ロシア国防省は、カリブラス8機による ウクライナ軍インフラへの 同時攻撃を初めて公開 同省、沿岸ミサイルシステム 「バスティオン」 砲台による攻撃映像も公開 TASS War in Ukraine -#283 Mar 23, 2022 ロシア語・英語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授) 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月24日 |
「カリブラス」によるAFUのインフラへの攻撃© ロシア国防省 タス通信 モスクワ、3月23日。/ロシア国防省は、黒海上のロシア海軍艦船がカリブラス(eight Kalibras)巡航ミサイル8発をAFUのインフラに同時攻撃する様子を初めて公開し、沿岸ミサイルシステム「バスティオン」の砲台による攻撃映像も公表した。 映像は、艦載型ミサイルシステム「カリブラス」の巡航ミサイル8基が、海上のミサイル艦から順次発射される様子を映し出している。 また、別の映像では、3基のバスティオン沿岸ミサイルが沿岸部の陣地から順番に発射される様子が映し出されている。 カリブラスミサイルシステムは、エカテリンブルクのノバトール設計局で設計・製造されている。公開されている資料によると、亜音速で飛行するこのシステムの巡航ミサイル3M-14の最大射程は約2,000kmに達する。Kalibr-NKシステムの水上艦用バリエーションが開発されている。 カリブラスミサイルは、ロシア軍によるシリアでの作戦で13回使用されている。ロシア国防省の報告によると、少なくとも合計99発のミサイルがテロリストの標的に向けて発射された。 ◆カリブラス 3M-14巡航ミサイル 詳細 出典:Wikimedia 英文版 カリブラス 3M-14巡航ミサイル Source:Wikimedia Commons 3M-型カリブラスは、3M54-1カリブブラス、3M14ビリュザ、NATO報告名SS-N-27シズラー、SS-N-30A、91R1および91RT2と呼ばれ、ノヴァター設計局(OKB-8)が開発したロシアの巡航ミサイルの一群である。 艦船発射型、潜水艦発射型、航空発射型があり、対艦用、対潜用、陸上攻撃用のバリエーションが存在する。また亜音速型は超音速型に比べ射程距離が長い。 設計 この巡航ミサイルはモジュール式で、対艦用2種類、陸上攻撃用1種類、対潜水艦用2種類の合計5種類がある。水上発射型と潜水艦発射型で部品を共通化するように設計されているが、ブースターなどはそれぞれ異なる部品で構成されている。水上艦から垂直発射システム(VLS)を使って発射することができる。 推力ベクトル機能を持つブースターを搭載している。潜水艦の魚雷発射管から発射されるミサイルには、そのような付加機能は必要なく、代わりに通常のブースターを搭載している。空中で発射するタイプは、ミサイルが発射される際にコンテナから切り離されて投下されるコンテナに格納されている。 ロシアで使用されているカリブラス陸上攻撃型の最大射程距離は、最大で1,500kmと推定されていたが、2015年10月の最初の作戦発射後、ロシア国防省の声明は2,000kmの射程を示唆、2015年12月の海軍情報局の報告書は、1,500-2,500km(1,600mi)の間の射程が推定されている。 ターミナル超音速飛行 3M-54Eモックアップ ロシア国内仕様(3M54T / 3M54K)は亜音速で飛行し、目標に近づくと超音速(2.9マッハ)を達成する。また、他の対艦巡航ミサイルの一般的な直線的な飛行経路とは対照的に、非常に高い角度の防御的な高速機動が可能である。 超音速の高速性は、BGM-109トマホークのような軽量の亜音速巡航ミサイルよりも優れた目標貫通特性をもたらすと思われる。トマホークの2倍の重量と4倍近い速度を持つジルコンは、トマホークミサイルの32倍以上の巡航運動エネルギー(約972メガジュール、または232kg TNT爆発エネルギーに相当)を持っている。その2.9マッハの速度は、既存のミサイル防衛システムで迎撃できないことを意味し、その精度は駆逐艦のような中型目標に致命的なものとなる。 運用状況 ロシア海軍は、3M14、3M54、3M54-1、91R1、91RT2を使用している。潜水艦発射型(2016年就役)は、キロ級潜水艦、ラダ級潜水艦、アクラ級潜水艦、オスカーII級潜水艦、ヤセン級潜水艦が使用している。水上艦発射型はグレミャーシチ級、カラクルト級、ブヤンM級コルベット、ゲパルド級、アドミラル・ゴルシュコフ級、アドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲート艦が使用する。 狩りブル型巡航ミサイルの運用地図 Source:Wikimedia Commons.. CC BY-SA 4.0, Link なお、以下は沿岸ミサイルシステム「バスティオン」の砲台による攻撃の映像のスクリーンショットである。 沿岸ミサイルシステム「バスティオン」の砲台による攻撃 © ロシア国防省 タス通信 |