エントランスへはここをクリック   

福井総裁辞任秒読み
早くも始まった「後任」選び

日刊ゲンダイ

掲載:2006年6月30日

───────────
■ 市場でささやかれる福井日銀総裁辞任のXデー
───────────

◆ 世間の風当たりは強まる一方 ◆

 いやはや、日銀福井総裁の資産公開には驚いた。夫婦の資産総計は3億4000万円。夫人は村上ファンドが吊り上げた阪神電鉄株も持っていた。

 しかも、福井氏は日銀総裁として、3641万円の給料があるうえ、ナント、778万円の年金ももらっていた。「ウヘーッ」と目の玉が出るような額だ。

「受け取る年金が778万円にもなるのは基礎年金、厚生年金に加えて、日銀の企業年金330万円も出るからです。

 日銀は職員の企業年金を毎年の人件費から計上、終身で給付する。そのため、株価や経済動向に関係なく、巨額の年金を支給できるのです」(日銀関係者)

 こんな金持ちなのに、村上ファンドでボロ儲けしていた福井総裁への風当たりは強まる一方だ。

 公明党の神崎武法代表は「自らの責任で出処進退を判断すべき」と語ったし、それを受けて、これまでかばってきた小泉首相も「(神崎発言は)当然の発言」と突き放すような言い方をした。

 冬柴鉄三幹事長や安倍晋三官房長官は火消しに躍起だったが、マーケットでは福井辞任Xデーは「7月15日」なんて声も出始めた。


───────────
■ 福井総裁辞任秒読み 早くも始まった「後任」選び
■ 竹中平蔵から塩ジイまで本命不在の大混迷
───────────

 世論調査で「辞めるべき」が76%に達し、辞任が避けられなくなってきた日銀の福井総裁。Xデーは「7月15日」なんて声も出始めた。

 政界、霞が関では、はやくも「福井後任」が取り沙汰されているが、これがなんともヒドイ顔ぶればかり……。



 福井後任の“本命”は、財務省次官だった武藤敏郎日銀副総裁だ。

 武藤副総裁は小泉首相のお気に入り。副総裁就任も次期総裁含みだった。

 「自民党内は武藤総裁を期待する声が強い。

 しかし、財務省トップだった武藤氏では『財務省支配』『官僚復活』という批判が噴出するのは確実。

 『官から民へ』と豪語してきた首相が指名するかどうか。しかも武藤副総裁は、旧大蔵時代に“ノーパンしゃぶしゃぶ”での接待不祥事で降格されているような人物。

 福井総裁が不祥事で辞任するのに、後任がそんなスネ傷でいいのかという議論は必ず起こります」(霞が関事情通)

 本命がネックだらけのため、自薦、他薦を含めて何人もの名前が浮上している。しかし、民営化する郵政会社の社長人事が難航しているように、国民が納得する適任者はゼロ。


 .......