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   東マレーシア・サバ州現地調査

キナバル山麓へ
Foot of Kinabalu Mountain

青山貞一 Teiichi Aoyama
池田こみち Komichi Ikeda

掲載月日:2015年2月13日
独立系メディア E−wave Tokyo


<全体目次>



 1月31日 成田→コタキナバル(東マレーシア・サバ州)
 2月 1日 〜 2月4日 現地予備調査
    1日 熱帯雨林自然保護区野生生物観察
    2日 ボルネオ島最北部クダッ現地視察
    3日 キナバル山麓、キナバルパーク現地視察.......●
    4日 コタキナバル市内視察
 2月 5日 コタキナバル→成田


 2015年2月3日、今日もあまり天気はよくないようです。いつものようにホテルで朝食、今日はホテルの真東にあるキナバル山麓(Foot of Mt.Kinabalu)の現地調査に行きます。

 下の写真はキナバル山に向かう途中、道路のロータリーにあったツナだかカジキマグロののすばらしい彫像です。


コタ キナバル (トリップアドバイザー提供)

 キナバル山はボルネオ島の北部に位置し、標高は実に4095mもあります。キナバル山は東南アジアで最も標高が高い山として知られています。 

 下は、ホテルから車でキナバル山麓に向かう途中の道路から撮影したものです。山頂はまるで群馬県の妙義山系のようにギザギザしておどろおどろしく見えます。しかも天気が悪く曇っているのでなおさらです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-2-3

 下はコタキナバルから遠望したキナバル山です。


This photo of Borneo is courtesy of TripAdvisor

 下は動画です。


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


0249 動画撮影:青山貞一   2015-2-3

 サバ州の州都、コタ・キナバルの地名は、このキナバルから来ています。コタ(Kota)は町を意味するので、キナバル山のあるまちということになります。

 真冬のこの時期、雨、霧が多く登山はできませんが、世界遺産にもなっているキナバル山の山麓を現地視察するとともに、キナバル山麓を越えたさらに行ったところにあるサンダカン近くまで行くのがこの日の目的です。

 それを空港からホテルに送ってくれたガイドさんやクダッから来ているホテルの料理人に話したら、それならぜひキナバル山の東側麓にある温泉(現地語でポーリング温泉)にも行ったらとアドバイスしてくれました。

 今回、私達が現地予備調査の拠点としたのは、コタキナバルの北40kmほどにあるリゾートホテルですが、そこからキナバル山麓の奥まで1時間半ほどかかり、何度も標高1000−1300mの峠を車で走行することになります。


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


動画撮影:青山貞一   2015-2-3


動画撮影:青山貞一   2015-2-3

 実際標高が高くなると、途中、10m先も見えなくなるほど雲や霧が何カ所かで発生しており怖い思いをしました。

 下はボルネオ島の地図です。日本全体の1.5〜2倍の広さがあるようです。キナバル山は北側の標高の色が黄色なので重なって見づらいのですが、印の位置にあります。


ボルネオ島の標高地図(地形図)   出典:Wikipedia

 以下はキナバル山の概要です。キナバル山麓には、熱帯雨林があり、そこには世界でも有数の生物多様性に富み、6000種以上の植物と100種以上の哺乳類が確認されているそうです。

 キナバル山の名前の由来は諸説あるようですが、アキ・ナバル(祖先の霊る山)がなまってキナバルになったという説が有力とのことです。

◆キナバル山概要
 (マレー語: Gunung Kinabalu, 英: Mt.Kinabalu)

 キナバル山は、ボルネオ島北部、マレーシア領のサバ州にある山である。標高 4,095.2mはマレーシアの最高峰です。

 キナバルとは、マレー語でキナは中国、バルは未亡人の意味。キナバル山付近には、中国の王子とその未亡人の伝説も残っています。広東の漁師兄弟が台風で遭難、当地に漂着し、現地妻を娶った後、兄がホームシックで北上航海に出ましたが その後音信が途絶え、現地に残された妻がこの山にのぼってマレーへ帰る船影をさがしたという伝説も伝わっています。

 実際にはアキ・ナバル(祖先の霊る山)がなまってキナバルになったという説が有力です。


Amazing Borneo Tours - Day Tours (トリップアドバイザー提供)


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor


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 1851年、プラントハンターのヒュー・ローによって初登頂を果たされました。
 
 キナバル山域は、キナバル自然公園として、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されていおり、キナバル山のあるサバ州の旗には、キナバル山が描かれています。



出典:Wikipedia

 地質から見たキナバル山は以下の通りです。

◆キナバル山の地質

地質

 1千万年前に溶岩が固まって現在のキナバル山が造られました。溶岩は花崗閃緑岩で、地下深部から超塩基性岩や堆積岩を貫いて上昇しています。上昇に伴い山体が大きく変形しました。中腹に蛇紋岩が存在しています。

 1万年前までの氷河期には山頂付近に氷河が存在し、花崗閃緑岩を削り滑らかな岩肌にしたと考えられます。山は現在でも1年に5o隆起しています。


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出典:Wikipedia

 このキナバル山域は、キナバル自然公園として、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されており、山好き、自然好き、野生生物好き、さらに熱帯雨林マニアの垂涎の的となっています。

