料金後納可、1サンプルから対応可。廉価で高精度の分析サービス 2019/10/2更新
Bureau Veritas Canada(旧Maxxam Analytics)と環境総合研究所(ERI)との技術業務提携

松葉、植物等の有害物質分析サービス
ダイオキシン類・金属類・PAH・PBDE等

国際認証
TCLP分析
水質分析
土壌汚染分析
発生源周辺重金属類詳細調査
松葉調査
固形物分析
その他の分析
分析方法の詳細
  米国環境保護庁(EPA)分析方法(English)

 松葉、植物等に含まれる有害化学物質の測定分析サービスです。

 松葉調査は、松の針葉を生物指標とした大気環境調査に用いられております。

 分析実務は、環境総合研究所の技術・業務提携先であります北米最大規模の国際認証取得機関(カナダのBureau Veritas Canada、旧Maxxam Analitic Inc.)が国際標準の精度管理・精度保証により行います。

 費用には、弊社からラボへのサンプル輸送費、測定分析等が含まれます。

●費用: サンプルの種類及び分析項目をメールにてお知らせいただき御見積を御依頼ください。費用、標準納期、必要な試料の量等をお知らせいたします。
●試料採取: 弊社が提供する専用容器(あるいは指定する密閉袋等)に、依頼者が試料採取を行い、弊社に宅急便などでご送付頂きます。

分析項目の実績

(近年、弊社経由で提携ラボが実施したもの)
下記以外の項目も実施可能です。お問い合わせください。

分析試料

松葉 植物 果物 海藻 食品

(ムラサキイガイ) 
牛乳     

分析項目の例(ダイオキシン類・松葉)

分析項目  分析方法
Dioxins/Frans ダイオキシン(PCDD, PCDF) EPA 1613B
Co-PCB コプラナーPCB EPA 1668A

分析項目の例(金属類・松葉)

分析方法:EPA 6020 / 200.3
Antimony (Sb) アンチモン Lead (Pb)
Arsenic (As) 砒素 Manganese (Mn) マンガン
Cadmium (Cd) カドミウム Metals 金属類
Chromium (Cr) クロム Nickel (Ni) ニッケル
Cobalt (Co) コバルト Thallium (Tl) タリウム
Copper (Cu) Vanadium (V) ヴァナジウム
分析方法:Health Canada Method
Mercury (Hg) 水銀

分析項目の例(PAH・松葉、その他)

分析方法:CARB 429
Acenaphthene アセナフテン Fluoranthene フルオランテン
Acenaphthylene アセナフチレン Fluorene フルオレン
Anthracene アントラセン Indeno(1,2,3-cd)pyrene インデノ(1,2,3-cd)ピレン
Benzo(a)anthracene ベンゾ(a)アントラセン 1-Methylnaphthalene 1-メチルナフタレン
Benzo(a)pyrene ベンゾ(a)ピレン 2-Methylnaphthalene 2-メチルナフタレン
Benzo(b)fluoranthene ベンゾ(b)フルオランテン Naphthalene ナフタレン
Benzo(g,h,i)perylene ベンゾ(g,h,i)ペリレン Perylene ペリレン
Benzo(k)fluoranthene ベンゾ(k)フルオランテン Phenanthrene フェナントレン
Chrysene クリセン Pyrene ピレン
Dibenz(a,h)anthracene ジベンゾ(a,h)アントラセン

分析項目の例(PBDE・松葉)

PBDE

分析項目の例(放射性物質・放射線・松葉、その他)

 分析項目   分析方法
I-131 ヨウソ131 Gamma Spectrometry
Cs-134 セシウム134
Cs-137 セシウム137

参考:松葉中ダイオキシン類分析について


(1)分析対象化学物質
  • ダイオキシン類(PCDD/PCDF)の異性体(TEFがある17種類)、同族体
  • コプラナーPCB及びその異性体(TEFがある12種類及びジオルト2種類)

(2)採取試料必要量
  • 200g

(3)測定分析プロトコル
  • 米国環境保護庁(EPA)及びカナダ環境省(Environment Canada)のプロトコル、D/F Protocol(EPA 8290B)等に準拠。
  • 分析実務にあたる提携ラボBureau Veritas Canadaは、ISO/IEC Guide 17025の超微量化学物質分析の国際認証を取得しています。

