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この5年間で
この国はすでに壊れた


日刊ゲンダイ

2006年1月12日


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■ この5年間でこの国はすでに壊れた
■ 小ズルイだけで知性ゼロの総理大臣の奸計政治が大手を振るい
■ 国民は上から下まで品格がなくなってしまった
■ 少しは知的な国会議員が自民党にはいないのか
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 世界中の誰からも相手にされなくなった総理大臣を50%以上の国民が支持し政権与党の議員すべてが家来のように従っているこの国は全く奇妙な国だ。

 小泉愚昧首相はコンプレックスから自分より能のある友人の加藤紘一や山崎拓を斬り捨て、愚鈍そのものの幹事長をはじめヤクザ風の議員を重用し、自分と同程度の人間ばかり集めて政治をしている間にこの国では努力しない方が偉いのだという退廃の風潮がまんえんしてしまって滅亡へ向かっている
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 小泉首相が今年の初仕事として、9日からトルコに出かけた。何か重大な用事でもあるのかと思ったが、何もなし。当初の計画では、まずイスラエルに行き、シャロン首相とパレスチナのアッバス議長を立ち会わせるパフォーマンスを予定していたという。ところがシャロン首相が脳出血で倒れ、計画はパー。結局、訪問先はトルコだけになった。トホホものだが、かといって小泉首相はほかに行くアテもないから、さらに情けない。

「今年中に総理を辞める小泉首相の訪問をありがたがる主要国はまずありません。かといってアジアでは孤立し、中国や韓国から拒絶されている。ほかの国も、日本が資金援助の手土産でも持参しない限り、相手をしないでしょう。そこでトルコなのでしょうが、中東情勢に関心もなければ知識もない小泉首相に押しかけられて内心、トルコも戸惑っていると思いますよ」(元レバノン大使・天木直人氏) 世界中から大して相手にもされない日本国の首相だが、国内では50%以上もの支持率を得ており政権与党の国会議員たちは家来みたいに唯々諾々と従っている。となると改めて問いたくなるのは、自民党議員や小泉ミーハー支持者は小泉首相の正体をどこまで知っているのか、である。薄っぺらく、小ずるいだけの男――振り返ってみれば、それが小泉の正体だ。

▼ 留学年次も不明の学生時代 ▼

「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」――年金未納問題で小泉首相が吐いた有名なセリフだが、これは国会議員になってからも勤務実体のない企業から給料をもらい、厚生年金を負担してもらっていたことがバレ、ちゃかすために思わず出た言葉だ。これに象徴されるように万事、その場その場を調子の良さだけでしのいできたのが小泉だ。
 学生時代からロクに勉強もせず、ちゃらんぽらんな生活を送ってきた話は有名だ。

 慶大時代の同級生で、かつて首相の側近だった栗本慎一郎元代議士が、こんな暴露をしている。〈小泉は通常の意味でとにかく頭が悪かった。採点のしようがないぐらいバカだというのが正しい評価です〉〈彼とは2年間同じクラスでした。というのも、彼は単位が足りなくて3年に上がれず、そのままロンドンに留学したからです〉 その英国留学も年次や期間が小泉本人の説明と周囲の“証言”がバラバラだからウサン臭い。留学中の取得単位もゼロ。遊びにいっただけなのは歴然だ。なのにちゃっかりハクをつけ、世襲3代目議員として当選。

▼ 飲んでただけのYKK時代 ▼

 政界入りしてからも何をしたわけではないが、目立つのは得意だ。小泉が頭角を現したYKKにしてもそうだ。「反経世会」を掲げて加藤紘一、山崎拓の3人で固まったものの理論は加藤、行動は山拓が担当。加藤によれば「3人で集まっても小泉さんは政策論議に加わらず、黙って熱燗をぐいぐい飲んでいるだけだった」という。それでも2人より先に総理総裁だから、運というか世渡り上手だけはピカ一。カネは使わず子分もつくらず、盟友たちをちゃっかり利用したのだ。

 政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。

「小泉首相が総理になれたのは、それ以前の自民党の政治家たちが悪すぎたからです。特に森前首相に比べれば、誰が総理になってもマシに見えた。そこに『改革』を連呼し、歯切れだけはいい小泉首相が現れ、たまたま世間の経世会支配まっぴらの空気とマッチした。ハッキリしているのは、小泉首相の人間性や政治理念が国民に支持されたわけではないということです。それは過去2回も総裁選に出馬して、泡沫候補だったことからも明らかです」