ソ連崩壊の教訓は「中国が社会主義を うまく発展させるのに役立つ」 米国はソ連の誤った道を繰り返して いることに気づいていない:専門家 楊生、陳慶慶, 環球時報 2021年12月26日 Lesson of Soviet Union’s collapse ‘helps China develop socialism successfully’, US doesn’t realize it’s repeating the wrong path of Soviet Union: expert By Yang Sheng and Chen Qingqing Global Times 翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授) 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年12月27日 |
2021年4月22日撮影、ロシア・モスクワのレーニン霊廟で行われた革命指導者の生誕151周年を記念する献花式でのウラジーミル・レーニンの肖像画。写真:新華社通信 1988年、プライベートビデオサロンでポスターを見るソ連邦の人々。写真 AFP 本文 旧社会主義超大国ソ連(USSR)は1991年12月25日に崩壊し、ソ連とは異なる中国の特色ある社会主義の道を選んだ大国中国は、購買力平価ベースで最大の経済大国となった。 また、西側資本主義モデルを選択せずに近代化・工業化を実現しようとしている最も強力で成功した社会主義国であり、米国から見れば「最も重要な戦略的競争相手」でもある。 中国人は30年前の崩壊を複雑な思いで受け止めており、その結果、一連の悲劇に見舞われたロシア国民に同情しているが、赤い巨人の崩壊は中国が中国の特色ある社会主義を発展、改善し続けるための貴重な教訓であるとも感じている。 世界各地のオブザーバーや学者の間で議論が盛んなように、ここ数日、中国のメディアやソーシャルメディア上でも、中国の専門家や評論家、一般人がソ連崩壊の遺産を評価する議論が盛んだが、彼らの声は欧米のそれとはかなり異なっている。 冷戦の「勝者」として米国を描く米国をはじめとする西側諸国の多くのメディアや学者は、ソ連の崩壊をその社会主義路線に起因するとし、その選択が軍拡、大国主義、経済改革の失敗といった過ちを引き起こしたと必死に主張している。 しかし、中国では、社会主義は正しく、ソ連がファシズムを打ち破り、超大国を建設する上で有効であったとする見方が主流である。中国の専門家は、ヨシフ・スターリン以降のソ連の指導者が社会主義の道から逸脱し、さらにはソ連の道と国民を裏切ったことに誤りがあったとし、今日の中国の成功がこの見解の正しさをさらに強めていると強調している。 貴重な教訓 中国社会科学院元副院長の李勝明氏は環球時報の取材に対し、「ソ連が崩壊した理由については、世界中からさまざまな説明があるが、『スターリン主義』、つまり『ソ連の社会主義モデル』が根本原因だとする説明が支配的であり続けている」と指摘した。 「しかし、中国では、多くの研究と多くの議論を経て、スターリン主義が根本原因ではない、本当の理由は、ニキータ・フルシチョフからミハイル・ゴルバチョフまで、ソ連の指導部が徐々にマルクス主義、社会主義、圧倒的多数の国民の根本利益から逸脱し、ついには裏切ったからだ、という共通認識に達している」と 李は指摘した。 ソ連の崩壊をスターリンやレーニン、スターリンの築いた社会主義モデルのせいにするのは無責任だと李さんは言う。 「このモデルは完璧ではなく、改革が必要だったが、ソ連はこのモデルの下で工業化、第二次世界大戦の勝利、戦後復興の成功といった大きな目標を達成した」と李は述べた。 ソ連崩壊の原点はフルシチョフが始めた改革であり、問題に対処できなかったからだ。それどころか、ソ連の社会主義の基本的な政治・経済システムを徐々に否定し、ゴルチョフ時代になると、指導部は完全にマルクス主義を裏切り、後戻りのできない道を選んだと専門家は指摘する。 中国のアナリストによると、ソ連の指導者は当初の志を裏切っただけでなく、他国との権力闘争に巻き込まれ、中国を含む社会主義圏内の同志をいじめ、脅し、軍拡を追求し、アフガニスタンのような他国への侵略までするのではなく、人民に奉仕するということが彼らの中核的任務であるということも忘れてしまったという。 中露人民大学サンクトペテルブルク校の副校長兼研究員である王献菊氏は、「ソ連は宇宙に衛星を送り、地政学的影響圏を拡大することはできたが、食料、繊維、日用品の不足という問題を解決できず、社会紛争をさらに助長した」と述べている。 |