆シャープ、人員削減8000人超に=再建へ上積み−海外4工場の売却模索   時事通信 2012/08/21

 経営が悪化しているシャープが検討中の人員削減が、国内外で計8000〜1万人規模に上積みされる見通しとなったことが21日、分かった。 同社は不振のテレビ事業の立て直しを急いでおり、メキシコや中国など海外4工場の売却を模索。

 それらの売却に伴い、人員の圧縮も今月2日に発表した5000人規模から大幅に膨らむ方向だ。海外4工場のうち、メキシコと中国のテレビ組立工場を提携先の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に売却する方向で調整を進めている。

 両工場で働く計3000人強の従業員は鴻海に移し、固定費削減につなげたい考えだ。 残るポーランドとマレーシアの工場も鴻海などへの売却を検討中だが、交渉は難航しているもようだ。

●結局、かつての日本が欧米にしたようにアジア諸国に追い越されるはめに

◆青山貞一:自業自得、日本のデジタル家電業界の歴史的大赤字
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8077..html

 パナソニックは本社7000人を削減し100人で本社中枢機能をまかなうなどといっていますが、それでは今までそれらのひとたちは一体何を仕事にしていたのか??です。

◆驚愕! パナソニック 本社部門7000人から150人に削減
2012/8/2 日刊ゲンダイ 

"本社シンガポール移転"の準備なのか

 パナソニックが大胆な構造改革に動こうとしている。

 本社部門の意思決定を早めるため、現在の約7000人体制から一気に150人程度まで絞り込むという。ナント98%に迫る削減率だ。

「これまで数百人は残すといわれていました。それが150人とは驚(きよう)愕(がく)です」(電機メーカー関係者)

 パナソニックは、「具体的なことは決まっていない」(関係者)と言うが、津賀一宏社長は6月末の会見で、スリム化について「低収益事業を改善するため」と話している。本社に残るのは、経営企画や財務など経営戦略部門だけになりそうだ。

 経営学者の長田貴仁氏が指摘する。

 「150人はいかにも少ない。ただ、本社部門の“持ち株会社化”が念頭にあるとすれば納得できます」

 にわかには信じ難い見方も浮上している。本社機能の海外移転だ。

 「パナソニックの主戦場は市場が縮小する国内ではなく、中国やインドに移っています。日本に本社機能を置くより、海外に移転させたほうが効率もいい。すでにパナソニックは調達・物流本部を本社のある大阪からシンガポールに移しています。登記上の本社は大阪に残しても、本社機能を丸ごとシンガポールに移転させる。7000人から150人への削減は、それを睨んだ動きとみることもできます」(業界関係者)

 シンガポールは英語圏。“世界本社”を置くにはピッタリだ。近い将来、パナソニックの社長室はシンガポールなんてことになるかもしれない。


 まぁ、かつて日本が欧米の家電業界にしていたことを現在、中国、韓国、台湾、香港がしている訳なので何ともいいようがありません。

 技術などといいますが、私が現在、独立系メディアで使っているフルハイビジョン対応のビデオカメラは、中国メーカ直販のものを日本でかうと8000円、同じものを日本のヤシカが売ると2万5000円程度です。両方を持っているので間違いありません。

◆青山貞一:デジタルビデオカメラ−SDHCで軽量・省エネ・価格革命
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col12181.htm



◆青山貞一:ユーザー無視で暴利のIT家電〜デジカメ・バッテリー編〜
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col12382.htm


●日本製(Made in Japan)が聞いてあきれる

 周知のように現状では、日本製が聞いてあきれます。たとえばパソコンを例にとっても、肝心なCPU(中央演算装置)、ハードディスク、メモリー、マザーボードどれをとっても米国で設計し、アジアなどで製造したものばかりです。肝心なウィンドウズの生産もシンガポールなどで行っています。ウィンドウズの生産とは行っても、ただマザーからコピーするだけですが、マイクロソフト社はそれすらアジア諸国でやっています。

 日本製といえるのは、ぜいぜいケースと電源くらいでしょうか?

 最高品質の部品を秋葉や通販で購入し、自分で組み立てる(といってもつなぐだけ)で完成するBTOパソコンは、日本大メーカーが売っているPCの半分以下でできます。

 それらの部品を買いたたいてかき集め、組み立てるだけ、その組み立てすら、大メーカーは日本でなくアジア諸国でやっているしまつです。

 日本メーカーといっても大部分はアジア諸国でつくられています。昨年末、タイの大洪水によって日本で売られる内蔵ハーでディスクが3倍まで跳ね上がりました。日本国内ではほとんどHDDは作られていないことがこれでばれました。昨日、自分のBTOパソコンのためにツクモに発注した2TBのHDDは、7000円台まで下がってきました。

◆青山貞一:Dタイ大洪水の思わぬ影響〜HDDが3倍に暴騰 
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col8008..html

 これが現実なのです。日本の消費者がもうすこし賢くなり、日本製品ブランドへの鵜呑度に目覚めればいい物をやすく購入できます。

 価格コムはじめインターネット検索によってあらゆる物の品質、値段、ショップ、販売形態がすぐに明らかになり、どこにいようと同じ物が手に入る時代になりました。

 過去、どれだけ余計なお金を家計にかけていたか、それで日本のGDPに寄与していたかと思うと、ゾーッとします。

 民主党になってからトヨタとパナソニックに象徴される自動車と家電業界にひとかたならぬ税金、公金の肩入れをしていましたが、消費者が賢くなればこれがいかに詐欺行為に類するものであるか分かるはずです。

 以下は2007年と2012年1〜3月期の液晶テレビのシェアを示している。すでに韓国勢が1位、2位、さらに3位にいるソニーも、肝心な液晶部分を韓国のサムスン電子に大きく依存しているので、3位も実質韓国と言うことになります。




●再生可能エネルギー製品でも談合の可能性大!

 さらに、自然エネルギー、再生可能エネルギーがブームとなっていますが、この分野でも同じです。

 その昔、15年以上前、日本政府がメーカーと消費者双方に補助金を出し太陽光パネルの販売促進をしていました。当時、私は米国の太陽光パネルメーカーから日本に平行輸入したところ、国の補助をもらい購入する場合に比べ、同一の資金で2倍のKW数のパネルが買えました。

 ここでも国とメーカーと代理店による価格調整があったと推察しています!

 これについては、以下を参考にしてください。

◆鷹取敦:環境にやさしい太陽光発電〜その期待と課題〜(ぎょうせい晨・1995.5)
http://www.eforum.jp/ashita/ashita-forum1995-05-takatori.pdf

 以下に価格コムとECナビをリンクします。ECナビには、青山研究室にいた優秀な学生が就職しています!

  価格コム  ECナビ