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八重山諸島短訪

B世界有数のサンゴ、石垣島の白保

青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学環境情報学部教授

31 March 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」

青山貞一:八重山諸島探訪 
@東京から石垣島へ F白浜港から奥西表の船浮へ
Aすべてがゆったり竹富島 G船浮に残る悲惨な戦争の爪痕
B世界有数のサンゴ、石垣島の白保 Hイリオモテヤマネコと奥西表の自然
C新石垣空港の工事現場 I奥西表・内離島近くの干潟
D石垣島の自然と景勝地 J再び竹富島へ:シーサーたち
E石垣島から西表島へ K現地視察経費概要

■2009年3月26日 

 昼に竹富島から石垣島に高速艇で戻った。わずか10分。

 離島ターミナルで「シーサー展」やっていたのでちょこっと見る。いままでみたこともないシーサー、ユーモラスなシーサーもいた。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 離島ターミナルのロッカーから荷物を出す。26日から2泊するホテルにチェックインする。荷物を置き昼食に出る。

 私はなぜか沖縄料理、とくにソーキそば、沖縄そばは超苦手だ。それ以外を探していると、ホテルの近くに、こじんまりとしたイタリアンのレストランを発見。

 店の名は「島イタリアンいゆ」。サラダ、パスタ、飲み物で800円のランチを食べる。これがなかなかいける。

 ちなみに27日夜もここでパスタを食べた。このときは「竹富島車エビのトマトソースパスタ」これは絶品だった。

 下は「島イタリアンいゆ」情報。場所は「市役所通り」で1階に大使館というバーの2階。狭い階段を上がってゆく。電話は0980-82-5703



 「いゆ」で食事中に石垣島在住の知人、鷲尾さんからメールと携帯が入る。午後1時にホテルで待ち合わせしているので、その確認だ。

 午後1時にホテルに戻る。大きな三菱自動車のワンボックスで鷲尾さんの知人で東京から石垣島に移ってすんでいる青木さんが入ってきた。その直後に鷲尾さんは自転車でホテルのフロントにみえた。

 鷲尾さんとは10年以上前に一度東京の目黒であったきりだ。

 聞けば青木さんは東京葛飾柴又から10年ほど前に石垣島に家族で引っ越してきたという。写真家、エコツーリズムのインストラクター、ナチュラリスト、サトウキビの工場でも働いたそうだ。えらくタフで何でも知っていて頼もしい。


石垣市全図

 まずは白保に向かう。途中、北城御獄という古い神社の場所に案内される。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 ところで白保は、いわずとしれたIUCN(国際自然保護連合)から「世界一の珊瑚群落」がるとお墨付きをもらったすぐれた珊瑚が多数群生している浜辺だ。

 白保の浜に行く、前にWWF(世界野生生物基金)ジャパンの白保オフィスに寄る。オフィスの名称は「しらほサンゴ村」。

 WWFは日本では東京都港区の本部以外、ここにしかオフィスをもっていないというだけあって、非常に充実している。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 白保のサンゴの海はWWFジャパンの事務所から目と鼻の先。すばらしい珊瑚の海が展開する。当初、東京のパシフィックコンサルタントの立地調査でこともあろうかこの白保の海の上に新石垣空港をつくろうとしたのだから、信じられない。最後の最後までそれを押し通そうとした沖縄県も同罪である。

 あらためて、当初立地案を中止させたことの意味と価値は大きいと実感する。


白保にはすばらしい珊瑚の海が展開する
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 下は、白保のサンゴの例。


白保のサンゴ  
出典:WWF「しらほサンゴ村」

  
白保のサンゴ 出典:環境省 白保のサンゴ 
出典:WWF「しらほサンゴ村」


白保のサンゴ 出典:WWF「しらほサンゴ村」

 下は衛星画像で見た白保のサンゴ群落。


出典:グーグルマップ

 白保を含む海浜を飛行機からギリギリ撮影できた。くっきりとサンゴの環礁の内側と外側で色が違う。外海は濃紺、サンゴの海は薄みどりがかった青色だ。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 下の写真右側にいる女性は干潮時にアーサーという藻の一種を採取しているところ。

白保サンゴ礁

 白保のサンゴ礁は石垣市白保地区の海岸南北約10km、最大幅約1kmにわたって広がる裾礁。 白保サンゴ礁は世界有数の規模を誇る。同時に北半球全体をみても最大のアオサンゴの大群落が広がっている。その他、ハマサンゴの巨大群落、マイクロアトール、ユビエダハマサンゴ群落が分布している。

 この地域には30属70種以上の造礁サンゴの生息地と言われる。 現在、沖縄の沢山のサンゴ礁はオニヒトデが要因による食害、農地開発や土地造成などによる赤土流出によって白保のサンゴは瀕死の状態となっっているが、白保のサンゴ礁はオニヒトデによる食害を免れており、良好な生態系を残している数少ないサンゴ礁とである。

 ※石垣島サンゴ礁の保全管理研究 学術調査報告


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 下は環境ガイドをつとめていただいた青木康夫さん。青木さんは写真アーティストでデザイナー、エコガイドなどマルチ人間だ。東京から移って10年近くなることもあり、地元の人でも知らないような場所をよくご存知である。


ガイドしてくれた青木さん(右)と
撮影:Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 青木康夫さんにエコガイドを依頼したい方は、
 以下御連絡いただきたい。リーズナブルな費用で
 しっかりと案内してくれます!
 リフトアップ 
 lift_up_001@hotmail.com 

 下は青木さんの車。この車で石垣島中をエコガイドしてくれた。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 下はやはり東京から石垣島に10年以上前に移住された鷲尾さん。青木さんを紹介してくれたのは鷲尾さんだ。感謝!


環境行政改革フォーラムの会員でもある鷲尾さん(右)と
撮影:Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 白保の浜辺で遊ぶ地元の子供。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26

 白保に流れ込む轟川(とどろき)。これらの川を通じて赤土が珊瑚の海に今でも流れ込んでいるという。

 白保海域環境保全対策協議会の設置趣意書(案) 以下はその冒頭文

 赤土等の流出や生活排水等の増加等種々の負荷による沿岸海域の汚染は、石垣市における最も大きな環境問題の一つである。

 とくに本土復帰似降、基盤整備をはじめてとする種々の大規模な開発が急速に進められたことによって<赤土汚染>が石垣鳥の海域にひろがり、サンゴ等の海域生態系に大きな影響を及ぼすとともに、水産業や観光産業にも被害を与えてきている。

 また、私達が誇る地域々々の独特の文化も、海との多様な係わりをとおして育まれてきたものである。さらに、その美しい自然景観と豊かな生物相は世界的にも貴重な資源であり、私達はこのかけがえのない海を大切に守り、次の世代に正しく引き継ぐべき責務を負っている。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.26


つづく