地形・建築物を考慮した本格的な
3次元流体モデルシミュレーション支援システム
 
対応OS MS-Windows 95/98/98SE/Me/NT/2000
対応機種 CPU:PentiumMMX/II 程度以上,RAM:128MB以上(256MB推奨), HDD:200MB空き以上
 建築物・地形の起伏等は風況、大気汚染の拡散場に大きな影響を与えます。しかし、環境影響評価、生活環境影響調査等で国内において一般的に用いられている、正規プリュームモデル(有風時)・パフモデル(無風時)では建築物・地形による影響を考慮した予測・ 評価を行うことはできません。 本システムが対応している流体シミュレーションモデルは、風洞実験によって検証された有限差分法によって移流拡散を記述する高度なモデルであり自動車排ガス(インターチェンジ、ジャンクション、高架・平坦併設道路)、一般廃棄物排ガス、産業廃棄物焼却炉排ガス、 最終処分場からの飛灰の飛散、大規模マンション建設による風況への影響等多くの実績がございます。

周辺地形に起伏のある地域、周辺に建築物のある地域における焼却炉排ガスの影響予測
大気汚染濃度実測結果を活用したInverse Modeling Simulation(逆シミュレーション)による排ガス濃度の推定
廃棄物最終処分場(埋め立て場)からの焼却灰・飛灰の周辺地域への飛散予測
高層商業・業務ビル、高層マンション、都市再開発に伴う複合建築物の建設による風況への影響予測
高架・平坦併設道路による大気汚染への影響予測
沿道建築物による大気汚染への影響予測
インターチェンジ・ジャンクション等の構造物による大気汚染への影響予測
イメージスキャナで読み込んだ地図を利用して地形・建物データ作成するシステム
様々な計算条件を設定し、煩雑な計算進行、重合・確認作業を一元管理できるプロジェクト管理システム(Inverse Modeling Simulation支援機能対応)
予測結果を自由な方向・距離から3次元表示あるいは2次元断面表示し、任意の地点および任意の高さの風向/風速/濃度表示システム

Super AIR/DYNAと他システムとの連携の例

本システムの活用事例

東京都日の出町矢戸沢処分場から周辺地域への飛灰の飛散シミュレーション(環境総合研究所自主研究より)

風の流れのシミュレーション結果の例
飛散した飛灰濃度のシミュレーション結果の例

神奈川県芦名産廃処分場からのの飛灰の飛散シミュレーション
(環境総合研究所自主研究より)


「サッポロビール工場跡地再開発に伴なう環境事後調査」(恵比寿三丁目環境対策協議会委託)関連環境総合研究所自主研究より

北風の場合の地表面の風況
(南南東方向より北北西を臨む)
矢印の方向が風向を、長さが風速を表している。
高層建築物の谷間に沿って強い風が現れているのが分かる。
また、高層建築物の風下側では風速が低下するため大気汚染が滞留しやすくなる。
実際の計画
低層の場合(再開発前と同程度の高さ)
北風の場合の地表面の風況
(北西方向より南東を臨む)
矢印の方向が風向を、長さが風速を表している。
奥、右手から中央奥へ伸びている窪み(堀割)の下を山の手線が走っている。
実際の計画
低層の場合(再開発前と同程度の高さ)
北風の場合の地上100mの風況
(北西方向より南東を臨む)
航空写真(参考)
左中、左下図とほぼ同じ角度から撮影した写真(環境影響評価事後調査報告書より)


高架(自動車専用道)・平坦(一般道)併設道路における自動車排ガスの拡散シミュレーションの例(環境総合研究所自主研究より)

南から北方向を臨む

高架自動車専用道路および一般平坦道路(幹線)が南北に伸びている。画面上から三分の一付近左右方向(東西方向)にも交通量は多くないものの一般道路が伸びている。
北西方向から風が吹いている場合に大気汚染の拡散状況のシミュレーション結果。
北から南方向を臨む

手前から奥に高架道路が伸びている。左奥には鉄道の高架構造(部分)が見えているのが分かる。
風は右手前から左奥に向かって吹いている。
大気汚染は地表面(および建物の上側表面)の濃度を色で表している。
高架構造下側に大気汚染が高濃度となっているのが見て取れる。
高さ方向の濃度分布

上図と同じ角度から、高さ方向の濃度分布および風向・風速を表示した。
任意の断面においてこのような表示が可能である。
地上付近において高濃度となっており、特に高架構造の風下側で濃度が高いのが分かる。
これは風上側の建築物および高架構造の両方の影響を受けていることによる。
2次元断面表示

上図と同じ断面を2次元で表示したもの。
構造物と風向・風速、大気汚染濃度の関係が分かりやすく表示されている。
X方向、Y方向(地面に垂直な断面)およびZ方向(地面に平行な断面)の任意の位置について表示を行うことができる。

