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最近のイスラエル・パレスチナ紛争の原因は?
アルジャジーラ 2021年5月12日
 What led to the most recent Israel-Palestine escalation?
Global Times: 2021-05-12

翻訳:池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月13
日 公開 


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ガザでは、イスラエルの空爆により煙と炎が上がり、暴力行為が激化している。
[Ibraheem Abu Mustafa/Reuters]。

リード文

パレスチナ人の家族が追放されたことへの抗議と、イスラエルによるアル・アクサ・モスク施設への空襲が、イスラエルによるガザへの激しい爆撃に先立って行われた。

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 イスラエル軍によると、ガザからイスラエル国内の様々な場所に向けて約1,500発のロケット弾が発射され、少なくとも6人のイスラエル人が死亡した。

 この戦闘激化は、2014年にイスラエルが7週間にわたって行ったガザへの戦争以来、最も激しいものとなった。ここでは、最近の暴力の再燃の原因について解説する。

シェイク・ジャラの追放

 東エルサレムを占領しているシェイク・ジャラー地区にいるパレスチナ人家族が、1972年以来、複数の入植者支援組織によって起こされた複数の裁判に直面し、強制的に追放されていることに怒りが高まっている。

 これらの組織は、一家が住んでいる土地はもともとユダヤ人の所有地であったと主張しているが、パレスチナ人はこれを、エルサレムにユダヤ人が多数を占めるようにするために、できるだけ多くのパレスチナ人をエルサレムから追い出そうとするイスラエルの公式政策の延長線上にあるものと考えている。

 国連は、今回の追放計画が「戦争犯罪」にあたると警告している。


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2021年5月10日(月)、イスラエルの右派クネセット議員が東エルサレムのシェイク・ジャラ地区を訪問した際、パレスチナ人がイスラエルの警察官ともみ合いになる(AP Photo/Sebastian Scheiner)。

 パレスチナ人とイスラエル人入植者、イスラエル警察との間の抗議行動や衝突は、4月末から着実に増加している。イスラエルの裁判所は2020年10月、パレスチナ人の4家族に家を明け渡すよう判決を下し、5月2日を強制立ち退きの期日とした。しかし、その後、裁判期日は2度にわたって延期されている。

 最近では、パレスチナ人がラマダンの断食明けのイフタールの食事のために、立ち退きを迫られている家に集まり、対立することもあった。追い出された家族は、イスラエルの最高裁判所に上告した。木曜日の夜には、少なくとも30人が負傷し、15人が逮捕された。

アル・アクサ・モスクでの衝突と急襲

 金曜日、イスラム教の第三の聖地であるアル・アクサ・モスクには、ラマダン最後の金曜日ということもあり、数万人のイスラム教徒が礼拝に訪れ、多くの人々が追放に抗議するために残った。

 厳重に配備された警察は、ゴム被覆弾やスタン・グレネード(殺傷を目的としない手榴弾)を発射し、それに反応したデモ参加者は投石した。これによって約205人のパレスチナ人と17人のイスラエル人警官が負傷した。


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エルサレム旧市街にあるアル・アクサ・モスクでイスラエル軍と衝突するパレスチナ人。[File: Mahmoud Illean/The Associated Press]

 暴力的な週末を経て、イスラエルの治安部隊は月曜日、アル・アクサの敷地内で奇襲(フラッシュ・レイド)を行い、集まった参拝者に向けてゴム弾、催涙ガス、サウンド・ボンブ(騒音爆弾?)を再び発射し、国際的な怒りを呼び、300人以上のパレスチナ人が負傷した。また、約20人のイスラエル人警官が負傷した。

 その後、ハマスはイスラエルに対し、現地時間午後6時(GMT15時)までにアル・アクサとシェイク・ジャラー地区から治安部隊を撤退させるよう最後通告したことを発表した。

◆イスラエルの空襲、ハマスのロケット弾

 イスラエル軍によると、火曜日の早朝までに、ハマスがイスラエルに向けて約200発のロケット弾を発射し、そのうち数発はエルサレムを狙ったもので、その多くはイスラエルの防衛システム「アイアンドーム」によって阻止されたが、少なくとも2人のイスラエル人が死亡した。


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水曜日、ガザ市に対するイスラエル軍の空爆後に立ち上る煙。
[File: Khalil Hamra/The Associated Press]

 一方、イスラエル軍の空爆はアパートなどを攻撃し、子供を含む少なくとも26人のパレスチナ人が死亡した、とガザの保健当局が火曜日に発表した。

 イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相は、国際的社会からの段階的戦闘縮小の呼びかけにもかかわらず、火曜日にガザへの「攻撃の威力と頻度の両方を増加させる」と発表した。

 ハマスの指導者イスマイル・ハニヤは、イスラエルにより包囲されたガザ地区への攻撃を強めた場合、ハマスは「準備ができている」と調停委員に語った。「彼ら(イスラエル)が攻撃の激化を望むなら、抵抗勢力は準備ができているし、彼らが停止を望むなら、抵抗勢力はそれに対しても準備ができている」と述べた。

 一方、国連の中東和平プロセス特別調整官であるトー・ウェネスランド(TorWennesland)氏は、状況は「全面戦争」に向かってエスカレートしていると警告している。