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メアリー・ステュアートの足跡を追って
スコットランド
2200km走破


オイック橋
The Bridge of Oich

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
2018年12月10日公開
独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁


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◆オイック橋(The Bridge of Oich、ビクトリア橋とも呼ばれています )

 場所は以下のグーグルマップにあるように、フォートオーガスタスのすぐ南にある橋です。


出典:グーグルマップ


出典:グーグルマップ


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2012-7

 オイック橋(オイッチ橋、ビクトリア橋、アバクホールダー(Aberchalder)とも呼ばれる)は、ジェームス・ドレッジが設計したテーパー原理の吊橋でスコットランドのハイランドにあるアバクホールダー近くのオイック川にかかっています。

 橋は1854年に開通し、川を渡って主要な道路へとつながるために1932年まで使われました。(A82から見えます)


オイック橋の遠景
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2012-7

 下は実際に通った上の写真とほぼ同じ角度のグーグルマップ、ストリートビューの写真です。但し、ストリートビューの撮影は晴天時です。


出典:グーグルマップ


オイック橋 Source: Wikimedia  Commons
CC BY-SA 4.0, Link


概説

 オイック橋は、イングランドから来た技術者ジェームス・ドレッジによって設計されました。ドレッジは橋の特許取得済みのテーパ原理を用いました。

 橋は、2つの対向する片持ち梁(カンチレバー)がサスペンション・チェーンによって支持され、古典的な吊り橋の外観を与える二重片持ち梁方式(ダブル・カンチレバー・システム)を採用しています。

 橋の全長は155フィート6インチ(47.40メートル)で、2つの主鎖(メイン・チェーン)は17フィート(5.2メートル)離れています。主鎖の各々は、長さが6フィート(1.8 m)から7フィート6インチ(2.29 m)、公称直径が7-8インチ(22 mm)の一連の錬鉄製アイ・ロッドから作られています。

 主要なチェーンは高さ8mの花崗岩の塔の上に吊り下げられており、各チェーンの一端は橋の中央部で橋に固定され、他の端部は橋の内陸側の地面の下に固定されています。

 チェーンは、塔の12本の平行な金属の棒(ロッド)で構成され、塔からさらに遠くなるにつれて、チェーンの各端に向かって各継ぎ目で1本のリンクによって幅が徐々に減少します。デッキ(橋の床面)は、トラス製の錬鉄製の横木(トランサム)に支えられた木材製となっています。

歴史

 下は望遠で撮影したオイック橋です。


雨中のオイック橋です
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2012-7

 1849年、アバクホールダー近郊のオイック川に架かる古い石橋が洪水により破壊されました。同様の洪水により新しい橋が壊れるリスクを減らすために、古い橋を交換するには、シングル・スパン橋が必要であると判断されました。

イングランドの技術者ジェームス・ドレッジは、このような橋をつくり提供する仕事に従事していました。ドレッジは、1854年に開通した橋のために、自身が特許を取得した「テーパ原理」を使用しました。ドレッジの橋は、1932年に2車線のコンクリート橋が建設されるまで、オイック川を渡る主要道路の自動車交通を支えました。

 橋が利用されなくなってからは、荒廃し、公共利用には閉鎖されていました。この橋は現在修理が必要な建物としてリストアップされておる記念碑の一つであり、1997年にスコットランドの歴史遺産協会によって改修され、歩行者用の橋として一般に公開されるようになりました。


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