エントランスへはここをクリック   

隈研吾設計の東京2020年
オリンピックスタジアム
(新国立競技場)工事開始

deZeen
(英国のロンドンにある建築デザイン出版社)

概要訳:青山貞一
Teiichi Aoyama 
Aug 6 2017
独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁


 以下は、新国立競技場問題のつづきです。執筆者は英国、ロンドンにあるDezeen です。概要訳は青山貞一です。尚、この問題の背景の一つには、ザハ・ハディド氏(イラク人、事務所は英国のロンドン)の存在があるようです。ザハ氏はすでに他界されていますが、ご承知のように当初の建築設計コンペで第一位となっています。仮に賞金が支払われていたとしても、国際コンペで第一位となった作品がこのような扱いとなった例はそうないはずであり、日本という国の見識が疑われても仕方が無いと思えます。

,
2015年末、隈研吾による新国立競技場のデザインが選ばれました。これは日本政府がザハ・ハディド氏(イラク人、事務所は英国のロンドン)による設計コンペの優勝作品について、その工事費が高価すぎるという議論の結果として行った再コンペの結果です。
,
隈研吾のデザインは、そのザハ・ハディッド氏のデザインとは異なり、滑らかな貝(シェル)のような構造を特徴とし、植物や木が点在する木構造が特徴です。
,
この新国立競技場のプロジェクトは、大成建設による施工とペアで行われています。
,
日本のオリンピック当局は、木材のための持続可能なソーシングコードを発表し、今後3年間で建物を建設するために使用される木材を調達する戦略を策定しました。
,
青山注)ソーシングとは、商品仕様や取引条件などの購買の条件を規定し、取引先の選択や交渉によって最も適切な条件を獲得すること。購買に携わる部門の最も重要な業務を指す。
,
しかし、市民団体のひとつ熱帯雨林行動ネットワークは、このコードの規定は、現場でコンクリートを注ぐための型枠として使用される安価な合板が免除されていることを示唆しています。
,
そして上記のキャンペーンは、現場で使用される木材が森林破壊と人権侵害に関連しているかどうかについて緊急の検討を求めています。しかし、日本のオリンピック当局はこれを否定し、建設に使用されるすべての合板が倫理的に供給されていると主張しています。
,
スタジアムの建設を監督している日本スポーツ評議会(JSC)は、東京2020組織委員会に、当該合板が国際的な非営利団体「森林認証推進プログラム」によって認定されたことを報告し持続可能な森林管理を促進することにつながる」と述べました。
,
「彼らは、東京2020組織委員会が定めた調達基準の法的・持続可能性の側面を遵守していることをさらに確認した」とし「東京2020組織委員会は、引き続き、持続可能なオリンピックおよびパラリンピックの準備と提供を約束しており、引き続きJSCおよび他の関連機関と密接に協力する」と語っています。
,
建築家である隈研吾は、上記の問題に対しコメントすることを拒否しました。 具体的には「それは建設・施工に関するものであり、コメントする立場にはない」とDezeen(英国、ロンドンにある雑誌社で本稿執筆者)に語りました
,
(マレーシアなどの)アスリートは、スタジアム建設に使用された熱帯木材の合法性と持続可能性を緊急に検討することに関連し、サラワクと東京スタジアムの両方で抗議活動を行っています。
,
当初の東京オリンピック2020ロゴのデザイナーが盗作の疑いで告発された後、東京オリンピックの主催者は2回目のロゴ・コンペを行う必要があったため、新国立競技場の再設計問題は東京2020年オリンピックにおける唯一の問題ではありませんでした。
,
新国立競技場の設計は2016年にかなり注目を集めましたが、隈研吾の作品について、Dezeen Hot List では 建築デザインにおいて「最も価値のある名前の包括的リスト」 では5位としていました。