廃棄物関連施設
環境モニタリング

Monitoring on Incinerator
and Final Disposal Sit
e


株式会社 環境総合研究所
(東京都品川区)
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土壌汚染・地下水汚染の
現況及び事後調査
(環境モニタリング)

【調査の目的】


 
生活環境影響調査の調査項目は、施設の種類によって以下の表ように定められている。
 
(出典:「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針の解説」厚生省監修、平成10年発行)

 この生活環境影響調査では、廃棄物の処理場・処分場の紛争において絶えず議論、問題となってきた重要な項目が抜け落ちている。 それは、「土壌汚染」「地下水汚染」
である。

 土壌汚染と地下水汚染の重要2項目を除外した環境アセスや生活環境影響調査の現況調査や事後調査は、日本における廃棄物処理処分施設の実態をまったく反映していないことになる。

 従って、現況調査や事後調査では、敷地およびその周辺における「土壌汚染」と「地下水汚染」の実態を調査することが重要となる。

表A 焼却施設における調査事項
調査事項 生活環境影響調査項目 生活環境影響要因
煙突排ガスの排出 施設排水の排出 施設の稼動 施設からの悪臭の漏洩 廃棄物運搬車両の走行
大気汚染 二酸化硫黄(SO        
二酸化窒素(NO      
浮遊粒子状物質(SPM)        
塩化水素(HCl)        
ダイオキシン類        
その他必要な項目      
水質汚濁 生物化学的酸素要求量(BOD)または
化学的酸素要求量(COD)
       
浮遊物質量(SS)        
その他必要な項目        
騒音 騒音レベル      
振動 振動レベル      
悪臭 特定悪臭質濃度、
臭気指数(臭気濃度)、
または臭気強度
     

表B 最終処分場における調査事項(管理型:○、安定型:◎、遮断型:●)
調査事項 生活環境影響調査項目 生活環境影響要因
施設からの浸出水の流出、又は浸出液処理設備からの処理水の放流 施設(浸出液処理施設)の稼動 埋立作業 施設(埋立地)からの悪臭の発生 廃棄物運搬車両の走行
陸上埋立 水面埋立
大気汚染 粉じん、ばいじん及び
粒子状物質(粉じん等)
      ○◎   ○◎●
その他必要な項目           ○◎●
水質汚濁 生物化学的酸素要求量(BOD)          
化学的酸素要求量(COD) ○◎        
全りん(T−P)
全窒素(T−N)
○◎        
その他必要な項目 ○◎ ○◎        
騒音 騒音レベル     ○◎●   ○◎●
振動 振動レベル     ○◎●   ○◎●
悪臭 特定悪臭質濃度、
臭気指数(臭気濃度)、
または臭気強度
        ○●  

【調査の方法:重金属汚染の分析の方法〜

 土壌汚染の分析は、ダイオキシン類をのぞき、わが国では欧米の先進各国で常識となっている「含有濃度分析」でなく、「溶出濃度分析」となっている。しかもこの溶出濃度分析には、以下に示すように決定的な欠陥が指摘されている。したがって、土壌汚染の分析では、溶出分析ではなく、含有濃度分析を実施すべきである。

 重金属の測定分析方法には大別して溶出分析と含有分析がある。

 日本の重金属分析では、従来、溶出分析に対応した基準しかない。しかも日本の溶出分析を定める環境庁告示では「試料液をpH5.6から6.3に調整し」とある。これは、アメリカ(pH4)、オランダ(pH4及びpH7)、ドイツ(pH4)、スイス(pH4.0〜4.5)のように、酸性液による調整でないため、溶出率がきわめて低いことが専門家*から指摘されている。その結果、アメリカ、オランダ、ドイツ、スイスの重金属の溶出分析に比べ、日本の環境庁告示の溶出分析では重金属類が非常に検出されにくくなっている。

  * たとえばゴミ弁連会長の梶山正三弁護士(理学博士)は以下のように述べている。

「日本の溶出分析は非常に問題があるということを私はどこでも言っていっています。日本の溶出分析は、要するに、土壌なり底質から重金属がどのように溶け出してくるのか、試料を乾かし、細かくし、それをpH(ペーハー)5.8〜6.3溶液のなかにいれ、それを6時間ふるわけです。通常は酸性でやらなくてはいけません。というのは、重金属はアルカリ性では溶け出ないからです。だから酸性で溶け出してくるかどうかが重要なのですがが、環境庁告示第13号、第46号ではpHが酸性でないため原理的に溶出しないのです。環境庁告示第13号は土壌環境基準で、第46号が廃棄物をそのままうめていいかどうか、有害性があるかどうかというのをみるときに使います。どちらも液pH(ペーハー)は5.8〜6.3です。それに対してTCLPはアメリカの方法、Total Availabilityはオランダの方法です。オランダではpH7と4で行い両方合わせ何もでなくなるまで分析するという、しつこい方法となっています。またスイスは、だいたい4で行っています。日本はだいたい6です。pHが2違うとだいたい100倍違います。それで、この上のグラフですが、だいたいpHペーハーが2違うと溶け出してくる濃度が100倍違います。そういうデータなんです。」
表1 溶出試験における溶出液pH濃度の比較
固液比 液pH pH調整 ろ過
環境庁告示第13号 10 5.8〜6.3 1μm
環境庁告示第46号 10 5.8〜6.3 0.45
TCLP(アメリカ) 20 4 酢酸 0.45
Total Availabitity(オランダ) 50 4及び7 硝酸 0.45
スイス 10 4.0〜4.5 炭酸ガス 0.45
ドイツ 8 4 硫酸 遠心分離

