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ロシア軍、降伏勧告を延長
キエフはマリウポルの武器を置く命令を
出さず、自国の戦闘員を裏切っている
Russia extends Mariupol surrender offer
Kiev is betraying its own fighters by not giving
the order to lay down arms, Moscow says
RT War in Ukraine - #634
April 20 2022


翻訳:池田こみち(E-wave Tokyo共同代表)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年4月20日


マリウポルのアゾフスタル工場の全景。© Sputnik / Ilya Pitalev

本文

 ロシア国防省は、黒海の港町マリウポルのアゾフスタル製鉄所に立てこもる残りのウクライナ軍が、火曜日に人道的回廊を通じて退去することを拒否したため、降伏の申し出を延長した。

 この場所にいる人々は、水曜日の14:00モスクワ時間から、武器や弾薬を持たずに施設を出ることができると、当局者は火曜日遅くに声明で発表した。

 「ロシアの指導者は、武器を捨てたすべての人々の生命を守り、安全を確保し、適格な医療援助を提供することを保証する」と述べている。

 ロシアは、紛争中に何度も降伏したウクライナ軍に対して人道的な態度を示しており、今回は捕虜に関するジュネーブ条約の条項も履行されると同省は主張している。

 製鉄所から退去するために、内部のウクライナ人指揮官は、ロシア軍との無線連絡を絶やさず、すべての敵対行為を停止し、アゾフスタルの境界線に沿って白旗を掲げるよう指示された。

 勧告では、「キーウ当局が自国の軍人を救うことを目的とした、いかなる基本的な措置も講じていない」にもかかわらず、「民族主義大隊の過激派と外国の傭兵」に与えられた武器を置くようにという申し出が繰り返されている。

 悪名高いアゾフ大隊のメンバーは、日曜日と火曜日にすでに降伏する機会を与えられていたが、いずれの場合もその申し出に応じなかった。

 アゾフスタルからの通信を傍受したところ、ウクライナの指揮官は「自分たちの状況が絶望的であることを理解し、武器を置く準備ができているが、キーウからの適切な命令がなければならない」ことを示唆しており、ウクライナ当局はその命令を拒否していると同省は主張している。政府の承認なしに降伏した場合、軍法会議にかけられ、死刑になる可能性もあるという。

 モスクワは、キーウのこうした行動を「ウクライナ軍人と民族主義大隊のメンバーに対する裏切り」と評し、「常識を示し、戦闘員に無意味な抵抗をやめ、人道的通路を通って退去するよう適切な指示を出す」よう再度促した。

 もしそのような命令がウクライナ指導部から改めて出されない場合には、司令官や一般の軍人が自ら、生き残るために武器を捨てる決断をするべきだ、と付け加えている。

 戦略都市マリウポルは、現在進行中のロシアとウクライナの紛争で最も激しい戦闘が行われ、甚大な被害を被っている。現在ではロシア軍によってほぼ完全に支配されており、アゾフスタルはウクライナの抵抗勢力の最後のポケットとして残っている。

 国防省が通信傍受で明らかにしたところによると、巨大な地下トンネル網を持つ製鉄所に立てこもる人々は、水と食料が不足している。

 ロシアの推計によると、マリウポリでのウクライナの損失は、悪名高いアゾフ連隊やアイダール連隊※の民族主義者の戦闘員や「外国の傭兵」を含む約4000人に達している。

※注)アイダール大隊(Aidar regiments)
 アイダール大隊としても知られる第24個別暴行大隊「アイダール」
 は、ウクライナ陸軍の暴行大隊であった。この部隊はウクライナ
 東部での戦争に参加し、
 2014年にはおよそ300〜400人のメンバーがいた。最初に配備され
 たルハンシク地域のエイダー川にちなんで名付けられた。2014年、
 アムネスティインターナショナルは、アイダール大隊がドンバス戦争
 中に戦争犯罪を犯したと報告した。
 2015年に解散し、ウクライナ陸軍の第24独立攻撃大隊として再構成
 された後、2016年に第10山岳強襲旅団に吸収され。2018年10月の
 時点で、大隊は130人の兵士を失った。(後略)英文Wikipedia

 ロシアは2月下旬、ウクライナが2014年に初めて締結されたミンスク協定の条件を履行せず、モスクワが最終的にドンバス共和国であるドネツクとルガンスクを承認したことを受けて、隣国を攻撃したのである。ドイツとフランスが仲介した議定書は、ウクライナ国家内で離脱地域に特別な地位を与えることを目的としていた。

 クレムリンはそれ以来、ウクライナは中立国であり、米国主導のNATO軍事圏に決して参加しないことを公式に宣言するよう要求している。キーウはロシアの攻撃は完全にいわれなきものであると主張し、武力による2つの共和国の奪還を計画しているという主張を否定している。