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拘束直前の今井君からのメール


掲載日:2004.4.10


Sent: Friday, April 09, 2004 5:18 AM
Subject: 美帆シボより イラクで拘束されている今井君について緊急報告


フランスの美帆シボです。

 すでにテレビや新聞の報道でご存知だと思いますが、日本人三人がイラクで拘束されました。その中の一人、今井君は高校を卒業したばかりです。彼は、湾岸戦争・イラク戦争で使用された劣化ウラン弾によって、多くの罪のないイラクの子どもたちが、小児癌や白血病に苦しんでいる状況に心を痛め、2度と劣化ウラン弾が使用されることがないようにと、劣化ウラン廃絶の活動を続けてきました。

 今井君は劣化ウラン被害の実態を1人でも多くの人々に伝えるために、イラクの子どもたちの絵本を作成することを計画し、取材のためにイラクを訪問しました。劣化ウラン反対キャンペーンの仲間であり、私もメーリング・リストで彼と情報交換をしたことがあります。

 下記に今井君がイラクに入る前に送ってきたメール二回分をコピーします。

 彼も書いているように、日本には十分イラクの危うい情勢が伝わっていないように思います。また、私が昨年日本に行ったおり、一般人と話してみると、自衛隊を送る国にしてはあまりに国民が無反応だと感じました。それだけでなく、私がフランスに住んでいると知ると、「フランスはアメリカにたてばかりついて」と非難がましいことを言う人さえいました。

 とにかく、今井君のメールをご一読ください。そして、続いてコピーしました今井君の仲間たちの呼びかけも周囲の方々にお伝えください。

4月6日


今井です。複数の方に送ります。

今、アンマンにいます。今、アンマンは午前10時半です。日本との時差は6時間です。本来ならば、バグダッドについているはずだったのですが、高遠さんと話して、今日の夜に向かうことになりました。

理由はフォルージャでの米兵を引きづりまわしたり死体をつるし上げた事件で、バグダッドに入るルートが封鎖されているからです。なので、遠回りですが、迂回してバグダッドに入ります。

実際、昨日の夜にアンマンについたのですが(日本時間では午前4時くらいになります)、たどり着くまで大変でした。特にモスクワで非常に足止めをくらったり、みんな英語がほとんど話せないし、かなり大変でした。

とりあえず、無事です。装備も盗まれてもいません。紛失もしていません。

今日の朝、起きた後にスウェーデン人の経済学の先生と話したのですが(お互いにあまり英語が話せませんが、聞き取ることができたので会話になりました)、そのとき自衛隊の派遣について聞かれました。特に印象的だったのが。「日本人は平和を愛する民だろう?なのに、なんで派遣するんだ?スウェーデンは第二次世界大戦以降、外国には派遣していないよ」といわれ、返す言葉はありませんでした。とりあえず。今度スウェーデンにきてくれ、といわれたので、ビジネスカードを渡し、メールをする予定です。

また、モスクワの空港ではまったく英語が話せないウクライナに住み、バイカル湖の近くに家族を持つアジア系の人に会いました。どうやら、エレクトロニックとかトルクメニスタンの大統領からもらった時計、そして自分で立てた発電所が描かれているカードを持っていることから、建設関係か電気技術関係の方みたいです。その方と、いろいとジェスチャーで話していたのですが、最後に時計を交換してくれ、といわれ、トルクメニスタンの大統領からもらった?時計をくれました(顔写真入り)。しかも、この人、これからバグダッドに行くみたい。受注されたのかな?

とにかく、いろいろなことがあって、話せば長くなります。明日はバグダッドに到着予定です。どうやら、昨日のヨルダンタイムスを読む限り、バグダッド南西のナジャフでスペイン兵が20人近く殺されたらしいですが、けっこう危険です。日本の新聞で、あまり細かいところまでイラクのことは伝えていない気がしますが、現地の新聞はけっこう伝えている気もします。あまりまだ、正確なことがいえませんが、情報を捕らえながら行ってきます。

また、バグダッドのインターネットカフェで会いましょう。

今井紀明


今朝(午前3時ごろ)の今井君のメールです。

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 今井です。複数の方に送ります。

 本来は6時に出発ですが、10時に出発となりました。予想以上にまずい状況になっていることが伝わってきているので、非常に心配する面もありますが、安心する側面もありますので、「あとは運次第」ということになり、行くことになりました。

 クリフホテルでフリーのカメラマンと仲良くなり、ちょうどバグダッド入りするので、高遠さんと3人で行くことになりました。クリフホテルでは偶然にも森沢典子さんとも会い、今までずっと話していました。また、以前お世話になった古居みずえさんもアンマンにいることがわかり(みんなジャーナリストです)、ちょっとうれしくなりました。

 とりあえず、明日の朝(日本時間で言えば正午以後)にはバグダッドに着くかと思います。その後、JVCの原さんとマンスール病院やセントラル病院にいけるかもしれません。とりあえず、原さんとは行動できるみたいです。

 写真についてですが、バグダッドで撮れるかめちゃくちゃ不安ですが、アンマンでは多少写真は取りました。

 アンマンでメールをまた送るかとは思いませんでしたが、次はバグダッドで送りたいと思います。無論、たどり着ければの話ですが、なぜか昨日からいきなり情勢が悪化してきたので、多少不安があります。

 幸運を自分自身にも高遠さんにも一緒にいるフリーのカメラマンにも祈りたいです。

 ちょっと不安になってきた今井より