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プーチンが「米国はソ連の道を
歩んでいる」と言った理由

環球時報
Why Putin said the US is walking Soviet Union's path
By Lu Xue
 GT

池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年6月8
日 公開


<写真キャプション:ワシントン キャピトルヒルの騒動>
2021年1月6日、ワシントンDCで開催されたドナルド・トランプ大統領との集会の後、米国連邦議会議事堂に突入する親トランプ支持者たち。トランプ支持者は首都に集まり、2020年の選挙でジョー・バイデン次期大統領が選挙人団でトランプ大統領に勝利したことが批准されたことに抗議した。
写真:サミュエル・コルム/ゲッティイメージズ/VCG


<本文>

 ロシアのウラジミール・プーチン大統領は金曜日、米国は典型的な帝国のシナリオに追随していると確信していると語った。ロシア通信社タスによると、帝国は無限の力を確信して、対処できなくなるまで不必要な問題を自分たちのために作り出すのだという。

 6月16日には、プーチン大統領とバイデン米大統領の首脳会談が予定されている。プーチンの意図は、バイデンとの会談の前に、アメリカは責任ある大国として行動し、世界を混乱させる極端な手段に訴えるのではなく、世界の安定に貢献し、各国の関係を調整する大きな役割を果たすべきだというメッセージを送ることかもしれない。

 タス通信によると、プーチン氏は、帝国の支配者たちは、様々な国やグループを威嚇したり、説得したり、忠誠心を買ったりできると自信を持っており、すべての問題がこの方法で解決できると考えていると述べた。「しかし、問題は山積みとなり、ある時点で対処できなくなってしまう。そして、アメリカは今、ソ連が歩んだ道を歩いているが、その足取りは自信に満ちていて、安定している」とプーチンは指摘する。

 米国はそのような筋書きに陥っている。国内では混乱が広く指摘されているが、海外ではトラブルを引き起こしている。覇権を維持するために、米国はいくつかの国に対して制裁や脅迫を繰り返してきた。しかし、米国の国力と世界的な影響力が弱まっているのは事実である。国内の安定性を確保することも、世界的なリーダーシップを維持することもできないのである。

 中国外交大学の李海東(Li Haidong)教授(国際関係論)は、日曜日の環球時報に対して、「プーチンの対米レトリックは非常に正確である。米国の政治エリートは、国の統治に失敗している。深刻な社会的分断に対処できないことがわかると、無責任にも危機を作り出したり、海外で戦争をしたり、中国やロシアなどの主要なライバルに国内問題の責任を転嫁したりして、国内の関心をそらそうとする」と李氏は語った。

 しかし、アメリカの政治家たちが宣伝しているほど、アメリカは強くない。上記のような試みは、望ましい結果をもたらしていない。例えば、米国は21世紀に入ってから始めたほとんどすべての戦争に負けただけでなく、中東でも泥沼化している。米国が中国に仕掛けた貿易戦争によって、多くの米国企業が巨額の損失を被っている。その結果、政治家が国内の問題に対処するのに役立つどころか、これらの試みは、アメリカ国民からのこれらエリートに対する非難の声をさらに高めることになった。


 「アメリカはソ連の道を歩んでいる」という考えを伝える政治家は、プーチンだけではない。1989年に自国を崩壊させたゴルバチョフ元ソ連大統領は、1月にこう述べている。「国会議事堂での暴動は、米国の国家としての存続に疑問を投げかけるものだ」と。一部のメディアは、ゴルバチョフが、アメリカもソ連のように崩壊していくと考えていると解釈した。

 ソ連の崩壊を目の当たりにした多くの人々にとって、アメリカは崩壊前のソ連の特徴を持っているように写る。その政治的偏向と社会的分裂は、和解するにはあまりにも厳しいものだ。その結果、キャピトルヒルの暴動のような極端な出来事が起こる可能性があるのだ。POLITICOによると、ドナルド・トランプ元米大統領は、土曜日にグリーンビルで開催されたノースカロライナ州の共和党大会で演説を行い、公の場に復帰した。

 李(Li)氏は、首都暴動の暴力を扇動したと非難されたトランプ氏が復帰すれば、米国は混乱し続けるだろうと述べている。トランプ氏に代表されるポピュリズムは、米国をより分断させ、内部で対立し、引き裂かれ、衰退する方向へと導くだろう。

 現在の傾向からすると、米国は内部的に衰退し、国内外で有効な役割を果たすことを困難にしてしまう。