本システムの操作手順

厚木基地周辺の産廃焼却場からのダイオキシン類大気汚染シミュレーションの作業手順

対象煙源周辺の地形の航空写真
(環境総合研究所撮影)
地形および建物データのコンピュータデータの構築
大気拡散シミュレーションモデルの地形データへの変換
3次元流体シミュレーションによる風向・風速のシミュレーションの実施結果の一例(矢印の方向が風向、長さが風速を表している)
計算結果のメッシュ表示イメージ
左:3次元表示
下:2次元断面表示
(南北方向の断面図)


1.予測・評価の対象物質

・SOx、NOx、CO、HC、HCl、Dust、ダイオキシン類、他の大気汚染物質

2.予測モデル

(1) 基本予測式 ・有限差分法によるモデル(風洞実験によって検証)
(2) 中長期平均予測方法 ・16方位、32方位等任意の風向分類、風速階級別出現頻度の考慮
(3) 有効煙突高モデル ・有風時: CONCAWE式、Moses & Carson式、Bosanquet I式
・無風時: Briggs式 ※その他、応カスタマイズ

3.予測対象時間

(1) 短期予測 1時間平均濃度の予測:特定風向、特定風速
任意の角度の風向、風速を設定可能
(2) 中長期予測 日平均、月平均、季節平均、年間平均濃度予測:気象データ(風向、風速階級)の出現頻度を考慮した重合計算
標準で風向16方位×風速階級4階級の出現頻度に設定可能
ただし風向分類、風速階級分類は任意に設定可能

4.座標設定、地形・建物データ作成

(1) メッシュ数

平面方向(120×120程度)×高さ方向50程度が標準最大

(2) メッシュ規模 1メッシュあたり1m〜数kmまで部分ごとに任意に設定可能(可変メッシュ)
(3) 予測対象空間 上記の組み合わせで広域(最大数km×数km程度)まで対応可能
(4) 地形・建物データ イメージスキャナで読み込んだ地図上の等高線をマウスでなぞることによって、自動的にスプライン補間計算によって地形データの構築が可能
イメージスキャナで読み込んだ地図上の建物の形状をマウスでなぞり、高さを指定することによって、地形データ上にを建物データの構築が可能
一度入力した地形・建物の基本データを用いて、任意のメッシュ数、メッシュ幅の地形・建物データの再構築を簡単な操作で何回も行うことが可能
(5) 煙源座標設定 メッシュ単位で3次元空間に自由に設定が可能。
(6) 最大煙源数 100以上(メモリ容量およびCPU速度に依存)

5.関連予測

(1) 排ガス濃度推定(Inverse Simulation:逆シミュレーション)

煙源の周辺地域における大気汚染の測定結果を活用し、流体シミュレーションモデルを活用して排ガス中の大気汚染濃度を推定します。

大気汚染の測定結果を測定期間全体、高濃度期間、低濃度期間と分けて、それぞれInverse Simulationを行うことにより、排ガス濃度の変動の幅を推定することが出来ます。
廃棄物焼却炉は連続運転して安定燃焼している時と、短期休止後の立ち上げ時、長期休止後の立ち上げ時では濃度が大きく変動します。排ガス濃度の法律による測定では安定燃焼している4時間のみを対象としますので、排ガス濃度測定結果だけでは排ガス濃度の変動や年間の平均を知ることはできません。

さらにInverse Simulationによる排ガス濃度推定結果を排出条件に当てはめることにより、周辺地域における大気汚染濃度の分布が分かります。

本モデルによるInverse Simulationは、環境総合研究所(東京都品川区)が米海軍厚木基地周辺産業廃棄物処理施設から排出されるダイオキシン類濃度の推計のために開発した手法で、平成12年9月に調査報告書が横浜地裁に証拠として提出され、債権者(原告)側証人として青山所長に対する証人尋問が行われました。
(2) 感度分析 排ガス量、排ガス温度、煙突高、地形、建築物等を変更した場合、煙源を追加した場合など、各種条件を変更した何度も計算を実施することにより感度分析が可能

6.結果出力(システム)

(1)

グラフィックス表示

・3次元風向・風速、濃度表示(任意の方向、高さ、距離、拡大率の立体表示)
・2次元断面風向・風速、濃度表示(X,Y,Z方向の任意の位置、地表面)

(2) 任意の地点のデータ表示
・任意の位置、任意の高さの濃度、風向・風速データをマウスカーソルで指し示すだけで表示可能

7.データベース機能

(1) データ入力

予測画面上の煙源位置を確認しながら煙源に関わる諸条件を入力

(2) データ修正 データ入力と同様の方法で煙源データを修正・変更
予測画面上からマウスで任意の煙源を指定して煙源データを表示・修正することが可能

8.プロジェクト管理機能

(1) 計算手順の設定

予め計算条件を設定することにより、複数の気象条件による計算を自動的に実施し、重合を行います。

(2) 計算進捗状況の管理
自動計算に加え、計算結果が収束しなかった場合の判定、パラメータ変更の履歴等を管理し一元化することにより、煩雑な計算に関わる作業を軽減します。
■お問い合わせ先■
株式会社 環境総合研究所
〒152-0033 東京都目黒区大岡山1-31-9-401
TEL 03-6421-4610, FAX 03-6421-4611

連絡先メールアドレス: office@eritokyo.jp
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