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非公開で行われる情報公開法改正作業  青山 貞一

掲載日:2004.4.28


 私は情報公開法案の制定過程でいつものように何度となく議員会館に足を運び、衆参議員と議論した。

 当時、野党共同修正案の10項目がでていたが、野党の衆参議員は自ら出した10項目を何が何でも政府提案(内閣法案)に組み込む気力があるように思えなかった。そこで私は各議員にこの法案は日本社会の根幹に係わるものであり、米国に40年以上も遅れ、しかも政府提案で出されている、そんなことでよいのかとハッパをかけたものだ。

 残念ながら、わずか2つしか修正されなかった。

 今回、2005年春をめどに情報公開法改訂作業が総務省が設置した検討会で4月27日からはじまったそうだ。

  さきほど、情報公開制度に詳しい友人から以下のメールが来た。
 

 2005年4月に見直しされる情報公開法の検討作業が、総務省が設置した「情報公開法の制度運営に関する検討会」によって昨27日から開始されました。

 ところが、この検討会は非公開なのです。利害対立がもっと深刻なテーマを扱う審議会でさえ公開されているのに、情報公開をテーマとする審議機関が非公開ということは、いかに官僚が国民を軽視しているかを象徴していると思います。

 検討会の顔ぶれは、総務省お抱えのようになっている学者が参加しており、おそらく主導権を握るものと思われます。意外なのは、これまで国民サイドで積極的に情報公開問題に取り組んできたはずの弁護士が、非公開を前提とした検討会に参加していることです。

 このような検討会任せでまともな見直しが行われるとはとても考えられません。それぞれの人たちが声をあげていかないと、「観客民主主義からの脱却」に欠かせない行政機関の保有情報を入手できる道は広げられないだろうと思います。

 また総務省側の中心人物は、法制定の時にメディアによる批判記事を封じ込めようとしたり、悪名高い個人情報保護法の制定に重要な役割を演じた官僚です。

 上記のメールを見ると何と、情報公開法の改正のための検討会が非公開となっている。笑うに笑えない。

 このところ、福田官房長官を中心に政府、内閣、閣僚の情報隠蔽体質が蔓延し、小泉内閣は秘密主義、情報非公開内閣となっている。昨年末にイラクへの派兵期日を福田長官が隠蔽するだけでなく、虚偽の日程を発表したことが問題となった。さらに、国民年金問題で3不払閣僚以外の不払閣僚についての公表要求には、プライバシーを理由に非公開としている。

 冗談じゃない。もっともプライバイシー中のプライバシーである資産状況は公開しているではないか。そもそも、

 先進国でいまどき、こんな体質を持った国はないだろう。米国ではブッシュ政権にいた閣僚が次々に、イラク戦争以前の実態を暴露している。いまや日本は情報公開でG8で最悪の国家となっているのではないか?

 同時に、このところ学者、弁護士の「御用化」が顕著である。そもそも情報公開法の改定のための検討会を非公開とする理由はないはずだ。もしどうしてもと言うなら、ごくごく一部分だけ非公開すればよい。