 たとえば、Wikiを見ると、「コタ・キナバル発で、3,400m付近の山小屋に1泊。翌日早朝に登頂してご来光を拝み、その日の内に下山する1泊2日の登山ツアーが一般的である。登山に当たり高度は高いが技術的に難しい所は無い。2004年現在、入山届提出、入山料の支払いおよびガイドの随行が義務化されている。また、下山時に公園事務所で登頂認定書を有料で発行してもらうことができる」とあります。

 この公園事務所には私達が通ったキナバルパークから登山することになります。ただし、季節は5月から7月が最適とのことでした。

 キナバル峠(Kinabalu pass)には、沿道に地元の売店、食堂的なものがありますが、いずれもコタ・キナバルとサンダカンを結ぶ物流を担う大型トラックの運転手用のもののようでした。

 ところで、キナバル山への登山は、世界的にも有名となっており、毎年世界中から多くの登山家が登っています。下は、登山についてのWikipediaの記述です。

◆キナバル山登山


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor

 コタ・キナバル発で、3,400m付近の山小屋に1泊。翌日早朝に登頂してご来光を拝み、その日の内に下山する1泊2日の登山ツアーが一般的です。

 登山に当たり高度は高いが技術的に難しい所はありません。
 
 2004年現在、入山届提出、入山料の支払いおよびガイドの随行が義務化されています。また、下山時に公園事務所で登頂認定書を有料で発行してもらうことができます。

出典:Wikipedia

 なお、上の記述にあるように、現在、入山届提出、入山料の支払いおよびガイドの随行が義務化されており、キナバル山にはガイドなしに一人では登れないことになっています。

 これについて個人で登山した日本人が以下のブログを書いていました。

◆キナバル山個人登山について

 誰でも登れるはずのキナバル山・・・
 登山部も登頂したのになんで私は登れない?〜個人で行く人必見!


 さて、ここからキナバル登山についていろいろ調べてみたら結構面倒である。勝手に登る訳には行かず事前に山小屋の予約などをしておかなくてはならない。

 山小屋を管理しているステラ・サンクチュアリ・ロッジ(SSL)のホームページから申し込もうとしたら、殆ど予約で埋まっていて取れそうにない。これは旅行代理店が事前に押さえてしまうからのようで、キナバル登りたいなら旅行代理店に頼みなさいとの陰謀のようである。

 因みに現地代理店に申し込んでみたら、2泊3日の市内からの送迎が付いてのセット料金が1500RM(4万2千円)だった。(注:現在は35円近いので52500円)

***********************************************
 <お1人様参加 2泊3日キナバル登山ツアー>
お1人様RM1500 *現在1RM=約28円(注:現在は35円近いので52500円)
コタキナバルからキナバル公園までの往復送迎(混載)、入園料、保険料、証明書、登山許可、山ガイド、1泊本部本部ホステル、1泊山小屋ラバンラタ、1日目;夕食、登山当日;お弁当、夜/朝(山小屋)、下山後昼食(公園本部)=計6食 全て英語ガイド、混載(プライベートではありません)のツアーとなります。
************************************************

出典:http://4travel.jp/travelogue/10538971

 かなり円安となっている2015年2月時点でも、成田からコタキナバルまでは格安航空券が3万円弱であり、マレーシア航空の直行便+かなり上位のホテル4泊のツアーでも5万円台であることからすると、キナバル山登山ツアーが52500円かかるのは??と思えます。

 ただし、現在の日本各地の山岳登山の実情を見ると、以下に示す入山許可費、各種保険料金、ガイド料金、ポーター料金などの登山者への義務づけは大いに見習うべきことかも知れません。また訪問証明書、登山証明書などが有料で発行されているのも良いと思います。

 なお、各種費用はマレーシア人と外国人で3倍から10倍の差が付けられています。またポーター費用は、持参する荷物の重量毎に異なっています。これはこの後、行くキナバル・パークの一部として運営されていますポーリング温泉でも同じで、マレーシア人がRM3(約100円)なのに対し、外国人はRM15(約500円)となっていました。

 これは温泉に入るための費用と言うよりは、下の表にありますの費用と言うよりは、下の表にあります環境保全のための維持管理費のためのドネーション(寄附)の性格をもった費用と言えます。

 なお、以下の料金表には日本の山小屋宿泊・食事料金が含まれていません。それらは宿により異なりますが、1泊食事付きで日本円にして8000円程度がかかるようです。さらに、コタキナバルからの送迎費用は別途かかります。

 参考のため、後述しますキナバル・パーク、キナバル登山、ガイド、ポータなどの料金表を以下に示します。

アクティビティー&料金表

場所

詳細

価格

Kinabalu Park

環境保護費(1名につき)
§  大人
§  18歳以下

マレーシア人

外国人

RM 3.00
RM 1.00

RM 15.00
RM 10.00

ラフレシア・カンファレンスルーム(1日)

RM 250.00

多目的ホール
(1時間)