(4)測定分析の流れの概要
現場オリジナルサンプリング(試料採取)
(顧客からの採取試料の環境総合研究所への送付)
クリーンアップ
(前処理)
高分解能クロマトグラフ質量分析装置
(HR-GC/HR-MS)による分析
↓ ↑
検 証
報 告

(5)精度管理関連提供データ
  • サンプル毎の Spiked Blankデータ、サンプル毎の Method Blank データ
  • 異性体毎の 13C surrogates のリカバリー(内標準の回収率)データ

(6)データの属性
  • 測定分析は原則として乾重量あたりの濃度。
  • 定量下限値以下のND処理はEPA,WHO,日本方式それぞれを並記

(7)測定分析結果提供データ
  • 1g当たりの異性体、同族体毎の実測値(pg/g)
  • 毒性等量(pg-TEQ/g)
  • 同族体パターン図

参考:PAH 多環芳香族炭化水素について

  米国、カナダ、オランダ、イギリスなど世界の主要先進各国で発ガン性に関連し重要な有害化学物質となっていながら日本でまだほとんど問題となっていないのがPAHです。
<多環芳香族炭化水素(PAHs)関連情報>

参考:PBDE ポリ臭素化ジフェニルエーテルについて


 PBDEは、ダイオキシン類、PCBといった残留性有機汚染物質(POP's)の一種であり、油や脂質によく溶けるため、環境中の残留性や生物濃縮性・蓄積性を持つ化学物質です。芳香環上にある炭素の代わりに臭素が付いており、臭素の数と付く位置によって209種類の異性体と10種類の同族体が存在します。

PBDEの同族体と異性体について
同族体の種類:  Mono, Di, Tri, Tetra, Penta,  
  Hexa, Hepta, Octa, Nona, Deca の10種類 
異性体の種類:   Mono  3種類 Hexa  42種類 
   Di 12種類  Hepta  24種類 
   Tri 24種類  Octa  12種類 
   Tetra 42種類 Nona  3種類 
   Penta 46種類 Deca  1種類 
    合計  209種類 

 これらのうち、Penta, Octa, Deca の3グループは、難燃剤としてプラスチック類や織物製品などの消費財に広く使われています。
 ・ “Penta” 5臭素化は - 泡製品
 ・ “Octa” 8臭素化は - プラスチック製品
 ・ “Deca” 10臭素化は - 電機製品、布/織物類の処理剤
                 (防水加工、難燃処理化工等)
 土壌、底質、大気中の粒子状物質等に吸着しやすい性質をもっているため、人体に取り込まれやすい物質のひとつと言えます。

◆法規制の動向

 リオ地球環境サミットで採択されたアジェンダ21の19章で「有害化学物質の環境上適切な管理」として化学物質管理に関する今後の国際的な取り組み方向・課題についての規定が盛り込まれました。これは事実上PBDEを含む有害化学物質の削減・廃絶を目標としたものであり、PBDEの有害性は世界的に問題視されていることを意味しています。製造工程におけるPBDEの使用はカナダ、EU、米国13州において順次段階的に禁止される見通しとなっています。

 EUではRoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)という特定有害物質使用制限指令(RoHS指令:2003年2月発効)を定め、EU加盟国内で2006年7月1日以降に販売される電気電子製品で対象となるもの(家庭用電気製品、IT機器、電球など)へのこれら6物質の使用は原則として禁止されます。使用を制限される物質は鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール、そしてポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の6項目となっています。

 EUの動向を受けて、カナダでは環境保護法のリスクアセスメント(2004年5月公示)において、PBDEを事実上廃絶すべき残留性有機汚染物質と定義しました。更に、2004年7月から24ヶ月の間に連邦法による規制を定め、その後18ヶ月以内に州レベルの規制実施を行う予定となっています。

 世界各国に電気・電子機器を輸出している日本においても、世界的なPBDEの法規制を受けて、各社で使用の自粛が進みつつあります。工場事業所の作業環境中の濃度や、工場周辺、一般家庭(屋内外)、公共施設内外の環境濃度について実態の把握が必要となっています。


