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真夏のスペイン

スペイン・アンダルシア短訪

アンダルシア滞在中の個人線量

鷹取敦

掲載月日:2016年9月15日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


内容目次
  1 歴史的背景 付 滞在中の個人線量記録
マラガ 8/14 2 歴史と街並み | 3 ヒブラルファロ城 | 4 アルカサバ
8/19 5 カテドラル | 6 ピカソ美術館・ピカソの生家 | 7 フェリア・デ・マラガ
8/20 8 アタラサナス中央市場
セビリア 8/15 9 歴史と街並み | 10 アルカサル | 11 カテドラル
| 12 マエストランサ闘牛場・黄金の塔 | 13 スペイン広場
コルドバ 8/16 14 歴史と街並み | 15 ビアナ宮殿 | 16 ポトロ広場・ローマ橋
| 17 メスキータ | 18 アルカサル・シナゴガ・アルモドバル門 | 19 灯火のキリスト広場
グラナダ 8/17 20 歴史と街並み | 21 サンタ・アナ教会・アルバイシン地区 | 22 カテドラル・マドラサ
| 23 アルハンブラ・庭園 | 24 アルハンブラ・宮殿 | 25 フラメンコ

◆個人線量と周辺線量

 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故により環境中に放出され、広範囲の地域を汚染した放射性物質について関心が高まり、個人でも線量計を持つ人が増えました。

 線量計には、周辺線量(ある特定の地点のある高さに着目し、その点が周辺から受ける放射線量)を測るためのものと、個人線量(生活や仕事等で移動する個人に着目し、その個人が受ける放射線量)を測るためのもの等があります。

 個人線量と周辺線量が分かれているのは、場所によって線量率(時間あたりの線量)が違うからです。屋内と屋外によって違います。また屋内でも建物によっては屋外より高い場合があったり、同じ建物の中でも部屋によって違う場合もあります。当然、屋外では場所によって変化します。

 変化する要因は、原発事故のような汚染による汚染が場所によって均一でないこと、建物の壁面等の材質や厚さによって遮蔽の程度が違うこと、事故に起因しない自然起源の放射線の程度が場所によって異なること(地面の種類や覆土、舗装によって異なる)、コンクリートの建物の場合、骨材によって自然放射線の程度が異なること、石造りの建物の場合、花崗岩など放射線が多めのものがあること、など複雑です。

 そこで、人が実際に外部からどれくらい放射線を受けているか(外部被ばく)測定するために個人線量計を用います。

◆個人線量計

 以前は個人線量計といえば、たとえば一ヶ月分の被ばくを記録し、その合計(積算線量)1つしか分からないようなものが多かったのですが、最近はリアルタイムに積算線量を一定時間間隔ごとに自動的に記録するようなものがあります。

 筆者が個人的に所有している複数の個人線量計のうちの1つに、iPhoneにUSB経由で接続してデータを簡単にダウンロードしたり、GPSの座標と合わせて記録できるものがあります。チェルノブイリ原発事故以来の老舗(?)の放射線測定器メーカーとして定評のあるポリマスター社のPM1904です。

 ◆ポリマスターPM1904(日本の代理店の紹介ページ)
 http://www.taroumaru.jp/main/pm1904/

 iPhoneに接続したまま記録すると地点座標も一緒に記録できるのですが、それではiPhoneのバッテリーが持たないので、1時間に1回平均値(線量率)を自動的に記録する方法としました。

◆スペイン滞在中の個人線量

 2015年8月のバルセロナ、マドリード等の際にも個人線量を記録し、グラフを作成しました。

◆鷹取敦:スペイン旅行記・スペイン滞在中の個人線量(2015年8月)
http://eritokyo.jp/independent/takatori-spain2015-20.htm

 今回も同様のグラフを作成しました。X線による手荷物検査と、航空機による上空の線量(宇宙線の影響を受けます)は正確に測れないので、その部分は除外してあります。

 グラフが横長なので左右に分けて上下に示しました。
 
 
ポリマスターPM1904で記録したものより鷹取敦が作成

 東京都品川区から成田空港にかけた平均が0.044μSv/h、イスタンブール空港内が0.06μSv/h程度です。

 マラガが0.068μSv/h程度、セビリアが0.072μSv/h程度、グラナダが0.079μSv/h程と東京、成田より少し高めです。コルドバは0.102μSv/h程度とアンダルシア地方の他3都市より少し高くなっています。

 なお、2015年8月バルセロナやマドリードのホテルは屋外より高めでした。今回は屋外とホテルに大きな違いは無いように思われます。

 東京とスペインの屋外の放射線量率の違いは地域差(地面からの自然放射線の違い)、2015年8月に屋外より屋内の方が高く、今回大差が無かったのは、石造りの建物からの自然放射線の有無によるものではないかと考えられます。建材に使われている石等の地域性もあるのかもしれません。

※線量率の数値は、自然放射線の寄与と同程度の範囲では、きちんと較正されたもの同士であっても線量計の機種によって大きく異なる場合があります。