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サンディエゴ湾現地視察
   
@第3艦隊コロナド海軍基地

 
青山貞一 Teiichi Aoyama
     掲載月日:2010年12月13日
       独立系メディア「今日のコラム」

     無断転載禁
 
 沖縄県に行った人は誰もが狭い沖縄本島にいくつもの米軍基地、海兵隊基地が市街地に隣接して無造作に所狭しと立地されていることを知る。

 一方、米国本土の米軍基地、海軍基地はどのようなところに立地し、周辺市街地との関係はどうなっているのだろうかについてはほとんど知られていない。


 2007年11月、米国カリフォルニア州ロサンゼルス南部からサンディエゴ(San Diego)郡にかけて大規模な森林火災が起きた。たまたま森林火災の現地調査をする機会を得、1週間ほどサンディエゴに滞在した。

 サンディエゴといえば、知る人は知る米海軍の本拠地である。サンディエゴはメリーランド州のボルチモアなどと並ぶ米海軍の本拠地。 サンディエゴ港の対岸には、ポイントロマとコロナド(Coronado)があり、そのなかに米海軍第3艦隊や海兵隊の本拠地がある。そこでサンディエゴ在住の知人にお願いし、海軍博物館などを視察した。

 以下はサンディエゴ湾周辺を現地視察した概要である。


■サンディエゴの位置
 

 下の地図はサンディエゴの位置を示している。サンディエゴはメキシコとの国境線にあり、車で30分も南に走ればメキシコ国境に到着する。



米国西部地域とカリフォルニア州、サンディエゴの位置

 下図で赤い色の部分がサンディエゴ郡である。


カリフォルニア州におけるサンディエゴ郡の位置  赤い部分がサンディエゴ郡

 米海軍第3艦隊があるポイント・ロマ(Point Loma)とコロナドは、下のグーグルアース画像の右下の入り組んだ湾のなかにある。いうまでもなく、左側(東側)は太平洋である。一方、上側(北側)にはロサンゼルスがある。


グーグルアースによりサンディエゴ南部の沿岸域を望む

 
下図は、サンディエゴ港のウォータフロント部である。手前の半島(岬)はポイント・ロマ(Point Loma)といい、市民の憩いの場となっている。 そのポイント・ロマ岬とサンディエゴ港のウォータフロント部の間にある島状の地域がコロナドであり、島のように見える部分が米海軍基地ある。


グーグルアースで3次元展開したサンディエゴ港のウォータフロント部と coronado(島状になっている部分)

 
下図は、コロナド側(手前)から見たサンディエゴ港のウォータフロント部である。   


グーグルアースで3次元展開したサンディエゴ港のウォータフロント部
  
 
下図は米海軍第3艦隊や海兵隊があるコロナドである。コロナドとサンディエゴ市街とは橋でショートカット的に結ばれている。

グーグルアースで3次元展開した Coronado/Silver Strand

 下図はコロナドの拡大である。もともと島になっているコロナドのなかに海軍基地、2500mの滑走路2本、それに秀逸な低層住宅、ゴルフ場が2つある。

 これを見ると、沖縄の米海軍、海兵兵隊基地がいかに巨大であり、周辺市街と隣接しているかが分かる。米海軍の第3艦隊の島状のコロナドの中に滑走路、格納庫はじめ住宅までがすべておさまっている。それに対し、沖縄の場合は、沖縄本島全体が米軍基地化しているといっても過言ではなく、外延的に拡大していることが分かる。


グーグルアースで上空からみた Coronado/Silver Strand
    
 コロナド
には大小の滑走路があるが、その右半分は住宅地となっており、両者はゴルフ場で仕切られている。 以下に米海軍の世界配備状況と米国カリフォルニア州サンディエゴにある第3艦隊の概要について示す。



