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エレベータ事故からの教訓
 
その1 シンドラー社のリスト!?

青山貞一

掲載日:2006.6.10

 スイスに本社を置くシンドラー社のエレベーターによる高校生の死亡事故で、この一週間、全国各地、シンドラー社のエレベータを使っている場所で大騒ぎが起こった。

 東京にあるシンドラー社の日本法人は当初、設置リストを出さず大いに顰蹙をかっていた。

 やっとのことで9日、シンドラー社のリストを国土交通省に提出した。

 それによると日本各地で8000基以上が設置されていると言う。

 そのなかのひとつ、横浜市、田園都市線のすずかけ台駅近くにある東京工業大学大学院総合理工学研究科では、以前からシンドラー社のエレベータの不具合が教職員、大学院生らの間で問題となっていた。

 学内のポータルサイトだかWEBで大学院生らが以前からこのエレベーターの不具合についてあれこれ議論していたと言うから、港区の集合住宅における事故と同じような死傷事故が東京工大で起こっても何ら不思議はない、ことになる。

 実は、その東京工大大学院には10年ほど前から非常勤講師で出かけている。

 今年も来週末(6月16日)に講義に出かけるので、ぜひ、現場を見てみたいと思っている。

 そのなこともあり、大学院側にいる知人に聞いてみたところ、「シンドラーのエレベータ騒ぎは、何とか収まりした。でも24時間体制で、シンドラー社の技術者が待機しています」と言うことで、パニック状態はないものの、依然として現場では監視がつづけられている。

 亡くなられた高校生は東京都立小山台高等学校に通っていたが、この都立高校は、私の自宅のすぐそばにある。

 東京工大への進学でずっと全国一となっていた。そんなことを思うと、家族(ご遺族)ならずとも、何かやりきれない思いがこみあげてくる。

つづく
 

シンドラー社幹部を聴取、設置リスト提出
日刊スポーツ 2006.6.9 

東京都港区のエレベーター事故で国土交通省は9日、製造元の「シンドラーエレベータ」幹部を国交省に呼び、同社が設置したエレベーターのリストの提出を受け、保守管理の状況などについて事情を聴いた。

 エレベーターの数について同社はこれまで7000数百基と説明していたが、実際は8000基を超えることが明らかになった。

 リストには施設や建物の名称、住所、納入時期などが記載されている。国交省は地域別に分類して都道府県に情報提供し、公共施設については名称などを公表する方針。

 同社は事故発生直後、国交省が設置状況を問い合わせた際に「個人情報保護」を理由にリストの提供を拒否。その後、制御システムなどが事故機と同じエレベーター12基の所在地を報告した。7日の東京都の事情聴取には「会社の方針」を理由に、約1700基とされる都内の設置場所は明らかにしなかった。

 北側一雄国交相は9日の閣議後の記者会見で「国にも自治体にも誠実に対応していただきたい。(個人情報保護のために提供を拒むのは)全く理由にならない」と苦言を呈していた。

 国交省は既に、提出が義務付けられている定期検査報告書などを基に同社のエレベーターを特定し、過去に事故やトラブルがなかったかどうか調査するよう都道府県に指示。28日までに回答するよう要請している。