731部隊第2代隊長の米軍への供述書を公開 細菌兵器の研究と使用を認める 人民日報日本語 2021年8月16日 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年8月17日 |
北野の供述書の一部(コピー)。 原本は米国立公文書館にある。取材対象者提供。 中国侵略日本軍第731部隊罪証陳列館は15日、中国侵略日本軍第731部隊(以下「731部隊」)の第2代隊長・北野政次が米フォート・デトリックの調査官による尋問を受けた後、米軍に提出した17ページの供述書を初めて公開した。 北野は731部隊の5つの側面について体系的に供述するとともに、細菌兵器を研究・使用し、人体実験を行ったことを認めている。新華社が伝えた。 中国侵略日本軍第731部隊罪証陳列館の金成民館長によると、1945年8月の日本降伏後、北野は上海で捕らえられ、捕虜収容所に収監された。連合国軍総司令部の情報機関の調整により、北野は1946年1月9日に日本に送還された。 北野は帰国後、フォート・デトリックから派遣された日本細菌戦担当調査官による尋問を受け、その後、731部隊による細菌戦と人体実験に関する供述書を米軍に提出した。 金館長は、「米国が北野の引き渡しを望んだのは、731部隊の核心的機密を握る上層部を決して他所に渡してはならないと考えたからだ。その目的は、731部隊による細菌戦や人体実験などデータ資料の独占的奪取だった」と指摘する。 北野の供述書の一部(コピー)。 原本は米国立公文書館にある。取材対象者提供。 北野による供述書の原本は米国国立公文書館にあり、731部隊創設者の石井四郎、731部隊の任務、編制、研究成果、細菌兵器という5つの側面について体系的に供述している。 供述書で北野は、「石井中将は関東軍勤務令の指示していない事についても研究を行った。細菌兵器の研究を秘密裏に行うよう一部人員に指示した。当初は感染症予防の観点から研究を行っていたが、その後、国際人道主義等に反する細菌兵器の研究を行い始め、秘密部隊となった」と供述している。 金館長は、「北野は供述書で、最初は731部隊の犯罪行為を日本の国家行為ではなく石井四郎個人の行為と言っており、自らの責任を極力逃れ、隠蔽していたが、後に尋問でフォート・デトリックの調査官の目的が自分を罰することではなく、細菌戦などデータ資料の入手であることが明らかになると、より多くの自白を始めた。 北野が戦時中に日本の医学・薬学誌に発表した論文は、これまでに確認されたもので59件に達している。うち少なくとも2件で生きた人間を実験対象にしており、人体実験を隠すために『猿』などの言葉を使った医学論文もある」と指摘する。 専門家はこの供述書について、「中国侵略日本軍による細菌戦発動という人道に対する罪を明らかにするだけでなく、731部隊の細菌戦などのデータ資料を入手するために米国がダブルスタンダードを取っていたことも十分に示すものだ」と指摘している。(編集NA) 「人民網日本語版」2021年8月16日 |