NAB Coronado Insignia



◆米海軍の艦隊配備

  • 第1艦隊 - 1946年結成。1973年に第3艦隊に統合され欠番。海軍が正式編成される1798年までアメリカ沿岸警備隊が合衆国初の海上部隊であった事に敬意を表し、同隊の非公式名称であった。
  • 第2艦隊 - 大西洋艦隊所属、大西洋海域を所管。旗艦:イオー・ジマ(USS Iwo Jima, LHD-7)、母港:バージニア州ノーフォーク。
  • 第3艦隊 - 太平洋艦隊所属、東太平洋および北太平洋担当。司令部:カリフォルニア州ポイント・ロマ海軍基地。旗艦:コロナド(USS Coronado, AGF-11)。
  • 第5艦隊 - 中央海軍所属、アラビア海などを担当。司令部:バーレーンのマナーマ。
  • 第6艦隊 - 在欧海軍所属、地中海担当。旗艦:マウント・ホイットニー(USS Mount Whitney, LCC-20)、母港:イタリアのガエッタ。
  • 第7艦隊 - 太平洋艦隊所属、西太平洋およびインド洋担当。旗艦:ブルー・リッジ(USS Blue Ridge, LCC-19)、母港:日本の横須賀。
米国海軍の世界配備
担当範囲(3F)2007年時点


Swastika Building US Navy Coronado San Diego

Complex 320-325, which is located at the Naval Amphibious Base Coronado and is surrounded by Bougainville Road to the north, Tulagi Road to the south, Eniwetok Road to the east, and ROI Road to the west, looks like a swastika when seen from above. The final look of the 6-building complex as seen from the air, was the result of an oversight by Navy planners at the time. A draft study conducted by the National Register of Historic Places noted that the shape of the six-building complex was simply an oversight that went undetected during the Navy’s approval process.


Swastika Building US Navy Coronado San Diego


米海軍第3艦隊 (アメリカ軍)

 第3艦隊(U.S. Third Fleet)は東太平洋を担当するアメリカ海軍の艦隊。司令部はカリフォルニア州サンディエゴ、ロマ岬の海軍基地に置かれている。本隊と第7艦隊によって米太平洋艦隊が構成される。

 東経160度線以東を担当。西側は第7艦隊の担当海域になる。第7艦隊や中東地域を担当する第5艦隊に空母を始めとする艦艇をローテーションで派出していて、派出された艦艇は担当海域によって第3艦隊から第7艦隊、または第5艦隊へ指揮権が移る。

沿革

 1943年3月のアメリカ海軍編成替えで、ウィリアム・ハルゼー大将の指揮する南太平洋部隊が改編されて、第3艦隊となる。

 太平洋戦争中、この艦隊をレイモンド・スプルーアンス大将が指揮する時には、第5艦隊と部隊名を変更する。

 太平洋戦争終結後の1945年10月7日に、一旦解隊される。

 1973年2月1日、太平洋艦隊の再編によりに復活し(この際に、1946年から存在した第1艦隊が統合された)、司令部はハワイ州のフォード島に置かれる。

 1986年11月26日には、司令部は陸上から旗艦「コロナド」(USS Coronado, AGF-11)へ移される。

 2003年9月に、司令部は旗艦コロナドからサンディエゴ、ロマ岬の海軍基地へと陸上に移される。


 第3艦隊は、所属任務艦隊(タスクフォース)により構成されている。第3艦隊隷下タスクフォースは30番台で表記された「CTF-3x」が付与されCTF(Commander, Task Force)付で呼ばれている。

第30任務部隊 (Task Force 30, CTF-30)
第3艦隊戦闘部隊 (3rd Fleet Battle Force)
第31任務部隊 (Task Force 31, CTF-31)
第3艦隊戦闘支援部隊 (3rd Fleet Combat Support Force)
第32任務部隊 (Task Force 32, CTF-32)
第3艦隊哨戒部隊 (3rd Fleet Patrol and Reconnaissance Force)
第33任務部隊 (Task Force 33, CTF-33)
第3艦隊兵站支援部隊 (3rd Fleet Logistics Support Force)
第34任務部隊 (Task Force 34, CTF-34)
第3艦隊潜水艦部隊 (3rd Fleet Submarine Force)
第35任務部隊 (Task Force 35, CTF-35)
第3艦隊水上戦部隊 (3rd Fleet Surface Combatant Force)
第36任務部隊 (Task Force 36, CTF-36)
第3艦隊上陸部隊 (3rd Fleet Landing Force)
第37任務部隊 (Task Force 37, CTF-37)
第3艦隊揚陸部隊 (3rd Fleet Amphibious Force)
第39任務部隊 (Task Force 39, CTF-39)
第3艦隊空母打撃部隊 (3rd Fleet Carrier Strike Force)


