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故郷の月は明るく、安堵して帰路につく
原題:月是故乡明,心安是归途
孟晩舟 Meng Wanzhou

 中国語から日本語共訳:青山貞一・池田こみち
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年9月29日


孟晩舟(Meng Wanzhou)
来源:中国中央電視台(CCTV)


 孟晩舟は、友達に囲まれる中、「故郷の月は明るく、安堵して帰路につく」というタイトルの長文のメッセージを投稿しました。

◆故郷の月は明るく、安堵して帰路につく

                   孟晩舟(Meng Wanzhou)

 舷窓の外は真っ暗で、静かな夜空に翼の航行灯がひっきりなしに暖かく点滅していた。今この瞬間、私は、北極圏の上空を祖国に向かい、まもなく偉大な祖国の腕に抱かれるだろう。既に3年も離れていて地球の果てのように遠い祖国。故郷に近づくにつれ、私の心は次第に臆病になり、知らずしらず涙が溢れていた。

 中国共産党の指導の下、祖国は繁栄しつつあり、強い祖国がなければ、私は今のような自由を得ることはできなかった。過去の出来事は、まるで一昔前のことのようにフラッシュバックしたが、私の心の中にはまだ鮮明に残っていた。 この1028日は、右往左往して、選択するのが難しいあまたの思考、この1028日は、昼も夜も彷徨って、たとえ100万の言葉があっても、言い表すこともも難しい、この1028日は、幾たびも山と川に立ち向かい、どこに帰ればいいのかわからない日々だった。
 
 「真夜中に泣いたことがない人は、人生について語ることはできない」。何度も何度も奈落の底に落ち、何度も何度も夜の闇に投げ出され、翻弄されるほど、私の心に深く刻み込まれたこと、それは、涙や愚痴では悲しみを解決できない、繰り返す悲しみでは泥沼から抜け出すことはできない、ならば、がむしゃらに奮闘するより、太陽に向かってこの霞の状態から飛び出す方がいい。

 危険な風や波はつきものだが、それに正面から立ち向かうしかない。遠回りになったり、回り道をすることもあるが、最終的には碇を下ろして接岸し停泊する。何度も走って転んだことがあるが、そんなときほど力が沸いてくるものだ;数え切れないほど何度も出かけては帰宅したが、今、祖国に帰る私は涙に暮れる。数千の明かりのなかにひとつだけ私を暖かくしてくれるランプがある、そして、銀河のあまたの星のなかにひとつ、私に希望を与えてくれる星、心を揺さぶる星、有り難い星がある。
  
 私たちは平和を祈り、平和な時代に生まれたことを幸運に思い、偉大な祖国を讃え、偉大な国に生まれたことを有り難く思う。改革開放の時代に育った私は、共産党の指導の下、中国と中国人民がいかに偉大であるか、また、すべての同胞が何十年にもわたって懸命に努力し、祖国を繁栄させ、強靭にし、国民が共通の繁栄に向かって進み、世界の平和と発展に大きく貢献していることを自分の目で見て経験してきた。親愛なる祖国、党と政府に感謝する。私の心に忠実・信頼の火を灯し、人生の最も暗い瞬間を照らし、故郷への長い道のりを導いてくれたのは、あの中国の輝かしい赤なのだ。

 親愛なる家族、長い間、どんなときも私と風雨を共にし、見守り、私の喜びと悲しみのすべてに安らぎを与えてくれたことに感謝している。丘の上で私に付き添ってくれたのはあなたであり、茂みや茨の中から優しく私を導いてくれたのも貴方の冷静沈着なガードがあったから。親愛なるパートナーのおかげで、肩を並べるロマンスがあり、全力を尽くすという純粋さがあり、反抗するという大胆さもあり、振り返ってみると、静水のごとき愛と万雷のごとき責任に溢れている。

 親愛なる同僚の皆様、長い間離れていたにもかかわらず、辛抱強く真摯な励ましをいただいき、私たちは嵐の中、どんな困難なときも同じ船に留まることができた。お会いしたことがなくても、私のことを気にかけてくださる皆様に感謝を伝えたい。皆様の深い愛情、親愛を込めた挨拶と心からの祝福は、でこぼこ道の空の一角を彩る虹のよう美しい。

 真夜中に夢を見ると、明るい月、わき出る泉、心にわき上がる懐かしさに満たされた。それは3年間、一人異国に幽閉されていたときも、常に私の心にあった。秋風に吹かれて、飛行機に乗る前に、バンクーバーはすでに防寒着を必要としていた。美しい景色を見ながら、オレンジや黄色、緑の色を再び楽しめる1年にしたいと思っている。

 心から、祖国建国の日を祝福する。祖国への帰路は、曲がりくねった起伏のある道だが、世界で一番温かい故郷への帰り道だ。