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政界地獄耳
ヤッシー参考人を小坂ストップ


日刊スポーツ 2005年(平成17)3月15日

 衆院文部科学委員会で15日に予定されていた義務教育費の国庫負担問題に関する参考人招致がドタキャンされた。民主党が推薦した長野県知事・田中康夫(48)を国会に呼ぶことに自民党が強硬に反対して折り合いが付かず、困り果てた公明党出身の委員長・斉藤鉄夫(53)が「それなら参考人質疑そのものをやめてしまおう」と中止したのだ。

 田中以外には政府の中央教育審議会委員や他県の知事の出席が決まっており、スケジュールも空けていたから、前日になって取りやめとは異例の事態だ。背景には小泉内閣の三位一体改革に批判的な田中を自民党が嫌ったということもあるが、それだけではない。

 自民党側で田中招致に最も反対したのは長野選出の国対委員長代理・小坂憲次(59)。

「長野県議会では下水道公社に絡む問題や副知事起用をめぐって田中と自民党県議会側が激しく対立しており、小坂はそのさなかに田中を呼ぶなと圧力をかけた。県議会での対立を国会に持ち込むなんてとんでもない」と民主党幹部は怒る。

 当の田中も15日に国会に出てくるつもりだっただけに「来いと言ったり、来るなと言ったり、揚げ句の果ては審議中止なんてばかにしている」(側近)とカンカン。民主党理事たちは「自民党の横暴をすべて明らかにする」と息巻いており、またぞろ国会紛糾の気配だ。