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闇に消えた虐殺

~731部隊・細菌戦の真実~

 

1:プロローグ

出典:テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年
 

 
青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編
September 30, 2017
独立系メディア
E-wave Tokyo
無断転載禁

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■1:プロローグ  細菌戦被害者による
     損害賠償裁判が明らかにしたこと

鳥越氏 
 今週の曜日、中国人原告108人が、旧日本軍による細菌爆弾攻撃を告発する訴訟を東京で起こしました。かつては死に至る病として恐れられたペストの病原菌を空中からばらまかれ多くの人々が亡くなったという訴えです。


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 戦後52年、今も解き明かされていない大きな謎の一つ、旧日本軍による細菌攻撃の真実を、我々が集めた膨大な資料と当時の関係者達の証言を綿密に積み重ね、検証していきます。

◆731部隊細菌戦国家賠償請求訴訟

 731部隊に関して日本政府に賠償を求めた裁判。2007年、原告団側の敗訴が確定。

沿革
1997年8月11日 東京地裁に民事訴訟として提訴
1998年2月16日 第1回裁判 弁護団、原告3名意見陳述
1999年12月9日 東京地裁に「731細菌戦被害賠償請求第二次訴訟」を提訴
2002年8月27日 東京地裁が原告団側の請求を棄却(平成9年(ワ)16684号、平成11年(ワ)27579号)
2003年5月20日 東京高裁で細菌戦裁判控訴審第1回
2005年7月19日 東京高裁が原告団側の控訴を棄却(平成14年(ネ)4815号)
2007年5月9日 最高裁判所が原告団側の上告棄却・上告不受理決定(平成18年(オ)90号、平成18年(受)第105号)

出典:Wikipedia

ナレーション


 今月始め、中国中部の浙江省や湖南省に住む中国人が来日。この11日に日本政府に損害賠償を求める訴えを起こした。訴えを起こしたのは、王・キンテイさん等108人。


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 王さんらは日中戦争のさなか、1940年〜42年にかけて、日本軍のいわゆる731細菌戦部隊が浙江省の寧波(ねいは)など6カ所でペスト菌に感染させた蚤(のみ)やコレラ菌を散布して多数の死傷者を出したと主張。日本政府による公式謝罪と一人につき1000万円、計10億8000万円の損害賠償を求めている。

◆何 英珍さん(63歳)
 「1941年の冬、日本軍のペスト菌で私の6人の家族が亡くなりました。」


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

◆寧波の町の酒屋の息子だった何 棋綏(カ・キスイ)さん 66歳い「私の家は中山東路の216号でした。父親の経営していた元泰酒店は、ここにありました。」


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 当時軍政部の防疫隊がつくったペスト発生地区の図面。(患者分布図)何さんの店では家族、店員18人のうち6人がペストで死亡したという。

何さん
 「私の父はこの店で会計係をやっていました。空から落ちてきた麦を食べたら、その日の夜に発病してしまっ


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 1940年10月未明、寧波の町がまだ寝静まっている朝まだき、町の北の空から日の丸を付けた飛行機が一機低空飛行をしてくると町の上を旋回して飛び去った。

 その後、あちこちの屋根や路上、水瓶の中に小麦や蚤が散乱していた。やがて、蚤の降った地区から次々に患者が発生、ペストに似た細菌が発見され、政府は大慌てで汚染地区を厳重に封鎖。113戸(5000u)すべての家屋を焼き払った。

 250名の患者を隔離、死者の数は109名に上った。この隔離施設の患者で現在ただ一人の生存者である銭 貴法(セン・キホウ)さん(66歳)

◆銭 貴法(セン・キホウ)さん(66歳)
 「海老のように丸まって死んでいる人や、目が飛び出している人も居た。全員の共通点は身体が赤く腫れたり、黒くなって死んでいたことだ。」

 ここに運ばれてきた61名の人たちは、今度は次々に棺桶に入れられて出て行ったという。この寧波ばかりでなく、ペストやコレラが長江の南側、蒋介石軍のの要衝の地、物資の補給ルートに次々に発生していった。

 これらの事実は50年余りの間、ほとんど伝えられることがなかった。なぜなのか。果たしてこの被害は本当に旧日本軍731細菌戦部隊による仕業なのだろうか。


−タイトル:ザ・スクープ 検証ドキュメンタリー
   闇に消えた虐殺 〜731部隊・細菌戦の真実 〜


◆スタジオ 鳥越氏
 ペスト病(黒死病)ですが、亡くなった時に黒くなるということで黒死病とかつて呼ばれていました。余り日本でも最近見なくなったので我々はペスト病がどんなに恐ろしいかを知らないのですが、中世期には黒死病にやられて町が全滅して仕舞うようなこともあったと言うほど恐ろしい病気です。

◆女性アナウンサー
 1940年〜42年にかけて、寧波、崇山村、義烏、江山、衢州、常徳などこれらの地域で大量に発生したわけです。今回訴訟を起こした中国の原告団は、このペストの発生が旧日本軍の731部隊によるものだと訴えている訳です。


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


◆鳥越
 この731部隊については、この十数年いろいろな研究がされてきましたが、細菌の研究がされていた、人体実験もしていた、と言うところまでは分かっていますが、実際にそれを中国の国民に使ったというような話はこれまであまり出ていなかったのです。今回訴えで初めて表に出てきたので、そこについて今日取り上げます。

 では、それをばらまいたのは本当に731部隊だったのでしょうか。

−−VTR

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