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  下の写真はポイントロマ公園の高台から見たコロナドの米海軍第3艦隊基地の滑走路である。


ポイントロマから見たCoronadoの米海軍第3艦隊基地
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S10  2007.11.22

 下はコロナドとサンディエゴ市街をショートカットで結ぶ橋である。


コロナドとサンディエゴ市街をショートカットで結ぶ橋
撮影:青山貞一 デジカメ Nikon CoolPix S10  2007.11.22



 下図は南側からみたコロナドである。米海軍第三艦隊は、コロナドのなかにすっぽり入っており、市街地とは海で隔てられていることが分かる。コロナドの北の岬がポイント・ロマであり、市民に公園として開放されている。


南側からみたコロナド

 コロナドの南半分には米海軍及び家族用住宅とゴルフ場などがある。よくみると、いずれもみどりのなかの一戸建ての住宅となっている。

 一方、Coronado/Silver Strand 地区は、カリフォルニア州の沿岸地域環境管理計画にあるように、Beautiful and pleasant residential community である。臨海の住宅地は下図にみるように景観上非常にすばらしい地域である。Silver Strand地区は、Coronado島から南に延びる部分の官民両用地域をさす。これらの地域のサンディエゴ湾側は主に海軍が利用している。

 もちろん、
コロナド基地の滑走路上をジェット戦闘機や大型輸送機などが離発着する有事あるいは演習時における航空機騒音という大きな問題はあるが、2つある滑走路の位置も住宅地上空を避けて立地されており、沖縄のように過密な市街地の上空を日常的に100デシベルを超す爆音で飛ぶことによる影響、被害はほとんどないものと推定される。またコロナドからサンディエゴ市街地へは橋でショートカットでき、コロナド南部地域はきわめて秀逸な住宅地そしてリゾート・リクレーション地域であると言える。


コロナド南部住宅地。自然海浜、マリーナ、ゴルフ場などもありさながらリゾート地である

 下図は、カリフォルニア沿岸管理計画の第9地域<San Diego City Bayfront>における土地利用ビジョン図である。


カリフォルニア沿岸管理計画の第9地域<San Diego City Bayfront
出典:カリフォルニア沿岸計画

 
下図は上図の凡例である。上から農耕地、森林資源、開発地/市街地、汽水域/沿岸に近い河川、沿岸道路を指す。
 

カリフォルニア沿岸計画における管理対象地図の凡例
出典:カリフォルニア沿岸計画(California Coastal Plan)
 

 とはいえ、以下は新聞記事にあるように、コロナド南部の戸建て住宅は、将校はじめ一定以上の幹部用の家族住宅であり、一般の水平らの住環境は劣悪であり、それが除隊の理由となっていると報じている。その結果、海軍はコロナド南部にある上のゴルフ場内に超高層の集合住宅を建設し不満を解消しようとしている。

◆日刊ベリタ:米水兵用の豪華高層アパート建設へ サンディエゴ、民間流出阻止狙い

 上記については、その後どうなったかを調査してみたい。



コロナドの南半分には米海軍及び家族用住宅とゴルフ場などがある

 下図は第3艦隊があるコロナドとサンディエゴ市街を結ぶCoronado-Silver Strandsである。下図ではコロナドからサンディエゴ市街にショートカットする橋が見える。また上記の海軍水陸両用基地(NAB)が住宅地とゴルフ場の南に見える。


Coronado-Silver Strands。太平洋側は秀逸な海浜となっている

 Silver Strand 地区には下の写真にある水陸両用の基地、The Naval Amphibious Base (NAB) Coronadoがある。


海軍水陸両用基地(NAB)

Naval Amphibious Base (NAB) Coronado


 The Naval Amphibious Base (NAB) Coronado is located just across tha bay from San Diego, CA. The base is situated on the Silver Strand, between the San Diego Bay and the Pacific Ocean. NAB Coronado is a major shore command, supporting 27 tenant commands, and is the West Coast focal point for special and expeditionary warfare training and operations.

 The amphibious base houses Commander Naval Surface Force, US Pacific Fleet, responsible for the training, maintenance and crews of the approximately 90 ships of the Pacific Fleet and Commander Naval Special Warfare Command, US Pacific Fleet. Also located there are most of the Naval Expeditionary and Naval Special Warfare units of the Pacific Fleet as well as the famed Navy Parachute Team, the Leap Frogs.