RM 50.00

世界遺産訪問証明書

RM 5.00

登山

許可証発行費 
§  大人(1名)
§  18歳以下(1名)

マレーシア人

外国人

RM 30.00
RM 12.00

RM 100.00
RM   40.00

保険(1名)
§  死亡の際
      RM 50,000

§  事故による永久的な障害を負った際
      RM 50,000

RM 7.00

登山証明書 
§ ファーストクラス
(カラー)
§ セカンドクラス(白黒)

RM 10.00
RM   1.00

ティンポホンゲートからマシラウゲートまでの
トレイル
(1名)

  • 大人
  • 18歳以下

Malaysian

Non-Malaysian

RM 5.00
RM 2.00

RM 10.00
RM   5.00

出典:サバ州観光局公式サイト

 以下はガイド料金です。

ガイド費用(2008年9月1日より適用) 

目的地

登山者の人数

費用(1日) (RM)

1. ティンポホン−頂上−ティンポホン

1-3
4-6

42.50
50.00

2. ティンポホン−頂上−マシラウ/
マシラウ−頂上−ティンポホン

1-3
4-6

47.50
57.50

3. マシラウ−頂上−マシラウ

1-3
4-6

47.50
60.00

4. マシラウ−キングジョージピーク
    (コタルスルート)

1-3 (ガイド1名)
4-6 (ガイド2名
7-8 (ガイド3名)

100.00 
(ガイド1名/1日)

5.キナバル山その他のピーク 
    (ウェスタン・プラトー)

セント・ジョーン・ピーク 
サウス・ピーク 
オヤユビイワ・ピーク 
セント・アンドリュー 
セント・アレキサンドラ 
ビクトリア・ピーク 
グルカ・ハット 
アグリー・シスター 
ドンキー・イヤー 
トゥンク・アブドゥール・ラーマン 
ロン・ツリー 
イージー・バリー

 

 


25.00
15.00
20.00
30.00
30.00
30.00
30.00
20.00
20.00
20.00
45.00
35.00

6. タブンユコン山 
(サブステーション・モンギス)

i. サブステーション−タンブユコン−サブステーション 
ii. アイール・タージュン・キクラッ
(オプショナル)

1-3

-

70.00

40.00

7. ナンブユコン山(サブステーション セリンシン、コタマルドゥ)

i. サブステーション−ナンブユコン−サブステーション
ii. サブステーション−アイール・タージュン・ミスンパッ−サブステーション 
iii. サブステーション−マカン・シ・グンティン−サブステーション
iv. サブステーション−バトゥ・レバ−サブステーション

1-8

1-8

-

1-8

60.00

60.00

20.00

20.00

出典:サバ州観光局公式サイト

* キナバル山登山の際(アイテム1−3)1名のマウンテンガイドにつき6名までの登山者をガイドできます。

ポーター費用(2008年9月1日より適用)

目的地

重量

費用 
1日(RM)

1. ティンポホン−ラバンラタ−ティンポホン

10kg

40.00

2. ティンポホン−サヤッ・サヤッ−ティンポホン

10kg

47.00

3. ティンポホン−サミット−ティンポホン

10kg

51.00

4. メシラウ−ラバンラタ−ティンポホン

10kg

45.00

5. マエシラウ−サヤッ・サヤッ−ティンポホン

10kg

50.00

6. メシラウ−サミット−ティンポホン

10kg

57.00

7. メシラウ−ラバンラタ−マシラウ

10kg

51.00

8. メシラウ−サヤッ・サヤッ−マシラウ

10kg

57.00

9. メシラウ−サミット−メシラウu

10kg

62.00

10. ティンポホンゲート−イースタン・リッジ

1kg

22.00

11. ティンポホンゲート−ロン・ツリー

1kg

17.00

12. ティンポホンゲート−イージー・バリー

1kg

16.00

13. ティンポホンゲート−グルカ・ハット

1kg

13.00

14. コタルスルート

10kg

72.00

15. サブステーション−ナンブユコン−サブステーション

10kg

37.00

16.サブステーション−アイール・タージュンミスンパッ−グア・カラワール−サブステーション

10kg

37.00

17. サブステーション−バトゥ・ペニャンガッ−サブステーション

10kg

37.00

18. サブステーション−タンブユコン−サブステーション
  (モンギス)  (モンギス)

10kg

43.00

*重量は、最高10キロまで。超過重量料金は、1キロごとに追加、金額は状況による。
(アイテム1−9&14−18)

<キナバル山登山、各種予約情報センター公式Web>

 Mount KInabalu com
 Official Mount Kinabalu Climb Booking & Information Centre
 Kinabalu Tour Guide com

 せっかくですので、以下にトリップアドバイザーの写真から世界各地から登山された方々が撮影したキナバル山の写真をお見せします。登山中の写真もあります。


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor


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サバ州 (トリップアドバイザー提供)


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor


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Amazing Borneo Tours - Day Tours (トリップアドバイザー提供)


This photo of Mount Kinabalu is courtesy of TripAdvisor


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Amazing Borneo Tours - Day Tours (トリップアドバイザー提供)


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つづく      <全体目次>