◆環境中の濃度レベル

 北米におけるPBDEの消費量は - 5000 万kg/年(2002年度)と推定されています。一方、北米以外の地域では、北米消費量の 5~10倍の消費があるとされており、一層深刻な状況となっています。
 ちなみに、国内の消費量については、日本難燃剤協会によれば、2000年までに68,000トンが使われたとされています。(2002年7月17日朝日新聞)
 一方、日本市場での販売を基準とするとPBDEのうち、現在でも日本で販売されているのは、デカ(2800トン/2000年)とオクタ(0トン/2000年)であり、それ以外のものは販売実績がないとしています。(日本難燃剤協会Web Siteより)
 PBDEをはじめとする臭素系難燃剤は、焼却処理されることにより、臭素化ダイオキシン類を生成することでも問題視されています。
カナダにおける環境中のPBDE濃度の実態
五大湖の魚 1~10 ng/g 脂肪中 (1975)
500 ~ 1500 ng/g 脂肪中 (2002)
下水汚泥 3~ 24 mg/kg
家庭の埃 10~3000 ug/kg
五大湖の表面水 オンタリオ湖 6 pg/L
ミシガン湖 25~160 pg/L
一般環境大気  南オンタリオ地域 10 ~ 1300 pg/m3 (2002)
北極圏カナダ 2 ~  28 pg/m3 (1994/5)

出典:Maxxam Analytics Inc., Presentation ppt より

 PBDEの特性として、水溶性は低く、油や脂質には生物蓄積性があることが明らかになっています。また、粘着性が高く 土壌、底質、大気中の粒子状物質等に吸着しやすい性質をもっており、主な主な健康影響としては、肝臓や甲状腺への毒性、神経発達毒性 を有しているとされています。イギリスのランカスター大学他の研究者の報告では、母乳中の総PBDE濃度が高く(0.3~69ng/g脂肪当たり)、その健康影響について危惧されています。
 出典: Environmental Health Perspectives Volume 112, Number 10, July 2004
Different Levels of Polybrominated Diphenyl Ethers (PBDEs) and Chlorinated Compounds in Breast Milk from Two U.K. Regions, Olga I. Kalantzi, et al.

◆PBDEの分析

 PBDEの分析方法は、米国環境保護庁(EPA)、オンタリオ州環境省(MOE)、及びカナダ環境省により2003年に開発され提示されました。Beruau Veritas Canadaではそれら公的機関における検討結果を受けて、2004年秋からPBDEの分析サービスを提供し、既に多くの実績を有しています。

 工業製品材料はもとより、環境中の試料(大気・土壌・水質)、さらには、食品・生物組織(血清等)の分析が可能で、分析方法はHRMS法であり、ダイオキシン類と同様の方法を用いる高度な分析サービスです。室内の埃についても掃き集めた物を固形試料として扱うことにより分析が可能です。


分析方法

 Draft Method EPA1614準拠。分析精度を確保するため、別の分析機器を用いて2回分析(一方の機器では、異性体#209の分析を、もう一方の機器ではその他のすべての異性体の分析を)行うこととなっています。そのため、通常のダイオキシン類の分析に比べても時間と費用がかかります。


分析対象異性体(別紙エクセルファイル参照)

 異性体ごとに分析結果を表示します。また、分析精度を示すスパイクブランク、方法ブランク、定量下限値、標準試薬回収率などもすべて一覧で表示されます。

分析対象のPBDE異性体
Decaboromodiphenyl ether
2,2'4,4'-TetraBDE-(47)
2,3',4,4'-TetraBDE-(66)
22'45'Tetra(49)+23'4'6TetraBDE(71)
2,2',3,4,4'-PentaBDE-(85)
2,2',4,4',5-PentaBDE-(99)
2,2',4,4',6-PentaBDE-(100)
22'344'5'-HexaBDE+2344'56-HexaBDE
2,2',4,4',5,5'-HexaBDE-(153)
2,2',4,4',5,6'-HexaBDE-(154)
2,2',3,4,4',5',6-HeptaBDE-(183)
2,3,3',4,4',5,6-HeptaBDE-(190)


関連情報

2003年8月、米国ボストンで開催された国際ダイオキシン会議のMAXXAM社展示ブースにて
【排ガス調査】
松葉を用いた焼却炉稼働前後の大気中ダイオキシン類計測調査
【大気調査】
  全国松葉ダイオキシン調査
【海水調査】
全国ムラサキイガイダイオキシン調査
【ダイオキシン関連情報】
ダイオキシン類総合研究
ダイオキシン海外文献

■お問い合わせ先■

ERI 株式会社 環境総合研究所

〒152-0033 東京都目黒区大岡山1-31-9-401 TEL 03-6421-4610, FAX 03-6421-4611
連絡先メールアドレス:office@eritokyo.jp

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