 The Naval Amphibious Base was renamed in 1946, although it had been in operation as the Amphibious Training Base since 1943. It is host to thirty commands including the headquarters for the Naval Special Warfare Command, a second echelon command which is he adquarters for America's elite maritime special operations forces - the
U.S. Navy SEALs and Special Warfare Combatant Craft Crewmen.


海軍水陸両用基地(NAB

 なお、カリフォルニア沿岸計画では、太平洋に面するSilver Strand 地区の海浜(Beach)は市民公園など非軍事的利用を拡大すべきであるとしており、実際の土地利用計画でも軍民の両方でリクレーション的な土地の利用を増大している。同計画では Coronado/Silver Strand 地区において州の公園用地の保有を北南それぞれの地区で拡大することを勧告している。

 たとえば、下図は2002年に開催されたハーフマラソンの案内である。この市民マラソンでは、スタート地点がコロナドにあり、終点がImperial Beechとなっている。延長21kmあるが、その大部分は太平洋に面する自然海浜に併走する州道75号線であり、リクレーション的な土地の利用を意図していることが分かる。



2002年に開催されたハーフマラソンの案内

◆サンディエゴ湾奥の米海軍基地

 一方、サンディエゴ湾奥の陸側のウォータフロントには、下図のように米海軍の港湾施設が整備されている。  




サンディエゴ湾奥沿岸部にあるl海軍基地母港


サンディエゴ湾奥沿岸部にあるl海軍基地母港

 サンディエゴ湾の沿岸部にある
l海軍基地は米海軍第3艦隊の母港となっており、太平洋艦隊司令部があり、54艘の戦艦など船、20,000以上の海軍と6,000人以上の海軍に関連する民間人がいる。


 以下は、2009年12月現在のサンディエゴ湾を母港とする海軍関連の船の一覧である。

Homeported Ships(As of December 2009)
Destroyers Amphibious
USS John Paul Jones (DDG-53)
USS Benfold (DDG-65)
USS Milius (DDG-69)
USS Decatur (DDG-73)
USS Higgins (DDG-76)
USS Howard (DDG-83)
USS Preble (DDG-88)
USS Pinckney (DDG-91)
USS Halsey (DDG-97)
USS Kidd (DDG-100)
USS Gridley (DDG-101)
USS Sampson (DDG-102)
USS Sterett (DDG-104)
USS Dewey (DDG-105)
USS Stockdale (DDG-106)
USS Wayne E. Meyer (DDG-108)
USS Peleliu (LHA-5)
USS Boxer (LHD-4)
USS Bonhomme Richard (LHD-6)
USS Makin Island (LHD-8)
USS Cleveland (LPD-7)
USS Dubuque (LPD-8)
USS New Orleans (LPD-18)
USS Green Bay (LPD-20)
USS Germantown (LSD-42)
USS Comstock (LSD-45)
USS Rushmore (LSD-47)
USS Pearl Harbor (LSD-52)
Cruisers Frigates
USS Bunker Hill (CG-52)
USS Mobile Bay (CG-53)
USS Antietam (CG-54)
USS Lake Champlain (CG-57)
USS Princeton (CG-59)
USS Chancellorsville (CG-62)
USS Cape St. George (CG-71)
USS Jarrett (FFG-33)
USS Curts (FFG-38)
USS McClusky (FFG-41)
USS Thach (FFG-43)
USS Rentz (FFG-46)
USS Vandegrift (FFG-48)
USS Gary (FFG-51)
Cutters Littoral Combat Ship
USCGC Hamilton (WHEC-715)
USCGC Chase (WHEC-718)
USS Freedom (LCS-1)
Mine Counter Measures
USS Sentry (MCM-3)
USS Champion (MCM-4)
USS Devastator (MCM-6)
USS Pioneer (MCM-9)
USS Warrior (MCM-10)
USS Chief (MCM-14)


 下は、米海軍基地とサンディエゴ港ウォーターフロントの間にある桟橋である。



サンディエゴ港のウォータフロント部 海軍基地はこの右側の湾奥にある
Strands Beachs 
のハーフマラソン
つづく