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2018年・東日本大震災・津波
復旧実態調査(宮城県南部編)

亘理町沿岸5


青山貞一・池田こみち 
環境総合研究所顧問
掲載月日:2019年5月20日 2020年3月11日第2次公開
 独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁
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調査の内容と方法 基本データ  山元町1 山元町2  
亘理町1 亘理町2 亘理町3 亘理町4 亘理町5 岩沼市1 岩沼市2


◆亘理町沿岸域5

 亘理町の沿岸部には下の地図にあるように、海から陸側に汽水湖が入り込んでいる。


出典:グーグルマップ

 下はその湖を拡大したものだが、これは「
鳥の海(とりのうみ)」と呼ばれている。


出典:グーグルマップ


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-6-29


出典:グーグルマップ


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-6-29

 この鳥の海は、宮城県亘理郡亘理町の太平洋岸に位置する汽水湖である。

◆鳥の海の概要

 鳥の海は、阿武隈川河口の南側に位置し、古代の阿武隈川旧河口跡が堆積によってせき止められて生成された内湾状の汽水湖(潟湖)である。

 仙台湾沿いに散在する小湖沼群の中では最大である。東西幅2.3km、南北幅1.2kmである。


野鳥の楽園となっている「鳥の海」
Source:Wikimedia Commons

 淡水は、仙台平野(亘理平野)の水田地帯を潤す鎧川排水路などの複数の用水路から供給され、海水は短い水路で繋がる太平洋より潮の干満に合わせて出入りする。

 水深がごく浅い(1 - 3m程度)ため、湖岸全周に渡る堤防沿いと、湖中央にある浮島の「蛭塚」東側は、大潮の際には干潟となる。干潟ではアサリなどの潮干狩りができたが、東日本大震災以降中止している。

 餌となる魚介類が豊富なことから渡り鳥や海鳥を主体とする野鳥の生息地となっており、地名の由来ともなっている。古くは仙台藩主伊達家の狩場であったが、現在では釣りとバードウォッチングの名所となっている。

 環境省によって「日本の重要湿地500」の1つに選定された。近年は自然環境悪化が問題となっている。

出典:Wikipedia
 
 宮地県南部の自治体それぞれの海岸には、沿岸部に堤防が設置されたのだが、この「鳥の海」で一旦、堤防は切れていた。下は仙台側から亘理側を見た写真だが、台形の断面が見えるのが堤防の断面である。


出典:グーグルマップ・ストリートビュー

 下は堤防の断面を拡大した写真である。

 地図で見ると「鳥の海」が外海とつながる部分はかなり狭く見えるが、実際には上の写真にあるように100mほどあるので、東日本大震災時の津波が来襲した場合には、津波が「鳥の海」に入り込むことになる。


出典:グーグルマップ・ストリートビュー

 一方、「鳥の海」の周辺地期は、沿岸域のような建築規制がないようで、下の写真のように住宅が建っていた。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-6-29

 ここで阿武隈川を渡り、岩沼市に向かう。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-6-29


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-6-29


岩沼市1つづく