AUKUSは世界に 「原子力潜水艦(所有)熱」をもたらす 環球時報 GT 2021年9月16日 AUKUS to bring ‘nuclear-powered submarine fever’ across globe: Global GT Editorial 16 Sep 2021 翻訳：池田こみち（環境総合研究所顧問） 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年9月18日 |
 2021年9月15日、ワシントンDCのホワイトハウスのイーストルームで行われたイベントでスピーチするジョー・バイデン米大統領。バイデン氏は、オーストラリアのスコット・モリソン首相（左）と英国のボリス・ジョンソン首相（右）と共同で、新たな国家安全保障イニシアチブを発表した。写真はAFP 本文 米国のジョー・バイデン大統領、英国のボリス・ジョンソン首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相は、３ヵ国が "AUKUS "と呼ばれる強化された３国間の安全保障パートナーシップを形成することを水曜日にほぼ同時に発表した。 これは、米国が中国に対抗する新たな同盟関係を構築しようとする試みであると考えられている。この協定は、オーストラリアの原子力潜水艦の取得を支援し、インド太平洋地域での原子力潜水艦のパトロールを可能にするものである。 ホワイトハウスは、この提携が、米国のヨーロッパの同盟国がインド太平洋地域での協力に焦点を当てるようになった最初のステップであることを示唆している。 米国はヒステリックに同盟システムを二極化している。外力を使って、オーストラリアのような「中堅国」を原子力潜水艦を保有する防衛レベルに押し上げることは、世界中の中堅国に強いアピールになる。ワシントンは、オーストラリアの原子力潜水艦は核兵器を搭載しないと主張しているが、そのような制限は信頼できない。もともと原子力潜水艦は、戦略的な打撃手段として設計されている。 米英がオーストラリアの原子力潜水艦の巡航能力獲得を支援すれば、すべての国が原子力潜水艦を保有することを事実上合法化することになる。これは、関連技術の国際的な輸出が合法化されることも意味する。 ワシントンが大国間競争を煽れば、より多くの地域が緊張の高まりに巻き込まれることになる。原子力潜水艦の保有は、世界共通の誘惑となるだろう。世界は 「原子力潜水艦フィーバー 」の到来に備える必要がある。 ワシントンは、同盟国を集めて中国に対抗しようとすることで正気を失い、コントロールできないほどの反目と破壊を引き起こしている。裏目に出る可能性を真剣に評価することなく、中国を攻撃することに没頭している。 世界全体で最も安定した時期の一つを横切るアフガニスタンでの戦争は、米国に恥をかかせた。もし世界が本当に混沌としたものになれば、アメリカがさらに転落するような挫折が待ち受けているだろう。 中国とオーストラリアの間には、かつて遺恨は無かった。地理的な距離があるので、地政学的な対立もない。しかし、中米戦略ゲームの中で一方的に米国寄りの政策をとることで、オーストラリアは中国の敵対国になってしまった。現在、オーストラリアは、明らかに中国を標的とした原子力潜水艦の巡航を行うことで中国との対決をエスカレートさせている。 しかし、オーストラリアがどのように武装しようと、アメリカの走狗（手先）であることに変わりはない。我々は、キャンベラが原子力潜水艦と攻撃型ミサイルを手に入れれば、中国を威嚇できる能力があると考えないように忠告する。もしオーストラリアが、そのために中国をより露骨に挑発したり、軍事的な欠陥を指摘するなら、中国は必ず容赦なく罰するだろう。 アメリカ主導の戦略的な中国包囲網に参加するオーストラリアは、自己認識を持ち、自分の力に見合った立場を取るべきである。米国への忠誠心を誇示し、米国の反中戦略の中で最も目立つ位置を占め、特に軍事的に自己主張をすれば、キャンベラは北京の対抗措置の対象となり、他の国に警告を発することになる可能性が高い。したがって、オーストラリア軍は、南シナ海で命を落とす最初の欧米人兵士になる可能性も高い。 最近、キャンベラの一部では、オーストラリアのミサイル防衛システムを提案している。私たちはこれが必要だと考えている。なぜなら、キャンベラは台湾海峡で戦争が起こった場合、軍隊を派遣することを意図しているからだ。 オーストラリア内務省のマイク・ペズーロ長官は4月、職員へのメッセージで「戦争の太鼓」が鳴っていると警告した。ABCニュースによると、ペズーロ長官は、オーストラリアは「またしても、我々の戦士たちを戦いに送り出す」準備をしなければならないと述べた。オーストラリア軍が台湾海峡や南シナ海で人民解放軍と戦えば、オーストラリアの軍事目標は必然的に中国のミサイルの標的となる。オーストラリアが反中国の急先鋒となった以上、最悪の事態に備えるべきである。 アメリカとその同盟国は世界を混乱させている。核兵器の不拡散という最重要課題にまで手を出している。ここで、興味深い質問がある。世界の混沌に耐えられるのは誰か？中国か、それとも彼らか？ |