 一方、先進各国における重金属の分析は含有分析が主流となっています。

 その理由は、溶出の方法以外に、土壌、底質などサンプルの種類、性質により溶出濃度が著しく異なることがあるからである。 市街地土壌汚染分野の先進国では、土壌に含まれる重金属の分析結果をもとに、環境リスクや健康リスクを評価するガイドラインや基準が作成され利用されている。たとえばドイツでは連邦土壌保護法において含有濃度を対象とした重金属類の評価ガイドライン、予防ガイドラインが設定されている。表2は、ドイツの連邦土壌保護法の保護令に定める含有濃度の試験値、また表3は予防値である。また表4は、国際再開発土壌汚染検討委員会の土地利用毎の重金属の推奨値でる。いずれも含有濃度を対象としたガイドラインである。        

表2  ドイツ連邦土壌保護令に定める試験値
(曝露経路:土壌→人体)
対象はすべて含有濃度 mg/kg
子供の遊び場 住宅地 公園・余暇施設 産業用地
ヒ素 25 50 125 140
200 400 1000 2000
カドミウム 10 20 50 60
シアン化合物 50 50 50 100
クロム 200 400 1000 1000
ニッケル 70 140 350 900
水銀 10 20 50 80
    (出所)Bodenschutz-und Altlastenverordnung Anhang 2

表3  ドイツ連邦土壌保護令に定める予防値
(mg/kg  乾量、細砂、王水溶解)
カドミウム クロム 水銀 ニッケル 亜鉛
地質白土 1.5 100 100 60 1 70 200
地質粘土 1 70 60 40 0.5 50 150
地質砂 0.4 40 30 20 0.1 15 60
注) 自然的に、又は広域的な居住圏の影響でベース値が高い土壌の場合当該有害物質を放置しておくことや、法規命令第8条第2項、2項で定める追加的な物質投入によって、土壌機能に負の効果がない限りにおいて対象外
表4 ICRCLの重金属類土地利用別推奨値(Recommendation Level)
()はICRCLのガイドライン値 単位:mg/kg
遊び場 庭園 運動場 公園 農地
砒素 20〜25 20〜40
(10)
35
(40)
40
(40)
40
カドミウム 2〜10 1〜2
(3)
2
(15)
4
(15)
2
クロム 50〜200 70〜100
(600)
150
(1000)
150
(1000)
200
50 50
(130)
100 200 50
水銀 0.5〜1.0 2
(1)
0.5
(20)
5
(20)
10
ニッケル 40〜70 70〜80
(70)
100 100 100
200 200〜300
(500)
200
(2000)
500
(2000)
500
亜鉛 300 300
(300)
300 1000 300
ICRCL:International Committee on the Redevelopment
Contaminated Land, UK body, which set guideline
values for contaminated land in 1987
注) ICRCLリストは、砒素、カドミウム、クロム、鉛、水銀について、汚染によりハザードがもたらされる値を示したものである。
銅、ニッケル、亜鉛については、植物の成長に対しては有害だが、通常は人の健康へのハザードはないとされている。
環境アセス・生活環境影響調査に対する追加調査の提

 環境総合研究所では、生活環境影響調査に対し以下の各調査の追加を提案します。

○地形・建築物・構造物を考慮した2次元、3次元大気汚染シミュレーション

 境界条件の設定の難度、気象、地形、建築物データの入手可能性により調査費用は異なります。
ご相談ください。

○土壌汚染・地下水汚染の現況調査、事後調査

 土壌・地下水汚染については、技術・業務提携先の化学物質分析機関による精度が高く、適正費用の測定分析が可能です。土壌、地下水の現況調査の概要を以下に示します。

土壌、底質、地下水、排水、環境水
ダイオキシン類
コプラナーPCB類
全PCB
揮発性有害化学物質
半揮発性有害化学物質
農薬
重金属類 シアン、砒素、六価クロム、カドミウム、クロム、鉛、水銀等
参考  ダイオキシン・有害化学物質分析サービス

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TEL 03-6421-4610, FAX 03-6421-4611

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